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冬が来て春になってもなぜか落ちない枯れ葉の謎

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▲この木はクワの木です。クワは冬になると落葉してしまうので今は丸裸。芽吹きはもうちょっと後です。


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▲よく見ると、裸の枝に枯れ葉がいくつかぶら下がっています。


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▲枯れ葉が残っている、というよりぶら下がってる感じなのは注目するポイントですね。

 実はこれ、丸まった葉っぱの中に…?

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▲見づらいかもしれませんが、葉っぱの中に繭が入ってます。クモの巣じゃなくて、繭です。

 改めて葉っぱをよく調べると、葉が枝から落ちないように糸で補強されています。だからぶら下がった感じになるんですね。葉柄自体が枝についているなら、上を向いてたっていいはずですから。

 なんの繭かっていうと、クワゴという蛾の繭です。お蚕さんの原種だと言われている虫で、クワの木を気をつけて見ていると、案外あっちこっちにいるものです。

 写真の繭は、まだ中に蛹が入っているみたいです。もう少しして、クワの葉が生えてきた頃に出てくるのかなあと思います。


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▲これがクワゴの成虫です。以前、幼虫をとってきて羽化させたものです。

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「ケラ」を世界中の言葉で



 4年半も前のことですが、ケラという昆虫を紹介する動画を youtube にアップロードしました。ケラは近縁種が世界中にいるそうです。そこで、"Does this insect live in your country? Please teach me this insect's name."と書いてみたところ、世界中のみなさんが、自分の国の呼び方を教えてくれました。せっかくなので、まとめてみました。

 モグラのようなコオロギ、馬のようなコオロギ、土の犬、土のザリガニ、クマみたいなもの…などなど、別の生き物にたとえる国が多いようです。

country  mean in EN mean in JP
Japanese ケラ (ke ra)   
Chinese 螻蛄 (lou gu)   
English Mole Cricket  もぐらコオロギ 
German Maulwurfsgrille Mole-Cricket もぐらコオロギ 
Hungarian Lótücsök Horse-Cricket馬コオロギ 
Hungarian Lóbogár Horse-Bug 馬虫 
Korean 땅강아지 (ttang gan ga ji) Earth-Dog 大地の犬 
Greece γρυλοτάλπα (Gryllotalpa) Mole-Cricket もぐらコオロギ 
Spanish Grillo topo Mole-Cricket もぐらコオロギ 
Swedish Mullvadssyrsa Mole-Cricket もぐらコオロギ 
Italian Grillo Talpa Mole-Cricket もぐらコオロギ 
Swedish Jordkräfta Earth-Crawfish 大地のザリガニ 
Latvian Zemesvēzis Earth-Crawfish 大地のザリガニ
Russian медведка (Medvedka) Bear クマ 
Lithuanian Kurkliai   
Serbian Ровац (Rovac)   
Croatian Veliki rovac Big gravediggers(?) 大きな墓掘り人(?) 
Polish Turkuć Podjadek   
Filipino Kamaru or Kamaro   
Brazilian Paquinha   
Jawa Orong-orong  
Thai แมงกระชอน   

その他の意見

・これはゴキブリです(冗談?)
・これはセミです(真面目?)
・ザリガニ(あるいはカニ)に見える。
・ポケモンの Nincada (ツチニン)に似ている。
・タイに沢山いる。
・フィリピンなど東南アジアでは食用(そうそう!)。
・ヨーロッパでは釣りエサにする。
・ヨーロッパナマズの餌である。
・南フロリダでは palmeto か dogy diggers と呼んでいる。--> ゴキブリ?(cockroach ?)

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突然飛んできて獲物を食べはじめたアシナガバチ

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 道を歩いていたら、突然アシナガバチが飛んできて、目の前の植え込みにぶら下がったので、何やってんのかなーと思ったら、運んできた獲物を食べてました。食べられてるのもナントカ蜂ですね。

 それにしてもまあ、片足でぶら下がっちゃって器用なことです。



 うちの虫ばっかりも、そろそろリニューアルして図鑑風からもっと図鑑に近づけたいと思う今日この頃ですが、どうも妙案を思いつかないんですよね。

 サムネイルをでろでろっと置いとくにしても、数がけっこうありますし、せめて科名ごとに検索できる程度にはしたい、なんてことを考えると手がつかず、結局今年も放置することになりそうです。

 だいたい、見分けに自信がないのとかもまざっているし、もう、このまま放置しとくのがいいのかもね(ぐすん)。

 新たに写したのとか、見分けがついたのとかを少し追加する程度でやめとこうかな。

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葛飾もクマゼミに征服されるのか?

 旅行系の話題はちょっと休憩してイキモノ系を少し。

 クマゼミは関西方面の虫で、関東にはごく限られた一部の地域にしか住んでいませんでした。ところが温暖化の影響なのか、ここ数年で関東各地でクマゼミが見られるようになりました。

 あくまでわたしの観測なので、自分が行く先のことしかわからないんですが、わたしが最初にクマゼミの声を聞いたのは日記によれば2004年の7月のこと、場所は水元公園のまわりです。シェイシェイシェイシェイシェイシェイという独特の鳴き声が一瞬聞こえたっきりで、その年はそれっきり二度と聞こえなかったので、数はそんなにいなかったと思います。

 それからも、毎年 0〜1回程度の頻度で鳴き声を聞きましたが、まだまだ珍しいね、というレベルだったと思うのです。ところが今年は水元公園のあっちこっちで本格的に鳴いちゃってます。次から次へと鳴き始めるし、あちこちで鳴き声が聞こえるので、一頭や二頭じゃないですね。完全にこの地で繁殖してるような気がします。



 これはグリーンプラザ(旧緑の相談所)のあたりで今日録音したものです。さて、来年はどのくらい増えるでしょう。水元公園はクマゼミに征服されてしまうのでしょうか。来年につづく!

タグ: 地元(葛飾周辺)

アブラムシのマミー

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▲これは6月の終わりに写した写真(再掲)です。図鑑によるとモモコフキアブラムシだそうです。桃粉吹油虫です。モモの木でオスと交尾して卵で増えたあと、アシの葉に移住して単為胎生生殖するそうです。

 前に掲載した時も書きましたが、この写真の中にちょっとおかしなものが写っています。
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 青い丸でかこったのは有翅型といって、他の翅(はね)のない個体と同じ虫です。

 黄色い丸でかこったのは、正確な種類まではわかりませんがアブの幼虫で、アブラムシを食べに来ています。

 問題は、赤い丸でかこった、まんまるい虫は何者なのか、ということ。

 そこで、気になるので図書館で少し図鑑など見てきました。どうやらこれは寄生虫にやられたアブラムシで、「マミー」などと呼ばれるもののようです。

 アブラムシは小さいですが、その小さな虫に寄生する小さなハチ(アブラバチ類・アブラコバチ類)がいるそうです。これらに寄生されるとアブラムシがパンパンに膨らんでまんまるちゃんになります。

 中に寄生蜂がいるうちは完全に死んではいないと思いますが、活発に動き回るわけでもないのでマミー(ミイラ)と呼んでるそうです。

 そういえば、うちのちび蛙たちは、まんまるちゃんだけ食べ残します。たぶん動かないからですね。

 寄生蜂は成長すると、アブラムシの体を食い破って出てきます。下の写真は7月6日に写したものですが、
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ほら、このとおり、まんまるちゃんのマミーに穴があいています。寄生蜂が食い破ったあとだと思われます。アブラムシも昆虫ですから脱皮をしますが、脱皮ならこんな穴はあきません。

 6月の終わりに葦原に沢山あったモモコフキアブラムシのコロニーは、7月6日にはすっかりなくなってマミーだけが残されていました。有翅型個体ばかりになって、どこかへ飛んで行ってしまったのでしょう。
 

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コメント一覧

目黒のゆの字 (07/18 17:25) 編集・削除

おおっ!すばらしい観察!
興味深いですねえ。
寄生蜂の世界は、寄生蜂に寄生する寄生蜂もいるそうで
奥が深いですよね。
すみません、単なる感想で。
でも、この写真といい、珍獣さんの観察といい
とても感心してしまったので。

珍獣ららむ〜 (07/18 18:32) 編集・削除

いやあ、本当にすごいのは、
アブラムシみたいな小さなものを
本気で研究している人ですよ。
アシの葉にいるのと、モモの木にいるのが
同じだってことを突き止めるなんて
並大抵のことじゃないと思います。