珍獣様ことわたくしは全国の大観音めぐりなんかもやっちゃってます。今回行ってきたのは千葉県にある東京湾観音です。調子に乗って写真はりまくってるとブログトップが重くなるのでページわけときますね。続きを読むをクリックしてください。
▲これが東京湾大観音です。最初に「大観音めぐりをしてます」と書きましたが、下調べして見に行くわけじゃないんです。たいてい別の観光地に行く途中で発見します。
この観音様は勝浦あたりの海へ行く途中、道で看板を見て気になっていました。観音様自体は国道から離れたところにあるので見えないし、道もわからないのでなかなか行けなかったんですけど、たまたま時間があったので見に来たというわけ。
▲東京湾観音を作ったのはこの方(右側)、宇佐美政衛という人です。林業で成功した人で、戦死戦災者の御霊を鎮め、戦争のない世界を祈願して大観音を作ったとのこと。
昭和32年(1957年)に建造が始まり、昭和36年に開眼供養が行われました。身長は56メートル、重量は4800トンだそうです。毎度のことですがこういうデータを見るとコンバトラーVがいかに軽いか実感します(身長57メートル 体重550トン…)。
その費用は当時のお金で1億2千万円、建設に携わった人の数は1万2千人とのことです。
▲これが建築中の写真だそうです。この写真には打ちのめされますね。足場の材質が木なのか鉄なのかちょっとわかりませんが、これだけの大きなものを、このような足場を手作業で組んで作るんですから、人の力も捨てたもんじゃないなあ、なんてことを思うんです。
当時、市街地に立てられるビルの高さ制限が31メートルだったそうです(ソース:ウィキペディア「霞が関ビルディング」)。つまり当時のそのくらいの高さのビルは、みんなこんなふうに作ってたってことですよ。高度成長期ってすごいですよね。
▲観音様のお顔です。とても上品で優しい顔立ちです。腕のところに金網が見えるのは、中からここに出てきて外を見られるようになってるからです。この金網をAとします。覚えといてくださいね。
▲観音様のかんむりです。ここにも金網というか手すりみたいなものが見えますよね。ここをBとします。覚えといてね。
▲これが後ろ姿。無数の穴はすべてのぞき窓です。
では中に入ってみましょう。拝観料は500円です。といっても、実は写真とっていいか聞くの忘れちゃって、遠慮しながらとってるので大した写真がないんですけどね(笑)
▲中はこんな感じで螺旋階段になってます。エレベーターなどはないのですが、途中までは広いし段差が少ないので苦もなくのぼれます。
▲途中にこんなふうに仏像があります。仏像っていいながらこの写真のはマリア様なんですけどね。
東京湾観音は長谷川昻という千葉県出身の彫刻家がデザインしたものだそうです。観音様の中に安置されている仏像も、ほとんどこの方が作ったものばかりです。仏像でありながら人の生きる喜びが見えてくるような魅力的な彫刻を作る方です。
▲これは持国天。カッコイイでしょ?
どれもいいんですが個人的にはエビス様の像が気に入ってます。大きな鯛をかかえて「どや!大漁やでぇ」って自慢げに微笑んでるところが最高にいいんですよ。べた褒めしてるわりに写真はとらなかったんですけどね。また見に行きたいなあ。
▲上のほうまで登ってくると、だんだん狭くなってきて、迷路みたいでドキドキします。
▲途中、外へ出られるところがありました。わかりますか。金網の外に見えてるのは観音様の指先です。つまりここは観音様の腕の上ですね。Aの金網があったところですよ。
▲これは耳の穴だそうです。
▲こっちは鼻の頭。
胎内巡りができる大観音は各地にありますが、だいたいどこも胸のあたりまでで、頭まで入れる観音様は少ないんです。ここはもう、ほんとうに頭の天辺まで入れます。そのため途中から階段が入りくんでて、迷路みたいでほんとに楽しい!
▲途中からはこんな狭い螺旋階段になっちゃいます。ここから先は少し大変ですが、この日わたしは着物で小町下駄をつっかけて歩いてましたけど、それで上までのぼっておりられましたから、うっかりハイヒールで見に行っても大丈夫だと思います。
▲ここが20階、天辺です。観音様の頭のミニチュアがおいてありました。
▲実はさらに外があるんですよ。こんな階段でちょっとだけのぼると、観音様のかんむりの上に出られます。Bの金網があるところですね。
写真だとわかんないでしょうが、ここは案外スリルあるんですよ。なんせ金網ですし、風なんか吹いてると飛んでちゃいそうな気分になります。
というわけで、東京湾観音はすごく面白かったです。こんな面白いところなのに、実は近年になるまで存在を知りませんでした。思うに東京湾というネーミングがいけないんじゃないですかね。
たしかに千葉県も東京湾沿いですけど、東京ってついちゃうと都内のように錯覚するし、かといって都内に大観音があったらみんな知ってそうなのに誰も知らないわけじゃないですか。そりゃそうですよね、千葉県にあるんだから。
富津観音とか別の名前がついてたら、千葉県内にある大観音として、もうちょっと知名度があがるんじゃないかしらって、少し思いました。
東京方面から車だとアクアラインで海を越えて館山自動車道の富津中央ICでおりればすぐです。電車だと残念なことに便が悪くてJR内房線「佐貫町」駅より 2km だそうです。途中が坂道なので徒歩だと小一時間かかりそうです。
↓便宜上タグが「バブル」になってますが、東京湾観音はバブル期ではなく高度成長期に作られた観音様です。
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