いつもお世話になりまくっているひろこ様から謎のブツが送られてきたんですよ。ちょっと地味めで何の変哲もないバッグと草履(ぞうり)ですが、一体何で作られているでしょう?
バッグを近くで見るとこんな感じです。小さな四角いピースでパッチワークされてることは確かですが、材質はなんでしょう。
バッグには端切れもついてました。縫い方やピースの大きさがバッグと違うので、布見本なのかもしれません。
これは裏側。和紙と、メッシュ状の布で裏打ちしてありました。
さて、これは一体なんでしょう。わたしのブログを日ごろから読んでる珍しいもの好きの皆さんだと、案外知ってるかもしれないですが???
答えはいちおうページを分けておきますね。
これが答えです。端切れについてたタグなんですけど。
え、わからない?
タグの右端に「ミノ虫」って小さく書いてあるでしょう!?!?
そうなんです、これミノムシの蓑(みの)で作ったバッグと草履なんだって!!
ミノムシは、オオミノガ(大蓑蛾)やチャミノガ(茶蓑蛾)といった、蛾の幼虫です。この虫は幼虫時代に枯れ葉や枯れ枝を糸でつづりあわせて、巣というか、繭(まゆ)のようなものを作ります。それが雨の日に昔の人が身に付けた蓑(みの)に似ているので、ミノムシと呼ばれます。
その、蓑から葉や枝をきれいに取り除くと、羊皮紙みたいなものが残るんです。それを縫い合わせると、革細工のようなものができるというわけ。
ミノムシ細工の話は子供の頃に何かの本で読んで、実物を見たくて仕方がなかったんですよ。やったー、本物だー! すごーい!!
見た目は模様の変わった革っぽいんですが、触れてみると明らかに革と違ってて、もっと暖かい感じがします。お蚕の繭に似てる。そりゃそうですよね。どっちも芋虫が自分で吐いた糸で出来てるんだから。
ミノムシなんて小さなものですから、それでバッグを作るとしたら、一体何頭分くらいになるんでしょうか。ざっと数えた感じ、バッグだと本体だけで80ピースくらい使われていそうです。1ピース1頭…でしょうね、たぶん。
これだけのミノムシ、近ごろだと集めるのが難しそう。いや、昔だって大変だったんじゃないのかな。お蚕と違って育てて増やしてるとも思えないし、天然だとしたら色んな意味で本当にすごい。
いやー、いいもの戴きました。草履は二足あるので一足は履いて歩こうと思います。ミノムシばんざーい。ありがとうございました。
ちなみに、次の記事ではミノムシの蓑を分解してみようと思います。
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