Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.28 ) |
- 日時: 2003/04/30 19:03
- 名前: ちんじゅう
- 4月30日(水)
曇りときどき雨。
| 昭和天皇は草花が好きで「雑草という草はありません」ということをよく言ってたらしい。陛下のお人柄をあらわす言葉としてよく紹介されるけれど、野草に興味がある人なら、たいていみんな同じことを言う。畑の作物や園芸植物の邪魔になるからといって抜かれてしまう草は、ひとつひとつ違う形をしているし、どれにも立派な名前がある。
この季節はいわゆる「雑草」の花も次々に咲いて忙しい。近ごろ一番光っているのは左の写真のようなカタバミの仲間だ。 最初はムラサキカタバミ(Oxalis corymbosa)かと思っていたけれど、ムラサキカタバミの花はたいていもっと薄いピンクで、こんな濃い色の花にはならない。抜いてみると根っこがごく小さな大根みたいに太くなっている。ムラサキカタバミのは細い根っこだったような気がする。
カタバミ属の植物の名前をいくつか調べてみると、イモカタバミ(O.articulata)というのと、ベニカタバミ(O.brasiliensis 別名ブラジルカタバミ)というのが写真のものに似ているような気がした。
イモカタバミは名前の通り根が芋のようになりムラサキカタバミより濃い色の花を咲かせる。ベニカタバミはイモカタバミに似て葉に光沢があるのだという。そういわれてみればうちで咲いているカタバミの葉にはビロードの布に光をあてたときのような光沢がある。
花を分解してみると、雄しべが赤黒い色をしていた。写真でみるかぎり、イモカタバミの雄しべは白っぽい半透明だ。やはりベニカタバミのような気がする。
夜になると花を閉じ、昼にはまた開く。今日みたいな雨の日も花が閉じている。カタバミの仲間はみんな同じ性質がある。
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<カタバミ科カタバミ属の見分け方> ざっと調べてみたけれど、実物をたくさん見て見分け方を覚えないと難しそう。葯の色など、明確にどの部分のことを言ってるのかよくわからない。花粉そのものの色とは違うのだろうか。
カタバミ Oxalis corniculata カタバミの仲間としてはもっともよく見かけるもので、どこにでも生えている。葉は緑色で花は黄色。ガラスペンの先みたいな種をつける。熟した種はさわると勢いよくはぜる。
アカカタバミ Oxalis corniculata f. rubrifolia これもよく見かける。葉が赤くなるカタバミの品種。花は黄色。ガラスペンの先みたいな種をつける。熟した種はさわると勢いよくはぜる。
ムラサキカタバミ Oxalis corymbosa これも、かなりあちこちで見かける。カタバミより大きく、花は薄いピンク。あまり立派な花なので栽培品種だと思ってる人もいるかもしれない。葯(花粉をつける部分)が白い。この種は種をつけない。
イモカタバミ Oxalis articulata 別名フシネハナカタバミ。ムラサキカタバミに似て花の色が濃く、葯が黄色。根が芋のような塊茎になる。
ベニカタバミ Oxalis brasiliensis 別名ブラジルカタバミ。イモカタバミに似て葉に光沢がある。
ハナカタバミ Oxalis bowieana ムラサキカタバミに似て葉や茎に毛が密生する。
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Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.29 ) |
- 日時: 2003/05/01 16:13
- 名前: ちんじゅう
- 5月1日(木)
晴れ。 日向は暑いくらいなのに日陰に入ると肌寒い。
去年はちっとも花芽がつかなかったアジサイに小さなつぼみがついた!(関連>>13)
昨日のカタバミをほじくり返してみた。
ベニカタバミ(仮)の特徴
写真1 | 写真2 |
写真3 | 写真4 |
写真1: 左の小さいのがベニカタバミ(仮)で右の大きいのがムラサキカタバミ。 写真2: ベニカタバミ(仮)の根っこ。大根のようだ。 写真3: ベニカタバミ(仮)の葉。 写真4: ベニカタバミ(仮)の花の裏側。萼が赤黒い。
葉: 濃い緑、小さめ(1.5cm) 葉表: 無毛 葉裏: 微網あり 茎: ほとんど無毛、赤みがかる 花色: 濃いピンク 葯色: 黄色 しべ: 雄しべ、雌しべとも赤黒い 根: 大根のよう
葉の大きさは、3 枚で作る円の直径ではなく、ハート 1 枚の根元から葉先までの長さ。
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