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豆腐百珍:金砂とうふ(すなごどうふ)

 『豆腐百珍』は江戸時代の料理書です。漫画『美味しんぼ』などによく出てきます。先日テレビで話題になってるのを見たのでおもいついて借りてきました。面白いので心引かれるものを再現してみようと思います。

十六 金砂(すなご)とうふ よく水をしぼりよくすり鶏卵のしろみをつなぎに入れ板にのばし上へ煮ぬき鶏卵の黄(きみ)をはらりとまきて砂子の如くしよくおさへ蒸す小色紙に切る也

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 言われた通りにやってみました。味付けについてひとっことも説明がないので塩で薄く味付けしてみました。が、ずばり言って味はただの豆腐です。がんばって刷り混ぜたわりに食感も豆腐以外のなにものでもありません(笑)

 見た目は綺麗ですが、これだったら「よくすり鶏卵のしろみをつなぎぎに入れ」なんて手のこんだことしなくたって、豆腐を薄く切って水を切り、上に黄身の裏ごしをかけたらいいような気がします。

 もしかすると、このまま食べるのではなくて別の料理に使うのかもしれませんね。たとえばお吸い物の具にするとか。当時の人は説明がなくても「ああ、どこそこの○○に入ってるのはこれか」みたいに納得してたのかもしれないです。

タグ:豆腐百珍

パン種に気をつけろ(笑)-自分の中の小麦粉料理の変遷

 ツイートにもよく書いているのですが、地震とかなんとかで炊飯器がぶっ壊れてしまい、新しいのを買うまで仕方ないので小麦粉をこねたり焼いたり蒸かしたりして暮らしてます。

 最初はでチヂミかお好み焼きのようなものを作ってました。小麦粉を水でといて野菜や肉を刻んだのを混ぜて、フライパンで焼いただけ。好みで卵を入れても可。食べる時は酢醤油を添えて。酢醤油にごま油や豆板醤を混ぜてもいい感じ。

 チヂミのバリエーションで焼きそば焼きというのもあります。先に焼きそばを作っておいて、水で溶いた小麦粉をざーっとかけまわして焼きます。これもかなりイケました。
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▲焼きそば焼き

 しかし、お焼きにも飽きる日がやってきます。そこで、次にやりはじめたのがパン作り。パンといってもベーキングパウダーで作って蒸して作るパンですけどね。

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▲ベーキングパウダーの焼きパンと花巻(中国蒸しパン)

 作り方は簡単で、強力粉100g(約200cc)、ベーキングパウダー小さじ1、砂糖大さじ1くらい、塩少々、ごま油をべべーっとまわしかけて、60〜70ccくらいの水を加えて混ぜて、こねてひっぱってこねて、まるめて焼くか蒸かすかして作ります。水の代わりに牛乳か豆乳を入れてもオッケーです。

 このやり方は時間のない朝でもできて良いのですが、残念ながら少し固いものが出来上がります。それでも蒸したて、焼きたてはいいのですが、あっという間に冷えてがちがちに。

 ううむ、こうなったらイースト菌を投入するか。ドライイーストかもーん!!

 というわけで、最終的にはパン種(イースト菌)入りのパンに落ち着きます。作り方は書くと複雑ですが菌の発酵時間が加わるだけです。

 60ccのぬるま湯に砂糖を小さじ1杯くらい溶かし、ドライイースト3gを混ぜてしばらくおきます。ここで使うのは水でも熱湯でもだめです。水だとイースト菌さんが目覚めないし、熱湯だと死んでしまいます。

 強力粉100gに砂糖を大さじ1くらい、塩少々を混ぜて、先に発酵させたイースト菌をぬるま湯ごと入れて、ごま油をべべーっとかけまわして、混ぜて、こねて、ひっぱってこねて、乾燥しないように布巾かラップをかぶせて発酵させます。寒いと発酵しないかもしれないけれど、まあこの時期だったら室温で大丈夫です。

 生地が倍くらいにふくれあがったら、軽くこねてガスを抜いて、二等分か三等分にして、まるめて蒸かすか焼くかしたら完成です。蒸かし時間は鍋の大きさとかにもよるだろうけど7分〜10分くらいじゃないですかね。
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▲イースト菌を使った中国蒸しパン。写真のものはネジって丸めたりしてかっこつけてありますが、丸めただけでもたぶん大丈夫。

 最初は「発酵めんどくさーい」とか言ってたんですが、やりはじめるとやめられない。パン生地がおもしろいように膨らむし、冷めてもガチガチにならない。すごいよ、イースト菌。もう君なしでは生きていけないっていうくらいすごい!!

 聖書にパリサイ人のパン種に気をつけろととか、天国はパン種のようなもので少量で膨らむんだとか書いてある意味がやっとわかった。心をパン生地にたとえたら、一度イースト菌(パン種)を投入すれば、良くも悪くもふくれあがって、もう二度と純粋な練り粉の時代になんかもどれない。ああ、イースト菌、イースト菌、わたしはもう、オマエにメロメロだよ…(かなりヤバい)。

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▲イースト菌入りの生地で具を包んで蒸したり焼いたりしたパン。パンというより肉まんみたいな感じです。焼いてみると遠くに餃子も見えてくる。

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▲蒸したのを割ってみました。焼いたやつは写真撮ってるあいだにつまみ食いして消えました。

ブリヌイというものを作ってみた

 ロシア料理のブリヌイというものが美味しいらしいと聞いて作ってみようと思ったわけです。薄いホットケーキのようなものでジャムやサワークリームを乗せて食べるそうです。

◎ワールドバザール21/お国自慢レシピ
http://www.e384.com/02_020/recipe.htm
 BSフジの番組ページらしいんですけど、ページ自体がなくなると困るので、生地の材料だけ引用させてもらいます。

●強力粉 200g
●そば粉 300g
●牛乳  600cc
●水   500cc
●砂糖  30g
●バター 40g(溶かしておく)
●卵   2コ
●塩   10g
<イースト発酵用>
□イースト 20g 
□ぬるま湯 100cc
□砂糖 10g

10人分

1. ぬるま湯に砂糖とイースト菌を溶かし、暖かいところにしばらく置いて発酵させる(予備発酵)。
2. 水・牛乳・とかしバター・砂糖・塩・卵黄を入れてよく混ぜ、発酵したイースト菌も入れる。
3. 強力粉とそば粉をふるい入れてよく混ぜ、暖かいところに置いて発酵させる。
4. 倍くらいに膨らんだら空気ぬきをしてさらに発酵させる。
5. 卵白をよく泡立てて3と混ぜる。
6. フライパンに油を敷いて、薄く焼く。


 10人分も作ったら始末に困るので5分の1の分量で試すことにしました。卵は別けられないので1個使いました。この時点で何か間違っているかもしれません。そば粉はなければ小麦粉を増やせばいいと思うんですけど、うちにはなぜかそば粉があるので使ってみました。

 ドライイーストを予備発酵させるところまでは良かったのですが、水・牛乳等と溶かしバターを混ぜようとしたら、バターが固まりました(笑)

 固まったバターは無視して粉を混ぜ、なるべく部屋の暖かいところに置いてみましたが、ぜんぜん発酵しませんでした(笑笑)時間が足りないのかもしれないし、生地の配合がアレなのかもしれないです*1

 かまわず焼いてみましたが…
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意外と様になっていますよ? ただ、これで正解だとすると、イースト菌を使う意味がなくて、ベーキングパウダーで済んでしまう。もう少し暖かくなったらリベンジしようかな?

 なんでも、このブリヌイに、ロシアではイクラをのせて食べるそうです。なんだかやけに美味しそうでしょう。イースト菌の機嫌が良くなる季節がやってきたら、もう一度作ってみようと思います。


[追記]ブリヌイには作り方が沢山あるみたいです。
http://blog.goo.ne.jp/katteni-russia/e/4b1524efa71aa0392baddf7d6fb19b64
 こちらによると「小麦粉大さじ6 ヨーグルト200cc 卵1個 砂糖小さじ1 塩少々1 ベーキングパウダー小さじ1/2 を熱湯で混ぜて、サラダオイルを少し加える」だそうです。

http://cookpad.com/recipe/30690/
 こちらによれば、ベーキングパウダーすら使っておらず、これだとほとんどクレープみたいになりそうです。実際ロシア風クレープと紹介されてます。


 わりと自由なんですね。でもイースト菌を操ってみたい(笑)



[追記]イースト菌に憧れつつベーキングパウダーで作るブリヌイ

(2人分、4〜5枚)
強力粉 40g
そば粉 60g
砂糖 6g
ベーキングパウダー 小さじ1
塩 少々

卵黄 1個分
牛乳 120cc
水 200cc

卵白 1個分(角が立つまで泡立てる)

1. 強力粉・そば粉・砂糖・ベーキングパウダー・塩を混ぜておく。
2. 1に牛乳・水・卵黄を加えてとく。
3. 卵白を角がたつまで泡立てて2に加えて混ぜる。
4. フライパンに油をしいて、3を焼く。ホットケーキを焼く感じ。だいたい4〜5枚焼ける。

*1:冷静に考えると水や牛乳を室温程度には温めておくべきかも。イースト菌さんだって冷たいところに放り込まれたくはないはずだ

タグ:おやつ

コメント一覧

sibaken URL (03/30 21:49) 編集・削除

ロシアで食べたのもこんな感じでした!

朝食がすごく多くて、ブリヌイは20枚以上焼いてました。
まだ食べるでしょって。
かなり腹持ち良いのに…

チリモークというブリヌイチェーンが街にたくさんあって、カッサでもブリヌイが売られていました。

珍獣ららむ〜 (03/30 22:06) 編集・削除

いいなあ、ロシア。わたしも行ってみたいよー。
カッサってキヨスクみたいな売店のことなのかな?
これもスペイン語のcasa(家)と語感が似てて不思議ー。

こうじ納豆

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 先日の旅行で山形市内のスーパーで購入した「こうじ納豆」です。納豆に麹と塩を入れて再発酵させて作るみたいです。山形県内には納豆の再加工をする伝統があるそうです。

 味はですね、とても美味しいのですが、説明が難しいです。納豆に酒粕を混ぜたみたいな…ってそれ余り説明になってない(汗)発酵といっても悪臭がするようなものではなくて、酒粕のような香りがするだけです。

 米沢の雪割納豆はもっと発酵が進んで味噌みたいになっているんですが、今回購入したのは雪割納豆に比べたら「普通の納豆ですよ?」と言いたくなるくらいのものでした。

 こういうの、山形以外にもあるんでしょうか?


◎珍獣の食卓・雪割り納豆
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/chinwiki/uniwiki.cgi?%E7%8F%8D%E7%8D%A3%E3%81%AE%E9%A3%9F%E5%8D%93wiki%E3%80%8C%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%BA%EF%BC%88%E7%B4%8D%E8%B1%86%EF%BC%89%E3%80%8D%E5%86%99%E7%9C%9F#i2

タグ:2011年2月東北旅行 食材

金沢を思い出して治部煮を作ってみた

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【材料】
くるま麩
鶏もも肉
しいたけ
小麦粉
醤油
みりん
かつお節
ワサビ(チューブ入りのものでよい)

【手順】
1. くるま麩を水かお湯でもどしておく。
2. しいたけはじくをとって笠の部分だけ使う。大きかったら半分か四分の一に切っておく。
3. 鶏もも肉を厚めのそぎ切りにして小麦粉をまぶしておく。
4. かつお節で出汁をとり、醤油とみりんで軽く味をつける。
5. もも肉、しいたけを沸騰した4に入れる。くるま麩は軽くしぼって四分の一に切ってから鍋にいれる。
6. もも肉に火が通ったら味を見て、味が薄かったら足す。
7. 小麦粉を水でといたものを鍋に入れ、全体にまわるようにかきまわす。とろみがついたら椀に盛る。
8. 最後にワサビをそえてできあがり。

 てきとーに作ったわりに美味しくできました。春先ならば筍を入れてもいいし、ニンジンなど色のついた野菜を入れると豪華な見た目になりそうです。

 作って見てわかったのは治部煮椀という専用食器の存在意義です。深い器では料理が映えず、汁があるので皿も適当ではないのです。ずばり言って汁と煮物の中間みたいな料理ですね。

タグ:郷土料理