ちまたで話題の分杭峠ってところに行ってきました。なんでも地磁気すら打ち消すような強力なパワーの出ている場所だそうで、ゼロ磁場と呼ばれています。ウィキペディアによれば、中国の気功師・張志祥が発見した気場だとも。
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話題のパワースポット分杭峠の場所は、長野県伊那市と下伊那郡大鹿村の間、国道152号線沿いです。昔はすぐ近くの駐車場まで車で行けたそうですが、人が殺到して道を塞ぐようになったので、少し下にある大駐車場からシャトルバスが出ています。
と、文字で書くのは簡単ですが、最初は意味不明で「はぁ?」って感じでした。事前にこのページとか、このページとかを見て、「伊那市 長谷 市野瀬 粟沢」というところに駐車場があるらしいことはわかるんですが、そんな地名じゃ地図を検索できませんしねー?*1
結局152号を大鹿村に向かって車でずーっと走っていき(運転はおともだち)、ここかしら、あそこかしらって言いながらどうにかたどり着きました。
途中に案内はあるんですが「分杭峠へはシャトルバスをご利用ください」と書いてあるだけです。バス停があと何キロか先にあるのか、それとも引き返せと言ってるのかわからず、首をひねるばかり。
だいぶ山を登った頃に、零磁場ミネラルと大きく書いてある建物を見て「あ、ここか!」とわかったような状態。まあ、一本道なので迷いはしませんけどね。
▲これが市野瀬粟沢のシャトルバス発着所です。朝8時から夕方15半まで、約30分間隔で運行しています。朝一番に到着したのに大勢が待っていました。テントの後ろが広い駐車場になっています。駐車料金は無料です。
駐車場の他に売店と自動販売機があり、簡易トイレもありました。トイレは分杭峠にもあります。
▲バスの切符です。往復で600円。片道切符もあります。歩いても40~50分くらいと思うのですが、道が狭くてバスも通るから歩くのはお勧めしません。
▲これがシャトルバスです。マイクロバスなので大勢乗れません。8時に待ってた人の半分くらいは次の便だって言われました。わたしはなんとか隙間に乗り込みました。
バスは細く曲がりくねった道をぐんぐん登っていきます。車がすれ違えないほど細い場所があり、対向車があったらすれ違えるところまでバックするかもしれないとアナウンスがありました。実際に見ると本当に狭く、わざわざシャトルバスを運行する理由がわかります。
▲ここが分杭峠のバス停です。昔はここまで車で来てもよかったそうです。今もたまに車で来る人がいますが、係員に「止められないので下からバスに乗って」って言われています。分杭峠側のバス停にも売店とトイレがあります。
▲分杭峠の碑と馬頭観音。高遠藩(たかとおはん)が他領との境に杭をたてたことから名付けられたそうです。右側の木の看板には標高1424米とあります。左の石碑の下に馬頭観音らしき石仏があります。
この先は徒歩です。ゼロ磁場と呼ばれる場所は5分ほど降りたところにあり、ゼロ磁場水と呼ばれる小さな滝があるのは林道を20分ほど歩いたところです。
道は舗装されていませんが、歩きやすい靴を履いてくれば特別な装備はいりません。山なので天気の急変で気温が下がるかもしれないので、真夏でも長袖で来たほうがよいと思います。
▲まわりはこんな感じで深い山です。山から雲が湧いてくるように見えて、非常に幻想的な風景でした。
まずは徒歩5分のゼロ磁場ポイントへ行きます。斜面を降りるんですが、いちおう階段になってて手すりもあります。階段の写真は撮りそびれました。
▲ここがゼロ磁場ポイントです。特に何もありません。人が座ってるところは山の斜面で下は沢だと思いますが、降りられそうもないのでわかりません。ロープを伝って降りている人も、一段低いところまでで、沢まで降りてはいませんでした。
みんな黙ってベンチに座り、山の風景を楽しんでいます。ブルーシートを敷いて昼寝している人もいました。持参したにぎりめしを食べている人も。
本当にここがパワーの源なのでしょうか。方位磁石を取り出してみましたが、なんの異常もなく北を指しています。
ただ、おかしなことに気がつきました。方位磁針の上面や底を指先でなぞると、針が指をおいかけてくるくる回るのです。
てっきり普通のことだと思い、動画にも撮りませんでした。ユリ・ゲラーが方位磁針を動かす超能力をやりますが、あんなに力まなくても簡単に動きます。ゼロ磁場パワーより人間の磁気のほうが大きいんだと、ややガッカリしました。
でも、帰宅後に同じ事をして驚きました。針がまったく動きません。えっ、分杭峠ではあんなに回っていたのに、一体どういうことでしょうか?
携帯電話やデジタルカメラの影響かと思い、旅先と同じものを膝の上において試しましたが、やはり自宅では動きませんでした。
パワースポットのせいかどうかはちょっとわかりません。山道を歩いたせいで衣服に静電気が発生したのかもしれませんし、車に長時間乗っていたせいで、車の影響で体が磁化していたのかもしれません。
とにかく不思議な現象だったので、いちおう記録しておきます。
さて、次は滝のあるところへ行ってみましょう。階段をバス停まで戻って林道を20分歩いたところです。林道は舗装されていませんが、平坦な道なので良い散歩コースです。沿道には山野草が咲き乱れています。標高のせいかアブラゼミやミンミンゼミなどはおらず、エゾゼミだけがビーーーーと鳴いていました。
▲こんな感じの道が滝まで続いています。
▲ツリガネニンジン?
▲イケマ?
▲タマアジサイのつぼみ。開くとガクアジサイのような感じですが、つぼみはシャクヤクそっくりです。
▲ツリフネソウ(写り悪い……汗)
▲これはなんでしょうね?
▲これもなんだかわからない。すごく知ってるような気がするんですが。
このような花々が咲き乱れる中を、てくてく歩いていくと滝の前に出ます。
▲分杭峠近くの滝。ゼロ磁場水を汲める。
昔はこの滝にも車で来られたらしいのですが、林道の途中で崖が崩れているので今は歩きでないと来られません。
写真だと丸太橋の左手に水を汲める場所があります。青いホースが見えると思いますが、それで水源から水を引いて、橋のよこちょに出るようにしてあります。
この水にもパワーがあると言われており、駐車場前にあった零磁場ミネラル株式会社でペットボトルに詰めて売っています。腰痛に効くとかの効果があるらしいです。
わたしも近づいて、ためしに顔を洗ってみました。どうやら温泉のような成分があるようで、ちょっと洗うだけで肌がしっとりして、非常にいい感じでした。しかも、その状態がしばらく持続します。
なんでしょうね、あきらかにモイスト成分が含まれています。このあたりの石と関係があると思います。林道の途中が崩れていたと書きましたが、瓦礫が蝋石のようにやわらかいんです。手で握りしめていると、それだけで角が取れて丸くなる感じです。なんという種類の石かわかりませんが、石の成分が水に溶けているんじゃないでしょうか。
東京に帰ってから、ここでくんだ水で化粧水を作りました。作るといってもハーブとゼロ磁場水を電子レンジで一瞬沸騰させてゆっくり冷ましてから濾すだけの簡単なものです。アルコールやグリセリンは入れませんでした。霧吹きにつめて洗顔後にふきかけて、手のひらでピシャピシャと叩いてなじませると、しっとりしていい感じです。
これ、本気で化粧品にする研究でもしたらいいんじゃないのかな。
なお、滝で水をくむのタダなんですが、大量にくんでバスに乗せる場合は、手荷物料金を取られるみたいです。事前にバスの人に聞いてください。鞄に入る程度の量なら問題ないと思います。
そんなこんなで分杭峠は面白かったです。家で留守番しているがぼ様(猫)に気どら(ゼロ磁場周辺の素材で作ったどら焼き)を買って写真を撮ったはずなんですが、なぜか見つかりません。ゼロ磁場パワーでロストしたのでしょうか。
気どらは、人間にとってはきわめて普通のどら焼きでした(美味しかったけど)。中のあんこは粒あんで、皮に陰陽対極図が焼き印されています。うちの偉そうな猫はあんこ好きなので与えてみたところ、その日はいつもより素早く駆けずりまわっていました。ひょっとするとゼロ磁場効果かもしれません。気どらはバス停の売店で1個150円です。
分杭峠へのアクセスは、車ならば本文に書いた通り、国道152号線を南下したところにシャトルバスの発着所があります。高速道路は伊那インターか諏訪インターが近いです。現在国道152号線は崖崩れで閉鎖されており、大鹿村方面からは分杭峠に近づけません。伊那市側からアクセスしてください。葛飾から伊那インターまでの所要時間は、道が空いていれば5時間程度。余裕を持って6時間といったところ。分杭峠しか見ないのならば日帰りも不可能ではない感じです(疲れるので一泊したほうがいいですけど)。
電車だとJR飯田線の伊那市駅から路線バスで高遠駅まで行き、杉島行きに乗り換えて、入野谷で下車するとシャトルバスの発着場に近いらしいです。あくまで「らしい」であって、わたしはバスに乗っていないので未確認です。
*1:そんなん以前にわたしは激しいボケをかましていた。「伊那市長谷市野瀬粟沢」というのは、伊那市と長谷市の間にある野瀬粟沢という意味だと思いこみ、長谷市の場所を本気で探そうとしたのである。すんでの所で切れ目が違うことに気づきましたが。
ぱる子 URL 2010年08月19日(木)00時02分 編集・削除
「ぶんくいとうげ」と読むのですね。全然聞いたこと
ありませんでした。コンパスの怪現象といい、天然
美肌水といい、さらに「気どら」…面白すぎます。
なんというか健全な怪しさがいいですね。シャトルバス
を運行するほどの人出とは、皆さん何が一番の目当てで
集まってるんでしょうか。