Re: 珍獣日記ぼたにかる(画像付、ほんとに重いよ) ( No.64 ) |
- 日時: 2003/05/23 18:54
- 名前: ちんじゅう
- 5月23日(金)
曇り。
本格的に虫の季節だ。 木立性のチョウセンアサガオの葉にたくさんの穴があいている。裏返してみると、緑色の小さな芋虫がムシャムシャと穴を広げていた。つっつくと糸を出して葉っぱからぶら下がって逃げてゆく。コナガというやつの幼虫に似ているけれど、コナガはアブラナ科の植物によくつくものらしい。チョウセンアサガオはナス科。似てるけど違う虫だろうか。この虫は葉っぱの端っこではなく、真ん中から食い荒らすので葉が穴あきになる。
似たような芋虫がキキョウ科のツルニンジンにもついている。こっちはチョウセンアサガオにつくものより色が薄くて半透明。ツルニンジンの葉は小さいので、端から食べたのか真ん中から食べたのかいまいちよくわからない。
アブラムシも沢山いる。チョウセンアサガオについているのは、幼体は全身が濃い灰色。翅のある成体は頭が黒くて体が黄色っぽい。中華セロリにもビッシリとアブラムシがついている。こっちは成体も幼体も黒っぽい。ひとくちにアブラムシといっても随分と種類があるようだ。アブラムシばかり集めた図鑑があったら面白そうなのに。そんな渋い本は普通の人には売れないから誰も作らないのかもしれないが。
チョウセンアサガオといえば大量に食べると人でも気が狂うような毒草なのに、芋虫にしても、アブラムシにしても、よくこんなものを食べて平気だなあ。スコポラミンは虫には作用しないのかしら。それともブルグマンシア属(木立性のもの)には大した毒がなかったりして?
昔のお医者さんが麻酔薬に使ったマンダラゲはダツラ属のチョウセンアサガオで、こちらはものすごい毒性があるらしい。 1676 年のアメリカでナサニエル・ベーコンが反乱を起こし、ジェームズタウン焼き払って大暴れしていたとき、鎮圧にむかった兵隊が現地でダツラの一種をサラダ用の葉とまちがえて食べて発狂し、11 日もの間、猿のように裸で暴れ回り、糞便を投げ合ったりしたという。この事件をきっかけに、この種のダツラをジェームズタウンウィードと呼ばれるようになった。和名ではシロバナヨウシュチョウセンアサガオのことだそうだ(『花の名物語100』)。B.stramonium のことだろうか。
いくらなんでも 11 日も代謝されずに人を狂わせるというのは大げさな気もするが、一時的になら、このくらいおかしくなっても不思議はなさそう。ダツラに含まれる毒はスコポラミンといって、一部の車酔いの薬にも含まれている。薬なので他の成分も含まれているし、量も大したことはないが、飲むと感覚が鈍くなり、判断力が極端に落ちる気がする。
そのチョウセンアサガオだが、うちにあるのは木立性でブルグマンシア属のものだが、思ったより成長が遅い。買ってきたときよりは葉が茂っているが、こんなんで秋に花を咲かせるのだろうか。
ダツラ属のケチョウセンアサガオらしきものならそこいらに自生している。こちらはそろそろ花の時期らしく、昨日見たらつぼみができていた。つぼみは袋に包まれていて、これを破って花を咲かせる。
ケチョウセンアサガオ
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