▲美和湖のほとり、溝口露頭から分杭峠の方角を写しました。この湖の下を中央構造線が走っているらしいですよ?
長野県伊那市旅行記その3です。先日はパワースポットとして有名な分杭峠を紹介しました。
◎関連記事:ゼロ磁場って何さ~分杭峠
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?mode=comment&no=930
この峠、じつは中央構造線という大きな断層の上にあるそうです。不思議なパワーも断層の活動によるものだとかなんとか言われているのですが、まあそこらへんは「信じようと信じまいと」ってやつです。
せっかくそういう場所にいるんですから、構造線ってやつを見たいじゃないですか? 事前に検索をかけたところ、伊那周辺の何カ所かで断層が露頭しているらしいんですね。露頭というのは地表に出ているという意味です。
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構造線について事前に調べたと言っても、あまり深く掘り下げませんでした。場所は現地で聞けばわかるだろうと思ったので。
ところが意外にハードルが高いんです。
とりあえず、分杭峠側のバス停に「この先行き止まり、中央構造線北川路頭までは行けます」とかなんとか看板があったので、国道152号線沿いにあることは間違いなさそうです。
そこで警備員さんにたずねたところ、
「えっ、この先ですか? 無理ですよ。大鹿村で大規模な崖崩れで通行止めです。ああ、看板ね……たしかに行けると書いてありますが、通れないと思いますよ。迂回路はちょっとわかりません。わたしは松本の人間なもので……」
っておっしゃるんです。
シャトルバスの運転手さんにも聞きましたが、
「さあ、存じ上げませんねえ。中央構造線はただの断層です。活動は地面の下ですから見えやしませんよ。分杭峠も構造線の上にあります。それが地表に出ていたらさぞ見事でしょうが、聞いたことがありませんねえ。」
という反応でした。
もしや、中央構造線は地元ではイケてない?!
結局、下のバス停で券売所の人に聞いたら「通行止めの手前にありますよ」とういことで、とりあえず一カ所目はみつかりました。
北川露頭
国道152号線を、分杭峠を越えて南下します。峠の南は下伊那郡にあたります。こんなに進んでいいのかなーと不安になりかけた頃、道が行き止まりになりました。道の右側に立派な無料駐車場があり、「北川露頭入り口」の立て看板もあります。
峠で人に聞いた時は、ぜんぜんイケてないのかと思っていましたが、ちゃんと看板もあるし駐車場もあるなんて驚きました。
北川露頭は駐車場から徒歩で3分くらいの沢沿いにあります。道は舗装されていませんが途中に階段があるくらいで子供でも歩ける平坦な道でした。
案内に従って林の中の道をてくてく歩いていくと、低い崖の上に出ます。ここが構造線の露頭であることを説明する看板がいくつか立っていました。
▲この写真は崖の上から写したものです。左側が黒く、右側が赤い土になっています。どうもこの境目が中央構造線らしいです。
冬で森が落葉したあとならば、沢の向こう側にも構造線が続いていることがわかるらしいんですが、今は茂っていてわかりませんでした。
▲階段を降りて崖下へ回るとこうなっています。こっちから見ると両側が黒くて真ん中が赤いですね。この赤くてちょっとへこんだところが構造線らしいです。
崖の高さはせいぜい3~4m といったところでしょうか。それほど大規模な露頭ではないですね。でも、ここが日本列島の裂け目かと思うと、ちょっとドキドキします。
▲北川露頭は、この川が崖を削り取ったことで露頭したものらしいです。らしいばっかりですみません。この日は午前中は晴れたり曇ったりしていましたが、山の上はお昼頃から雨になり、地面がぬかっていて心の余裕がありませんでした。
沢には降りられそうでしたが、増水しているのか流れが速く、あぶないのでやめました。
なお、構造線に関しては大鹿村に中央構造線博物館というのがあるそうですが、道が通行止めなので見に行けませんでした。
◎中央構造線博物館
http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/
このページには、北川露頭までは行けないと書いてありますが、それは大鹿村方面からのアクセスです。伊那市からは北川露頭までは行けます。そこから南が通行止めになっています。
溝口露頭
行き止まりなので伊那市に戻ることにしました。国道152号線を北上すると、美和湖というダム湖があります。せっかくなので湖のまわりを歩いてみようとしたら「中央構造線公園」の看板を発見!
場所は美和郵便局(長野県伊那市 長谷 溝口1156-1)の裏手。郵便局の南から湖方向に曲がった先です。無料駐車場もありました。
▲中央構造線がどこを走っているか示す案内図。
▲場所が狭くて全体を写せないんですが、これが溝口露頭です。ここも土の色がはっきり違っていますね。
先に見た北川路頭と分杭峠を結んだ線が湖を越えてここまで続いています。この構造線は日本列島を縦断し、南は九州、北は関東の霞ヶ浦まで続いているそうです。
戸台の化石資料室(長谷公民館内)
溝口露頭の近くに、長谷公民館があります。公民館内に化石の資料室があるので時間があったら立ち寄ってみてください。見学は無料です(公民館なので土日に開いてるかどうかちょっとわからないのですが)。このあたりの戸台層からはアンモナイトの化石が沢山出るそうです。
資料室そのものは小さくてあっという間に見られてしまいます。地元の化石でなく資料として集めたあちこちのアンモナイトが飾ってあったりして、「なにこれ?」状態だったのですが、公民館の入り口にさりげなく置いてある岩に化石が沢山含まれているのがすごかったです。
▲入り口の右下に岩がありますが……
▲よく見ると何かの化石がいっぱい。
その他の露頭など
というわけで、実際に行ってみられたのは北川路頭と溝口露頭の二カ所ですが、近隣に露頭がいくつかあるそうです。経済産業省の以下のサイトには、長谷から何とか言う林道の先に仏像露頭があると書いてあります。また、幕岩という石灰岩の層が露出した場所があるそうです。見たかったんですが場所がわかりませんでした。
http://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/geoparks/geoparks/alps/alps.html
道の駅南アルプスむら長谷で食事
国道152号線沿い、長野県伊那市 長谷 非持1400 に道の駅があります。おみやげを売る売店の他に、パン屋さんと雑穀料理専門のレストランがあります。
▲携帯の写真です。実物はもっと美味しそうでした。おからを使ったハンバーグです。だいたいどのメニューも1000円前後で気軽に立ち寄れる感じです。まわりに食事できる場所が少ないのでチェックしておいてください。
152号線を美和郵便局から少し北に行ったところにあります。
ぱる子 URL 2010年08月21日(土)01時34分 編集・削除
たった今ぐぐってみるまで中央構造線=フォッサマグナ
だと思ってました。なんと恥ずかしい。露頭が見られる
場所があるのですね。目に見える現象としては土の色が
違っている「だけ」とはいえ、何だかワクワクします。
>もしや、中央構造線は地元ではイケてない?!
の一文にウケました。