テトラ蔟に一頭、糸吐き始めで死亡。
区画蔟で薄い繭になったものが三頭。同時期に糸を吐き始めたものが厚い繭を作っているのにこの繭は透けている。中で蚕が黒くなって動かない。
厚い繭になってしまったものは、もう中身を確認できない!
今日はちょっと、さまざまな雑用を済ませてから夜はジャズ38でライブを見ながらイタリア料理の予定。
◎ジャズ38
http://www.yydotto.com/jazz38/
テトラ蔟に一頭、糸吐き始めで死亡。
区画蔟で薄い繭になったものが三頭。同時期に糸を吐き始めたものが厚い繭を作っているのにこの繭は透けている。中で蚕が黒くなって動かない。
厚い繭になってしまったものは、もう中身を確認できない!
今日はちょっと、さまざまな雑用を済ませてから夜はジャズ38でライブを見ながらイタリア料理の予定。
◎ジャズ38
http://www.yydotto.com/jazz38/
今日は誰のライブだろうと思ってよく見たら
スペシャルで席が1万5000円とか書いてある。
無理だから今日はお食事中止(泣)
でもそれでお店が潤うなら我慢するから
閉店をやめてほしいと思う。
いちまんごせんえんっ!!
そりゃ、よほどのゲスト・・・誰じゃ・・・
穐吉敏子じゃ無理もない(^^;
しっかし、大物が来るんですねぇ・・・
そうなんですよ。
わたしはジャズをあんまり知らないので
来る人がどうすごいのかよくわかんないんですが、
店長のお兄さんが金町でやってた頃から
たまにすっごい人が来てたらしいんです。
そういう時はチケットぴあで予約しないと入れないくらい。
(入ったことはないけど、ぴあの雑誌によく載ってた)
それほどすごい人を呼べる力があって、
そのためにファンが大勢集まるような店なのに
賃料のせいで閉店するっていうのが謎でしょう?
それだけ家賃が高いとしたら、
38が立ち退いたら誰も入れないと思うんですよ。
あの広いスペースを空店舗にしてしまうと
リリオ弐番館の地下はヤバイと思うんです。
雰囲気悪くなってほかの店にも影響しそうです。
ちなみに今日のライブはハワイアンで
ライブチャージ1000円だそうです。
行けたら今夜行ってみようと思います。
あそこ、以前お店を探していたときに見に行ったんだけど
保証金がとんでもない額でした。
まあ、ああいうビルって駅前ということもあり、どこも高いんだけど(高架下もすごいです)、8桁でしたよ。
家賃は高めだけど、こんなもんかな、て感じ。
でも更新のたびに値上げされるだろうし・・・更新料についても強気だろうしね。
上のゲームセンターは一時、競売に掛かってましたね。
どうもあそこの一階と地下って、通路が広いし白けるというか寂しいしいうか、面白味のない作り方だと思います。
駅から地下で繋がっていたらねぇ。
ジャズ38の大家は誰か知りませんが、どこも業突く張りですね。先見の明がないと言うか、町の発展なんて全く考えてない。
ららさんの言うとおりチェーン店になるか、ヘタすると飲み屋ばかりの町になってしまう。
今時、すぐ次のテナントなんて入りませんよね。駐車場があるわけでもないし。
私も家賃交渉で店をやめた口ですが、私が入る前は一年以上、出た後は丸二年空いてました。
大家のミスで一日水道が出ず休業、下の店のママが鍋を空焚きして店内に煙が蔓延し消防車騒ぎで半日休業でも補償なし。
一日たりとも家賃の滞納無しでも、更新時に家賃値上げを言い渡されました。90歳のばあさまよ。他にもたくさん貸し店舗を持っているのに・・・
なぁ~んてここで愚痴っても仕方ない。
ジャズ38さん、なんとか頑張って欲しいな~・・・
Sariさん、どうもリリオの地下はチェーン店の居酒屋ですら難しいらしいんですよ。お店のおばさんに聞いたら、38が入る前はチムニーが入ってたのが潰れたんだそうです。しばらく空き店舗になって、人も通らないほど寂しくなってたところにマスターがイタリア料理店を出したんだそうです。
これで38が閉店しちゃったら、あとに入る店なんかないかもね。大手のチェーン店はもっと広くて目立つ場所に店を出すんじゃないかなあ。原油価格の高騰だの不況だのが重なってるので大家が特別に欲張ってるかどうかはわかんないけど、空き店舗にしておいても良いことなんかないと思うんだけどなあ。
亀有みたいに賑やかな町ですらダメだと、金町南口のでっかいビルも心配ですよ。いくら立派なビルをたてたってそこでまともな店が営業していけなかったら意味ないんですけど、ホントに大丈夫なのかしら。
昨日は、徘徊する蚕たちを個室に突っ込んで上蔟を終わらせました。まだ寝てる蚕が何頭かいますが、ほとんどが繭を作り始めたようです。
相変わらず死んでしまう蚕もいます。今朝見ると紙製のテトラ蔟の中で二頭死んでました。昼ごろもう一頭死んで黒くなってました。区画蔟で繭を作ってる蚕も、いくつか中身が黒くなってるのがあります。こんなに早く蛹になるわけがないので、死んで腐りかけてるんだと思います。うわーん!!
▲これは中で蚕が死んでます。吐いたもので紙が染みになってます。
▲こっちは正常な糞尿です。生きた蚕がする水っぽい糞は、遠くへ飛ばされるので紙の端っこが染みになってることが多いです。
▲夜中に抜け出した蚕が外で繭になってしまいました。もうどうしょもないので放置。死ななきゃそれでいいですー。
▲区画蔟で繭になったもの。この繭は中身が生きてると思います。
中身が死んで黒くなってる感じのやつは、ほっとくと腐るだけなので明日捨てる前に写真を撮ります。
とはいえ、ひとまずは上蔟が済んだので、梅の世話なんかしながら桑の実酒でお祝い。
昔、テトラパックはピラミッドパワーで牛乳がながもちするといふまことしやかな俗説があつたけど、「テトラまぶし」にもそんなパワーがあると有難いんですけどネ。
いつも写真を楽しみに覗いている人が、やはりお蚕さまを飼っていたらしいです。
http://nezumineko.exblog.jp/9131254/#9131254_1
小規模団地みたいですね^^
頑張れ蚕!
繭の茹で汁は化粧水になると言うがどうなんだろうねぇ?
新生姜
家は梅酢に砂糖を入れ甘酢にして、
スライスした新生姜をひたひたで漬ける。
色は紫蘇なしでもピンクになる。
すぐ食べられるし、日持ちもする。
(室温、ビン保存で去年のも大丈夫)
梅酢たっぷり、紫蘇増量で紅生姜になる。
紅生姜は塩で下漬けして、
ちょっと干してから梅酢に入れたと思う。
ピラミッドは四角錐だけどテトラ蔟は三角錐なのでパワーはないのですー(T-T)
>小規模団地みたい
それがすなわち区画蔟。
成功するとそのように団地住まいになるのです~。
禁止の理由を養蚕家保護かもと書いてあるけれど、
漁業権の保護みたいな観点で書いてるなら
あんまり関係ないのです。
伝染病が広がらないように管理してただけです、たぶん。
>ゆで汁化粧水
セリシンが本当に肌にいいなら多分効くはず。
繭糸を包んでるセリシンとかいう物質が
茹でると溶け出すはずなので。
でも、作り方調べるとグリセリンを入れてるので、
どっちが効いてるかよくわからない(笑)
新生姜は甘酢にして漬ける……メモメモ。
さっきNHKで、神奈川県で養蚕をやっているお宅を紹介していました。
他のことをしながらチラ見していたんですが、外国人でした。
蚕・蛾・繭・籐のようなアケビのようなもので編んだ蔟・茹でるところ・糸にするところ・染・機織までざっと。
籐かアケビのようなもので編んだ蔟っていうのは見たことないですねー。自分で編むとしても、たいていは藁なんですよ。どんな形をしてたんでしょう。
その番組の人は日本に憧れて日本の養蚕をしにきたのかもしれないけど、実はヨーロッパでも養蚕をしてる地域があるんだそうです。
一度だけスペインに行った時、セビリアの町で、お婆さんが通りに小さなテーブルを持ち出して、箱の中で白い芋虫を扱っているのを見ました。遠目だったけど、蚕に見えました。
同じ道をもう一度通ったら何に使うのか聞いてみようと思ったのですが、帰りは別の道を通ってしまったので聞けずじまい。
長いこと食用(しかも幼虫のうちに食べる)と信じていましたが、スペインでは900年も前から養蚕をしてるってことに数年前に気づいて、かなり驚きました。
検索してみたけど、ららさんのおっしゃるように、同じような形のものがありませんでした。
ここなんか、あるかなと思ったんだけど・・・
http://meta.affrc.go.jp/afftool/daibunrui/yousankankeikigu.htm
ららさん手作りの「区画蔟」のふちだけを編んだような・・・
中にポコポコと繭が作られていました。
生放送だったから再放送はないし、うまく説明できなくてごめんなさい。
検索中に、ペルシア語辞典が出てきて、上蔟の綴り字が^^
そういえば外国ではどんな道具を使ってるんでしょう。その人のは外国式だったのかもしれないですね。
公園に蝉の幼虫を見に行ってから、元気があったらスペイン語で検索をかけてみます。
帰ってきました。
丁度ニイニイとアブラが入れ替わる時期で
どっちの幼虫もほとんどいませんね。
あと何日かすると
いきなりアブラゼミだらけになると思います。
スペイン語で養蚕のことを
セリシクルトゥラ sericicultura
とか言うらしいんですが、
わたしゃ重要なことを忘れていましたよ。
スペイン語で検索すると南米がヒットしてしまうのです。
日本と寸分たがわぬ養蚕風景ですよ。
やってるのは日系人なんだもの……orz
次は植民地がほとんどないイタリア語か
ドイツ語あたりで挑戦しよう。
ペルシア語の辞典、わたしも見つけましたぞ!!
おもしろいからペルシア語でも検索したら
読めたら面白そうなページがけっこうヒットしますね。
ペルシア語だからイランかな。
あのへんってインターネットの普及率が高いんでしょうか。
ドイツ語は中国と日本の紹介ばかりがヒットしてしまう。
富岡製糸にスイスから技師を招いたと学校で習ったから
ドイツ語圏でも養蚕をしてると思ったんだけどなー。
養蚕と製糸業は別かもしれないけど。
でもイタリア語で検索したら
養蚕道具のミニチュアをみつけましたよ。
http://www.friulicontadino.it/lavorii.htm
ここの20と21がそのようです。
21の手前のやつは毛ば取り器ですかね。
20が蔟みたいなんですが、
このかさばりそうなものを
どう並べて使ってるんでしょう??
イランは、なかなか普及しているらしいですよ。
トルコには及ばないかも知れませんが・・・
(ご主人がイランの方のブログから推察するだけですが)
イタリアのミニチュア、可愛いですね。
作った人って用途や並べ方を知ってるのかしら・・・・
▲営繭:最初は粗く糸を吐いて足場を固める。
早朝と言っても、わたしはお寝坊さんなので六時過ぎですが、蚕の様子を見ると惨憺たるありさまで、蔟から落ちて死んでるのや、蚕座(さんざ)の中で死んでるのが合わせて六頭くらい。どれも頭が黒くなる同じ死に方ばかり。もう写真を撮る気にもなれない。
▲営繭:繭の形になってきた。糸を取るにはいかに厚く繭を作らせるかが重要だけれど、伝染病発生中なので多くは望むまい。
生きてる蚕はというと、蚕座で桑を食べてるもの、棒っきれみたいにまっすぐになって寝ているもの。蔟の上で繭を作っているものが少し。あとは透けた体で蔟の上を歩きまわっています。しかも、せっかく作っている繭に糞尿をひっかけて歩いている。なんたる破廉恥な天女様であることか。
どれが保菌者なのかわからないので、できれば糞尿や吐物で汚し合うのはやめてほしいなと思います。仕方ないので集合住宅をやめて一戸建てを用意してやりました。
▲名付けてテトラ蔟(まぶし)
作り方はチャンスがあったらそのうち説明するけれど、牛乳のテトラパックと同じ構造のものを作って一頭ずつ入れてしまうのです。
これが蚕たちには意外と好評で、徘徊を続けていた蚕たちが急に繭を作り始めたりする。たまに脱走をはかる蚕もいるけれど、その場合は口を閉じてしまえばいいのです。空気さえ通ればいいのだから簡単な話。これなら糞尿や吐物で汚し合うこともないし、死んだ蚕は袋ごと捨てられます。
しかし欠点もあります。第一に場所をとること。大量飼いしている人には向きません。第二に中がどうなってるのかわかりにくいこと。死んでいても気づかずに過ごしてしまうかも。第三に、自分の糞尿で汚れるかもしれないこと。三番目は水を吸う紙を使えばある程度まで防げます。
ついでなので、まだずーになりきっていない蚕もテトラ蔟に入れてしまいました。寝ている蚕は間もなくずーになるだろうし、そうでないのも餌を切ったら体の変化がはじまるかもしれないので。
上蔟が済んだらあとは死にませんようにとお祈りするばかり。で果たしていくつ繭がとれるでしょう。
蔟は、蚕に綺麗な繭を作らせるための足場なので、どんな形をしていていもよく、昔の人は藁を蛇腹に編んだものを使っていたようです。藁蔟を作る専用の道具なんかもあるらしいのですが、博物館でしか見たことがありません。藁蔟か、折藁蔟で検索すると写真が見られると思います。それと同じ構造で、ワイヤー製のものもあるようですが、これまた実物は見たことがありません。
祖母の家では紙製の、格子状の蔟を使っていました。区画蔟(くかくまぶし)とか言うらしいです。使わない時は折りたたんでしまえることと、専用の枠を使うと何枚も重ねて天井から下げられるので便利なのです。たぶん、日本中の養蚕農家で愛用されているんじゃないかと思います。
▲区画蔟
もう少しちゃんと描こうよと自分でも思うけど、蚕の大量死でやる気が半減してるので勘弁してください。お菓子の箱の中に入ってる仕切りみたいな構造です。祖母の家にあったのは、たぶん農協かどこかで買った専用品だと思うのですが、厚紙に切れ目を入れて組み合わせ、余ったところを折り曲げてホッチキスで止めれば簡単に自作できます。一区画のサイズが 3cm x 5cm 程度になればいいです。区画は蚕の数の二倍くらい必要です。余りがないとうまく繭を作らないのだそうです。
わたしは後先を考えずに区画蔟だけ作ってしまったので寝かせて使ってますが、何かの空き箱に丁度はいる大きさに作れば立てて使えると思います。次回は立つように工夫してみたいと思います。
前にも書きましたが、農家では蚕がずーになると庭にたき火をして、区画蔟を一枚ずつ火で炙りながら開いて準備します。養蚕はたいてい女性の仕事ですが、五齢の時期に桑を枝ごと刈ってくる作業と、蔟を炙って広げる作業は祖父もまざってやっていました。上蔟が済むと、あとは繭かきまで養蚕の仕事はおやすみです。誰も喜びを口にするわけじゃないのに浮き立つ空気が子供心にも感じられます。
農家では、区画蔟を何枚も重ねて木枠に固定して使います。下の図のような形になります。実際の作業ではあまり呼び名を口にしないので、祖母がなんと呼んでたかわかりませんが、一般には回転蔟(かいてんまぶし、かいてんぞく)と言うようです。
▲回転蔟
名前のとおり回転する仕組みになっています。これ自体をさらにいくつも連ねて天井から下げて使います。
回転蔟に蚕をたからせると、蚕がたかっているところが重みで下になります。蚕は上にむかって歩く性質があるのですぐに移動していきます。上が重くなると、ぱたんと回転するので、また蚕は上に向かって歩きはじめます。何度もやっているうちに、気に入った区画をみつけて繭を作り始めるわけです。
蚕は餌を食べている間はほとんど歩き回りませんが、ずーになると徘徊をはじめます。しかも上を目指すのです。その性質をうまく利用したハイテクです。わたしはこの仕組みが大好きでした。
仕組みは大好きだったのですが、どうやって蚕をたけるのか、いまひとつ記憶にありません。検索してみると、大量の蚕を回転蔟の上にのせてるみたいなんですが、乗せるというより流し込む感じです。養蚕用語では「振り込む」と言ったりするようです。虫嫌いの人が見たら卒倒するような光景です。
おそらく、この振り込み作業が「まぶし」の語源だと思います。蚕をまぶす道具だからまぶしです。
さて、うちのお蚕さんたちはというと……うっ、これを書いてる間にテトラ蔟の中でまた一頭死にました。小便の染みと、吐物の染みは微妙に違って見分けが付きそうです。
おー「たける」!!
うちのS坊、栃木生まれで、中学校まで前橋にいたんです。
両親が栃木出身のせいか、とひきどき耳慣れない言葉を発します。
そのひとつが「たける」でした^^
うまい言い方だと思います!
昔の人の知恵って、すごいですね~、必要は発明の母か・・・
回転するところも素晴らしい☆
ここまできたら、一頭でも立派な繭が作れますように・・・
言われるまで気づかなかったけど、たけるは方言だったのか!!
「人だかり」という言葉があるから、自動詞の「たかる」はやや古い標準語のような気がするけれど、他動詞の「たける」は東京じゃ聞かないかもしれませんね。「たからせる」に変えてもやっぱり聞かない。じゃあ、東京方面ではなんていうんだろう。
「蔟に蚕をつける」なんか物足りない
「蔟に蚕をくっつける」幼児語的な響きがあるなー
「蔟に蚕をつかまらせる」これか?
「蔟に蚕をはりつける」ニュアンスがちがう
「蔟に蚕を付着させる」日常の言葉じゃない!
やっぱり「たける」じゃないと(笑)
「たからせる」かな~。
「ハエがたかる」とか、「たかってる」なんて言うし・・・
「たかる」というのに、「たける」と言わないのはおかしいですよね。
S坊は、「壁に額をたける」なんて言ってます。
私は額の場合は「掛ける」と言いますが、
お蚕さまの場合は掛けるじゃ変だし、やはり「たける」ですよね^^
額をたける、ですか。何かを刺激される響きですね。わたしは額だったら掛けるだし、ポスターなら貼るですが、たけると言う人は、確かにいますね。
あ、くっつけるものが子供だったらたけるかもしれない。「木にのぼりたいっていうからたけてやったんだよ」とか。大きいものに小さいものをひっかけるイメージなんでしょうね。
そういえば、鬼ごっこの鬼なんかも人にたけてたような気がしてきました。「鬼をたける」なんて表現をそう頻繁にするとは思えないんですが、誰かにタッチして鬼を交替する様子を思い浮かべると「鬼をたける」かな。汚いもの・イヤなものをなすりつけるようなイメージ?
《秋七月に、丹波國の餘社郡の管川のひと瑞江浦嶋子、舟に乘りて釣す。遂に 大龜を得たり。便に女と化爲る。是に浦嶋子、感(たけ)りて婦(め)にす。相逐(あひしたが)ひて海 に入る。蓬莱山(とこよのくに)に到りて、仙衆(ひじり)を歴(めぐ)り覩(み)る。》
(『日本書紀』「雄略天皇紀」二十二年條)
勝手な想像だけど、「たける」が「つがふ」とか「つるむ」との関連から、「くつつく」といふ意味になつたんぢやないかな。つまり「交尾」から派生した語義ではないか?(またしてもエロな説で申し訳ございません)
そのたけるは「猛る」では。感情が激しくなって行くところまで行っちゃいましたーという感じではないかと思うのですけど。表記のとおり「感じて」に近い意味じゃないのかなあ。連想でもくっつく意味にはなりにくいような気がするんですけど。
それに、オスとメスがくっつくのは「たける」でも「たかる」でもないと思うんです。「若き男女がたかる」と言ったら、ある場所に大勢で集まる意味になりそうです。「たかる」は、自動詞だと書いてしまったけれど、もしかすると他動詞なのかもしれない。どこかに、あるいは、何かにたかるんです(集ると書くらしい)。
「浦島子が釣り上げた亀にたかる」という文章があるとしたら、亀のいるところにべたべたしつこく一方的に通い詰めるようなニュアンスを感じます。
かぐや姫に群がる男達は「たかる」ですが、かぐや姫と誰かが相思相愛になるのは、気持ちが猛ることはあっても、集ってないと思うんですよ。
説明するほどにエロな深みにはまりさうな気がしますが・・・
(1)「猛る」「感る」は性的興奮を意味する。一応これを原義とします。
(2)性的興奮は交尾を志向するものであることから、「たける」に「交尾する」「番(つが)ふ」「交(つる)む」といふ意味が付け加はつた。
(3)さらに交尾に限らず、「ある種の性急さをともなつて暴力的にくつつかうとすること」「なにかばつちいものを(笑)無理やりくつつける」やうなふるまひを「たける」と言ふやうになつた。
・・・以上が私の推理です。これ以上ばつちい言葉を無理やり書き込むのはやめておきます。
ゴメン、エロ大いにけっこうなんだけど、これに関しては本当にピンと来ないです。交尾する、つがう、つるむ、あたりのニュアンスと、たけるが自分の中でまるで繋がらないです。
猛る・哮る・長ける・威・剛・岳・武・毅・建・尊、巧……と、こういうのが全部同じ根っこから発生してそうなのは簡単に思いつくんだけれど、その仲間にくっつける意味のたけるが混ざるような気が全然しないです。くっつける意味のたけるには、高さの概念がまるでないから。壁にとか木に、とかの例が重なってるのはたまたまで、たける場所に高さはいらんです。
くっつける意味のたけるを何かとこじつけるんなら、託す、手繰る、蓄える……のような単語から攻めるのが適切で、ものが集る(たかる)と山になり、高まるので、猛るにも通じる……とくれば、ああなるほどと騙されるかもしれない。
昨日は夜までお蚕さんとにらめっこで、ずーになったものから蔟(まぶし)に上げました。病気が蔓延しているので少しでも早く繭を作ってほしいのですが、体が変化する前に死んでいく蚕が続出して、さらに数が減ってしまいました。
▲これは今朝の様子
蔟はお蚕さんが繭を作る足場なので、どんな形をしていてもいいのですが、祖母の家で使っていた格子状の蔟を再現してみました。傾斜をつけて寝かせて置いてみました。
▲下に台を作って浮かせてある
下に隙間ができるように台をかってあるのですが、平らに置いてしまっても問題なく繭は作ります。蚕は繭を作り始めると体の中のいらないものを水っぽい糞にして排出するので、糸が汚れないように下に隙間を作ってみました。
本当は寝かせるのではなく立てたほうがいいと思うんです。寝かせてあるとほかの蚕が徘徊しながらする糞が繭にからんでしまいます。でも立てる仕組みを作るのがめんどくさかったので妥協しました。
▲好きな部屋に入って繭を作り始める
体が透けて糸を吐きはじめた蚕を蔟にくっつけてやると、気に入った部屋をみつけて繭をつくりはじめます。いつまでも歩き回っている蚕もいれば、あっという間に居場所を決めてしまう蚕もいます。
▲これが水のような便
蚕の糞は常に固形です。病気でないかぎり固形の糞をします。でも、粗い繭をつくりはじめたところで、こういうのをピュッとするのです。黄色っぽい透明な液体です。
便ならば正常なのですが、病気で死ぬ蚕が吐いたものと見分けが付きにくいのが悩ましいです。
▲営繭(えいけん)途中で死んでしまった病気の蚕
伝染病が発生すると、常に死の危険と隣り合わせです。おそらくほとんどの蚕が菌かウィルスに感染していて、なにかのきっかけで突然発病するのだと思います。左側で頭が黒くなっている蚕は、ついさっきまで順調に繭を作っていたのですが、突然動かなくなって死んでしまいました。こうなったらあわてて取り出して捨てるしかありません。微妙に動いてることもありますが、頭が黒くなったのは時間の問題で確実に死にます。
こんな調子で、二十頭ばかり上蔟させましたが、夜になっても餌を食べ続けている蚕が多く、食べるのをやめた蚕も棒っきれみたいにまっすぐに伸びたまま動かず、なかなか体が変化しないようです。疲れたので寝ることにしました。
回転蔟のことなども書きたいのですが、ブログの画像アップロード機能は五枚までなので記事をわけます。
寝る前に縦揺れと横揺れの時間差がやけに長い地震がありました。距離から考えてたぶん東北のどこか(西では滅多におこらないから)、しかもこれだけハッキリ縦揺れがあるのは大きな地震だろうと思ってテレビをつけたら、各局が臨時ニュースで大騒ぎ。岩手で震度6強とのこと。
▲桑を食べているお蚕さんは福顔だと思う
結局、蚕は半分くらいに減ってしまいました。さっき掃除をしたらまた一頭死んでいました。伝染病とは本当に恐ろしいものです。目の前でバタバタ死んで行くのに、発病してしまうとどうしようもありません。
こういう病気が蔓延しないように、昔は普通の人が蚕を飼ってはいけない法律がありました。どういう手続きで許可をもらうのか聞いたことがないので知りませんが、決まった農家でしか蚕を飼えなかったのです。ナイロンが発明されるまで、養蚕は国家をあげた一大産業でした。
化学繊維の登場と、中国などの安い労働力に負けて、日本の養蚕はすっかり衰えてしまったので、数年前に法律が変わり、誰でも蚕を飼えるようになりました。おかげで単なる興味で蚕の種を通販で購入できる便利な世の中になったというわけです。
ところで、うちのお蚕さんたちは、そろそろ「ずー」になります。老熟して繭を作るようになった蚕を養蚕用語で熟蚕(じゅくさん)と言うそうですが、その熟蚕のことを祖母は「ずー」と呼んでました。どんな字をあてるのかも、どういう意味なのかもよくわかりません。
まるまる太ったお蚕さんを見て、こっちはまだだけど、これは既にずーになった、などと言うのですが、子供の頃はまるで見分けがつかず、なぜわかるんだろうと不思議でした。実はそのことが軽くトラウマになっており、自分で飼っているお蚕さんが「ずー」になっているのを見分けられるのかとても心配でした。
知識としてはちゃんとあるのです。まず餌を食べなくなり、体が飴色になり透けてきて、いくらか縮んでくるそうです。しかし、うちのお蚕さんたちは、五齢になったら軽く黄ばみが出て、黄色いのと飴色なのと見分けがつくものなのか疑問でした。
が、そんな心配はまるで無用だったのです。
うわー、本当に透けてるー!!
▲どちらが「ずー」か、わかりますか?
上の写真は、右が「ずー」になった蚕で、左がまだ葉を食べてる蚕です。右のほうが全体に黄色いのはすぐわかると思うんですが、体の節を注目してみると、左は青いけど、右は黄色く透けてます。
実は動きも違うんです。「ずー」になった蚕は首を8の字に動かして、地面に糸をはきつけながら歩きます。
わたしゃ何をうろたえているんでしょうね。普段から蛾や蝶の幼虫を飼ってる時は、蛹になる前触れをわりと正確に見分けているんだから、お蚕さんで出来ないわけないんです。あははは。
▲これは奥が「ずー」です。
▲蔟(まぶし)に上げてみました。あまりアングルがよくないのですが、体が透けてる感じが伝わるでしょうか。
▲蔟につかまらせてやると、勝手に歩き回って適当な場所で繭を作ります。
農家で何万匹も大量に飼う時は、一頭一頭を見分けて上蔟させるわけにはいかないので、全体の様子で頃合いを見計らって一気に蔟に入れてやります。五齢になってからの午前中の気温の通算が摂氏百九十度を越えたら、なんて目安があるらしいのですが、祖母がそんな計算をしてたかどうかはちょっとわかりません。
祖母の家で使っていた蔟は、回転蔟というもので、その構造がまた面白くて大好きでした。それについては次に書きたいと思います。模型を作るのは大変なので、今度こそイラストがいるかな。
私の鹿児島弁的センスで言ふと「ずー」は「透く」を表す擬音語のやうに聞こえます。
正確な意味を知らないままに記憶して居た吉田一穂の詩の文句にこんなのがあります。
透蚕(すきご)は眠る,
影ほの白し。
一線(ひとすぢ)の丘の曙,
山々の遠き風嘯。
タイトルは「曙」。上記四行で詩の全てです。
この「透蚕」とは「熟蚕」のことなのでせうか。またひとつ賢くなりました。
どうなることかと、見守ってます。
半数になっちゃうとは。養蚕農家だったら悲鳴ですね。
母の実家が群馬なので、ばあちゃんちの隣近所は養蚕家でした。蚕を数頭もらって育てた記憶があります。
繭にはなったのですが、蛾は出てこなかったかなぁ。。。
「ずー」綺麗ですね!
和菓子みたいだなぁと思いました。
お土産のキビだんご的な半透明感。
梅干のその後も楽しみにしています。
ばあちゃんも、庭の梅の実で漬けてました。
子供の頃は、酸っぱ過ぎて。今は懐かしいです。
可愛いね~!^o^
うちで飼っていたとき、死んでしまったのがいた記憶がないんだけど、
母が始末していたのかな~・・・
蚕糸試験場のだったから、元気だったのかな。
>Goudeau さん
透蚕なんて言葉もあるんですね。
素敵な詩を教えてくれてありがとう。
吉田一穂、いいですねー。
>てっちゃんさん
実は、繭を作り始めたやつも死んでるんです。
良い具合に糸を吐いてるのを確認して
もう大丈夫と思っていたのに突然吐いて黒くなってしまう。
繭が完成するまでに数日かかるので、
その間に全滅してしまうかも知れません。
これ書いてるあいだにも三頭死んでしまいました。
ほんとになんの前触れもなく吐いて死ぬので
いくら掃除してもまわりの蚕が吐物にまみれてしまう。
うーん。
>Sariさん
伝染病にさえならなければ、
お蚕さんはそう簡単には死なないと思います。
わたしは毛蚕のうちに大量死して減るかと思ったけれど、
五齢になるまで元気に育っていたので油断してました。
とはいえ、何に気をつければいいのか想像もつきません。
ちゃんとしたところで買った種なので
親からうけついだ病気ではないと思います。
餌か、わたしの手から感染したんでしょう。
少し休んだら懲りずに再度挑戦するつもりですが、
次の種を仕入れる前に籠やらなんやらを
消毒しないといけませんね。
「ずー」は 頭 の「ず」か?
茨城弁のぺージにこんなあったけど
・うすかー:病気のカイコが作った繭。薄皮の意味。
・おじゃり:御舎利病。
・おしゃり:御舎利病:筑波郡。
・ず:繭を作る前に頭が透明になったカイコ。
・ずっこ:上族前のカイコで頭が透明になったもの。
・ちょーちんこ:カイコの病気の一つ。
・とめる:【動】カイコが脱皮する前に桑を食べなくなること。
でも、透明になったのは頭だけじゃないしねぇ。。。。
・ねむる:カイコが上族してて桑を食べなくなる。
・ひかりこ:病気のカイコ。白くなったり節がふくれたもの。
・ふしたが:病気で節が白くなったカイコ。
・わっこ:未成熟のカイコ。
頭という字は最初から思いつくんですが、
意味が通じないので違うだろうと思ってました。
でも、確かに頭というか、
膨らんだ胸のちょっと下あたりが透けるのが
特に目立つような気はしますね。
ずっこのずーなのかなあ。
「だからどうした男の子だーい」の人みたいですね。
うちのお蚕さんたちは、
通算190度の条件はクリアしたと思うんだけど、
まだ餌を食べてる奴らがいます。
体の変化も思ったより進みません。
棒みたいに体をのばしてじーっとしてる。
相変わらず死んじゃう蚕もいるし。
病気で繭になる力が出ないのかも、とほほ。
こんばんは、先日はコメントレスありがとうございました。またお邪魔いたします。
「ずー」になったお蚕、初めて見ましたが綺麗なんですね。
当方も伊勢崎の生まれ育ちでして、母にこちらさまのブログを見せて、「ずー」って何?と聞いてみましたら、「意味や字はわからないけど、お蚕じゃなくてもそう言う」とのことでした。
年を取った方の身長や体格が小さくなることがありますが、そういう時に「あの家のおばあちゃん(おじいちゃん)、ずーになったねえ」みたいに使ったそうです(年を取ってもあんまりふくよかな方には使わなかったそうですが・笑)。
ただ、これがお蚕の「ずー」が先に言われていたのが人間にも言われるようになったのか、そのへんは分かりませんが…。(*追記しました 20:58)
ずっこのずー…好きでした。なつかしい(笑)。
伊那地方では
「・スガク=五齢の終わりに桑を食べなくなり、蚕の体が透き通ってきた状態。熟蚕となる状態。
・アタマスガキ=頭が透き通る蚕 空頭蚕」とあるので
ず←すがくの「す」か?
料理で「すが入る」=空洞が出来るの「す」かしらん・・・
あーますます分からない・・・
ずっこ=すきご(透蚕)
ずー=透く
この解釈で良いんぢやない?
ずーは擬音語ぢやなくて動詞「透く」そのものでせう。
それから、「シジ」のことだけど
「縮む」を「しじむ」と読む読み方が存在するさうです。(『言海』による)
「夜のしじま」といふときの「しじま」は、「口を閉ぢること」→「口を縮めること」→「無言」「静寂」
貝の「しじみ」(蜆)は「縮み」から来た語
幼児のティムコを意味する「シジ」も「縮む」→「なにかしら小さなもの」、といふ成り立ちらしいです。
つまり「シジ」は小さな状態のお蚕さんを指すと考へて差し支へないでせう。
なんとっ!!
人間のおとしよりも、ずーになったりするのですか。
それは聞いたことがありませんでした。
しかも、老いるだけじゃなく縮まなきゃいけないんですね。
おもしろいです。さよさんありがとう!
お母様にもよろしくお伝えください。
ずーが透けるの擬音語というのは
最初聞いた時にはあまりピンとこなかったけれど、
すきご→すっこ→ずっこ、という変化ならば
なるほどと膝を打ちたくなりますね。
熟蚕を「じゅくご」と訓ずることがあるらしいので、
じゅくご→じゅっこ→ずうこ→ずー、かもしれないし、
両方が混ざってる可能性もありますね。
ニュアンスとしては、老熟して透けてくる感じで、
元気だったオジサン・オバサンが、
老いて影が薄くなっちゃった状態に近いんでしょうね。
シジが小さいことを意味するのもかなり面白いですよ。
すると、「たけ・ふな・にわ」も、やはり形状なのかな。
「たけ」は、竹ではなく鷹とする場合もあるようです。