2004年12月31日
饅頭(まんじゅう)をはじめて作った人
このへんで「まんじゅうを最初に作った男」という話をしています。「日本におまんじゅうが伝わったのは14世紀半ば。中国の禅僧 林(りん)師 によるものとのこと」だそうです。お坊さんが伝えたものだから肉類を使わず小豆の餡を詰めたおまんじゅうです。
ところで、中国の伝説によると、饅頭(まんじゅう)という食べ物を最初に作ったのは、名参謀と名高い諸葛孔明ってことになっています。
諸葛孔明が南蛮を平定して都へ帰ろうとした時のことです。
都へ帰るには、濾水という大きな河を渡らなければなりませんが、波が高く、船が転覆するおそれがあるので渡れませんでした。
そんな状況が何日も続くので、近隣の村人たちは「河の神と戦いで神だ兵たちの祟りだ」といって恐れ、黒い牛と白い羊、それから四十九個の人の首を河の神に捧げなければならないと言いました。
それを聞いた孔明は、このあたりには人身御供などという悪い習いがまだ残っているのかと嘆き、料理人に命じて、小麦粉を練ったものに羊や牛の肉を詰めて人間の頭の形にした食べ物を作らせました。これが饅頭のはじまりです。饅頭という言葉に「頭」という文字がついているのはそのためなのです。
孔明が河の神に饅頭を捧げて祈ると、それまで荒れ狂っていた河がうそのように静かになり、一行はぶじ都に帰ることができたということです。
このお話は『三国志演義』という中国の古典に出てくるお話で、史実というより言い伝えに近いものです。
2004年12月29日
さわやかな朝がゆと雪の羽衣
朝食はお粥にしました。昨日買った雪の羽衣(マイタケの新品種)を鶏肉と一緒に炊いて醤油とみりんで味付けしてのせました。彩りに水菜を飾って、ミカンの皮の万能ソースを添えてできあがり。
あたらしいきのこ、雪の羽衣。味はマイタケでした。マイタケとどうちがって良いのかは、正直なところよくわかりませんでした。マイタケと同じように美味しいです。
2004年12月28日
雪の羽衣
茸であることは間違いありません。ホウキタケのような、マイタケのような… 何でしょうね、これ。
こんなラベルがついてました。しまった、五割引シールも写ってる。見切り品だったのがばれる(汗)
「あたらしいきのこ」って書いてあります。品種登録第11229号(天女)だそうです。農林水産省の品種登録情報ページで検索したところ、マイタケの品種だって書いてありました。へえ、これがマイタケ。ひらひらしてるところをなくして軸を味わうようにしたの?
ラベルにあるURLにも行ってみました。(株)ファングァスジャパンという会社のサイトでした。ここにある写真だと、ひらひらがちゃんとあって、色がかなり白いですよね。雪の羽衣や天女という品種名(または愛称?)がぴったりくるような感じ。
買ってきたのは見切り品なので、鮮度が低いのかもしれませんが、同じ売り場にあった割引シールなしのものも見た目はほとんど同じでしたけどねえ。
とりあえず写真だけとりました。これから食べてみます。
ミカンの皮
この写真のどこがミカンの皮なんじゃーとお怒りのみなさん。秘密はソースにあるのですぞ。
12月23日放送のスパスパ人間学でやっていたミカンの皮のソースを作ってみました。なんでも、脳の働きをよくするすばらしいソースだそうですが、効能はさておき、美味しそうだったんですもの。やってみるしかないでしょう?
<材料>
ミカンの皮
烏龍茶(なければ日本茶でも可)
砂糖
味噌
豆板醤
ごま油
醤油
酢 ←番組では入れてなかった
<手順>
1. ミカンの皮をみじん切りにする。なるべく細かくね。
2. ボールの中で1と砂糖をあわせ、熱い烏龍茶を注ぐ。
3. 味噌と豆板醤を加えてよく混ぜる。
4. ごま油と醤油を加える。
5. 最後に酢を加える。酸っぱいのが嫌いな人は入れなくてもよい。
分量は好みでいいと思います。スパスパの公式サイトへ行けば詳しい分量も出てると思いますが今日は適当にやりました。番組では、これを揚げ茄子にかけたり、鍋のタレにしたり、どんな料理にも合うと言ってました。まずはドレッシングがわりに水菜に添えてみたところ、想像通りマイウー(T-T)/
味噌だれっていうと柚子の皮をすり下ろして香りを付けたりしますけど、ミカンのほうが香りがやわらかいんです。口の中に入れてから、ほのかに香る感じで、豆板醤・味噌・ごま油という強力な組み合わせを、ミカンの皮がさわやかに仕切ってくれます。鶏の唐揚げに添えたら美味しいだろうなあ。しゃぶしゃぶのタレにもいいですよねえ。
日本原産なのに温州?
和名 ウンシュウミカン(温州蜜柑)
別名 李夫人(りふじん)
石女(うまずめ)…どちらも種がないことから
学名 Citrus unshiu
科名 ミカン科
中名 温州蜜柑
英名 Satsuma Mandarin
現在の日本でミカンといえば、温州ミカンのことを言います。
メルマガなんかやめてやるーとか言いながらブログを始めちゃうんだから始末におえませんよねえ。でもほら、日々是食欲ですから、気の向いた時にほいほいとメモしておける場所もほしいんです。それでブログ。
珍食ブログ第一弾はミカンです。ミカンなんて珍しくもなんともない? そうなんですけど、あまりにも身近だからこそ知らないことがたくさんありそうな気がしません?
そもそもミカンってなんですか?
広い意味のミカンは、ミカン科ミカン属(Citrus)の総称です。ここにはナツミカンやユズも含まれます。
でも、皮が分厚く手でむきにくいナツミカンや、おもに料理用のユズは、いわゆるミカンとイメージが違いますよね。
日本人が愛するミカンは、炬燵(こたつ)でぼーっとテレビを見ながら食べられるものなんです。こぶりで、皮がむきやすく、煮たり焼いたりしないで生のまま実を食べられなくてはなりません。
いわゆる炬燵ミカンに限定しても一種類ではありません。日本では古くからキシュウミカン(紀州蜜柑 Citrus kinokuni)を栽培してきました。クネンボ(九年母 Citrus nobilis)っていうのも有名です。ところが、いつのまにかウンシュウミカンが主流になって、今では日本でミカンというと、ほとんどがウンシュウミカンになってしまいました。
温州は中国の地名です。ウンシュウまたはオンシュウと読みます。東シナ海に面し、お茶やミカンの産地として有名です。名前に温州とついているのだから、ウンシュウミカンのルーツは中国かっていうと、これがそうでもないんです。温州のミカンはウンシュウミカンじゃないんですって。
ただ、日本古来のものではなく、ある時ぽっと出てきた種類であることは確かなんです。誰かが人工的にかけあわせたか、自然発生的にできちゃったのかはわかりませんが、おそらく江戸時代の初期に鹿児島県で発見されたものだろうと言われています。英名の Satsuma Mandarin は鹿児島(薩摩)に由来しています。
ウンシュウミカンのことでおもしろいことをご存じの方はコメントかトラックバックで教えてくださるとうれしいです。
はじめに
メルマガとWEBで続けてきた珍獣の食卓のブログ版です。珍獣様の食卓だから珍獣の食卓。珍しい生き物を食べるという意味ではないのですが、食べてよさそうな珍獣が手に入ったら食るかもしれません。普段は野菜の新品種とか、地方色の濃い野菜の紹介が多いです。
珍しいものを食べたら、それがどういうものなのか調べたりします。また、食べ物にまつわる昔話や言い伝えなんかも集めてみたいです。ブログなので、普段たべている珍しくないものも、日記風に紹介するかもしれません。よろしくね。
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