拝殿に刻まれている生き物(主に鳥)の写真です。写りが悪いのがものすごく残念ですが、とりあえず貼ってみます。そのうちチャンスがあったら撮り直しに行こうかと思ってます。
図1は最初なんだかわからなかったんですが、図3と同じ鳥だとすればキジかなあと思います。ただ、図1は左側の鳥の頬が赤くないし、右側の鳥は尾が短いので、あまりキジには見えません。それに、なんでキジが二種類いるのかも謎ですし。
図2も悩ましい! ずんぐりとして大きく見えるので鳩かなあとも思うんですが、バックにある植物が竹なので雀かもしれないですね。
図3はキジだと思います。冠羽があり、尾が長く、喉が青くてほっぺたが赤い。完全にキジだと思います。
図4はさっぱりわからない。冠羽と長い尾、全体に赤と黄色で塗られてることからキンケイじゃないかと思うんですが、キンケイだったら目の周りが赤くはないですよね。
図5は何ですかねえ。羽の模様とか木の幹に向かって止まってる感じからコゲラかアカゲラあたりのキツツキ類かなあとも思いますが、それならくちばしをもっと長く作りそう。止まり方にヒントがあるならヨタカもあやしいけど、そんな地味な鳥をわざわざ彫るかなあ。
図6はニワトリですね。
図7はワシタカ類の何かだとは思うんですが、それにしては腹が白いし、なんだろうなあって感じです。目の周りが黒いのを強調してるからハヤブサとか?右端にいるのはニホンザル。
図8はオシドリで決まりですね。
図9はバックの植物がコウホネなので、水辺の鳥だろうと思います。くちばしが赤いのと、体を青黒く塗ってるのと、足の感じなんかから、バンだろうなあとは思うんですが、バンの腹はこんなに白くないよねえ。
図10は幻の鳥ですね。鳳凰か鸞(らん)なんですが、たぶん鳳凰かなあ。鸞は鳳凰に似たもので混同されていますけど、日光東照宮の装飾を研究した人が、鳳凰とは尾羽の形がちがってて、江戸時代の宮大工は鳳凰と作り分けてたんじゃないかと言ってたような気がします(うろおぼえ)。どこで見分けるかっていうと尾羽の形だそうで、ギザギザがあるのが鳳凰、なくてツルンとしてるのが鸞だったかな。
その見分け方でいうと、図10は鳳凰ですね。あと、バックの植物が、ごちゃっとしてて分かりにくいけれど、竹が混ざってます。それから、柏の葉みたいなものに青い花も咲いているので、たぶんこれは桐ですね。桐にとまり、竹の実を食べるっていうのが鳳凰の決まりらしいので、やっぱり鳳凰です。
図11は鳥じゃなくて、一見すると龍の頭っぽくもありますが、角が真ん中に一本だけなので、麒麟か犀、あるいは解豸(かいち)かなあと思います。
足が蹄じゃないので一番似てるのは解豸なんですが、神社の装飾に解豸は珍しいので疑問が残ります。
磯前神社なので、海に関係した神社なので、水に住む一角の生き物となると、犀かなあとも思います。実在のサイの角は鼻先についてるんですが、昔の人の想像図では頭についてることが多いです。水中に住んでいると思われているので、水とは切っても切れない存在です。ただ、犀は足が蹄(ひづめ)で鹿みたいな感じに描かれることが多いですね。それに犀は海ではなく川にいるような気も。
じゃあ麒麟なのかっていうと、龍みたいで頭に一本角ってところは確かに麒麟なんですが、麒麟も正しくは足が蹄なので、どうもぴったり来ませんね。