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最近食べた変わった物:紅菜苔・豚のハツ・太陽ソース

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▲紅菜苔(こうさいたい)

 もとは中国野菜らしいです。見たまんまアブラナ科の植物で、味もチンゲンツァイなんかと似てます。おひたしにして食べましたが、茎の赤いのは水溶性で茹でるとかなり抜けちゃうんです。炒めたほうがよかったかもしれません。


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▲豚のハツ

 全然変わってない? 東京だと普通のスーパーにはハツなんかないのよ。珍しく置いてあった(しかも激安だった)ので買ってみました。カレーに突っ込んでみたんですが、煮てもうま味があまり出ないので、焼いて食感を楽しんだほうがよかったかも。


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▲太陽ソース

 ともだちが名古屋から買ってきました。地元では珍しくないのかもしれませんが、東京ではまったく見ないメーカーです。まずは左端のウスタータイプのやつを使っているのですが、開けて香りを見てちょっとびっくり。ブルドックソースなんかとぜんっっぜん違う。何にもかけず、ソースだけなのに、焼きそばやお好み焼きを連想します。青のりが似合いそう。ものすごーく和食っぽい香りがする。へーへーへー!!!

 実は、かねがね「ソース焼きそばとは言うけれど、ブルドックソースで焼きそばの味付けとかしないよね」って思ってたんですよね。いや、する人はするんだろうけど、インスタントの焼きそばと、ブルドックソースは香りが全然違うと思うんです。ブルドックソースをかいでも焼きそば作りたくならない。お好み焼きも食べたくならない。ブルドックソースはカレーやコロッケや豚カツにかけるんです。

 ところが、太陽ソースを香ったら、いきなり焼きそばやお好み焼きを食べたくなるわけです。これはびっくり。他の瓶はまだ試してないんですが、それぞれ違うタイプのものらしいですよ。ちょっと楽しみです。

 そうそう、先日伊勢に行った帰りに名古屋駅でトンカツを食べたんですが、テーブルに日乃鳥ソースっていうのが置いてありました。メーカーは太陽ソースと同じく太陽食品工業でした。でも、香りをみてこれまたビックリですよ。だって焼きそばの香りがしないんだもん!日乃鳥ソースは普通にトンカツを連想する洋食っぽいソースでした。

 太陽食品工業って東京じゃほとんど知られてないと思うけど、香りにこだわりがありそうな会社ですね。面白い。

タグ:食材

トマトとお麩と、卵のふわふわ鍋

 卵のふわふわっていうのは江戸時代に袋井宿(現在の静岡県袋井市)ってところの名物だった料理だそうです。土鍋に澄まし汁を作って、よく泡立てた卵を汁に流し込み、火をとめ、蓋をして、1〜2分おいたものです。

 主役は卵なので具はなくたっていいんですけど、ふわふわ感をじゃましない、小町麩と湯むきしたトマトを入れてみました。

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 100均ショップで売ってる小さな土鍋にすまし汁を作って、湯むきしたトマトと、小町麩を入れて数分煮る。小町麩はあらかじめ水で戻して軽くしぼっておくこと(そのまま入れるとすまし汁を全部吸っちゃうかもしれないので!)。その間に、卵(全卵)をよく泡立てて、煮立った土鍋に流し込んで、すぐ火をとめて蓋をする。

 すまし汁は自分で出汁をとったら完璧ですが、わたしはお気に入りの「茅乃舎だし」を使って、醤油、みりん、塩・各少々で味付けして作ってます。

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 2分くらいして蓋をとるとこんな感じ。

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 卵は固まってるわけじゃなくて、ふわっととろけるような状態。このフワッと感を楽しむ料理なのですが、鍋肌でやや固まったところも美味しい。

 思いつきで入れたトマトと小町麩ですが、想像した通りの相性の良さでした。調理は土鍋でどうぞ。100均の土鍋が大きさ的にも手ごろです。


 グッドアンサーズに投稿しようと思って写真を用意したんですが、今受け付けしてるお題が「鍋」じゃなくて「モツ鍋」だったの巻きでござるよ。うん、まあ、自分のブログに書いちゃうから無駄はないです。美味しいのでやってみて。

タグ:郷土料理

お節料理はまだ間に合う、だって出来あいを詰めちゃえばいいんだもん!

 年末です。大晦日です。珍獣の館はルーターが不調でやや不安定ですがどうにか稼働しています。突然繋がらなくなることがあるかもしれませんが、そのうち復旧すると思うのでよろしくお願いします。

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 お節料理をさっき詰めたところなんですよ。今年は気張らずに、お店で買ったものを中心に詰めてみました。形式にこだわってないので三段しかないし詰め方が変ですが、写真貼ってみます。(買)が買ったもの、(作)が作ったものです。

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▲一の重:田作り(買)、昆布巻き(買)、栗きんとん(買)、紫大根とニンジンのなます(作)

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▲二の重:焼き豚(買)、紅白かまぼこ(買)、だて巻(買)

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▲三の重:筑前煮(作)、松前漬け(作)、すじこ(切っただけ)、黒豆(作)


 こんな感じです。作ったものも煮るだけみたいなのばっかりで、ほとんど手がかかってないです。

 今日あたりお節用のお総菜が各スーパーで大売り出しだと思うので、買ってきて詰めたらまだ間に合います。重箱なかったらお皿に並べるだけでも雰囲気が出そうです。


 というわけで、みなさんよいお年を。って言いながらまだ更新するかもしれないし、ツイートは随時しそうな気がしますが(笑)

タグ:手料理

ミカンってやっぱりおいしい!

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▲紅まどんな


 今年もこれを注文したんですよ。紅まどんな。普通のミカンじゃなくて、オレンジやマンダリンが入った交配種らしいです。ミカンのように皮が薄く、香りはオレンジというか、夏みかんみたいな感じです。そして、甘くて、果肉がぷりんぷりん。

 ただ、わたしが毎年注文してるのは訳あり品なので、表面の傷とかはどうでもいいんですが、今年のはやや熟れ過ぎでした。

 熟れ過ぎると独特の香りがちょっと薄くなるし、何より果肉がやわらかくなって、手でむこうとすると潰れちゃうんですよねえ。仕方ないので包丁で皮にきれめをいれて、えいやって割って食べてます(笑)

 そんなこんなで、手が汚れるのが難ですが、やっぱり美味しい。今かなり気に入ってる品種です。紅まどんな。


 そうかと思うと、わりかし普通のミカンも美味しいんですよねえ。下は左が紅まどんなで、右が和歌山の有田ミカンだそうです。肉桂の枝と一緒に送ってもらいました。ありがとうひろこ様。

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 食べくらべると、どっちも甘くておいしい。香りの質も違って、ぜーんぜん別ものだって思う。優劣じゃなくて、別なの。両方ともすばらしい。右手に有田、左手に紅まどんな、両手にミカン。ばんざーいばんざーい、みたいな、ものすごく贅沢な状態です(笑)




 最近は普通のスーパーでも、かわった品種の果物を置いてたりします。ミカンだけでもいろんな産地、いろんな品種があるものです。甘いか酸っぱいかだけじゃありません。香りも違えば、酸味の入り方にだって違いがあるわけ。

 産地や品種に注目して食べくらべると、美味しい発見があるかもよ?

タグ:食材

キクイモ

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 この生姜みたいなやつはキクイモというものです。写真はもうかなり使っちゃったあとのもので、この三、四倍くらいの量で180円でした。

 キクイモは名前の通りキク科植物で、根っこ(というか地下茎なのですが)が芋のように塊になる植物です。アメリカ大陸原産なんだそうですが、食用になるのでヨーロッパに持ち込まれて広まったらしいです。

 第二次大戦中に食用として栽培されてたそうですが、日本ではあまり受け入れられなかったようですね。野菜として出回り始めたのはここ数年だと思います。

 わたしは、このキクイモってやつを、なぜだか子供の頃から知ってるんですよね。古い薬草の本かなにかで読んだんだと思うんですが、心当たりの本を見ても載ってませんでした。どこで見たのかなあ。その本には、芋の代用品だけれど、あまり美味しいものではない、というようなことが書いてありました。

 写真も載ってたはずです。たしかキクイモには黄色い花が咲くんです。それを見て当時は「オオハンゴンソウに似てるけど、花びらが垂れ下がらないのね」ってな感じに思ってました。比較対象物がオオハンゴンソウじゃ知らない人のほうが多いでしょうが、群馬にはなぜかオオハンゴンソウが沢山咲いていたので、自分の中ではフツーにそんな比較をしてました。今だと切り花用のミニヒマワリがもっと繊細になったみたいな花とか、コスモスを黄色くしてもっと力強くしたような感じ、とか説明するかもしれません。

 というわけで、キクイモ、ジャガイモの代用品、花はきれいだけど、芋はまずい、という情報を擦り込まれて大人になったわけですが、ある時、マロの『家なき子』にキクイモが出てくるのに気づきました。レミがシャヴァノン村の養父母の家でキクイモを育てているのです。

それからまたわたしのだいじにしていた畑の一部には、だれかにもらっためずらしい野菜(やさい)を植えている。それは村でほとんど知っている者のない『きくいも』というものであった。なんでもいい味のもので、じゃがいもと、ちょうせんあざみと、それからいろいろの野菜(やさい)をいっしょにした味がするのであった。わたしはそっとこの野菜をじょうずに作って、おっかあをおどろかそうと思っていた。ただの花だと思わせておいて、そっと実のなったところを引きぬいて、ないしょで料理(りょうり)をして、いつも同じようなじゃがいもにあきあきしているおっかあに食べさせて、『まあルミ、おまえはなんて器用(きよう)な子だろう』と感心させてやろう。

 楠山正雄・訳『家なき子』より引用しました(青空文庫に全文があります)。

 なんということでしょう。不味いと聞いているキクイモは、マロによればジャガイモとチョウセンアザミ(アーティチョークのことですね)と、さまざまな野菜を一緒にしたような味がするらしいじゃないですか。しかも、母親(養母ですが)を喜ばせようとして育てているのだから、美味しいものらしいですよ?

 一体どんな味がするんでしょうね?

 というわけで、手に入ったので食べてみようと思います。食べ方は、生でよし、炒めても煮てもよし、だそうです。ジャガイモと違って皮はむかずに使ったほうがよいとのこと。

 手始めに生でかじってみたところ、シャキシャキとした食感です。何に似てるっていえばいいんですかね。ヤーコンに似てると思うけど、またそんなわけのわからない比較対象物を持ち出したって困りますよねえ(笑)甘みのない梨っていうか、そういう果物系のシャキシャキ感でしょうか。

 買った店では「キクイモの肉ジャガ」をすすめてました。って、なんですかその黒モンブランみたいな料理名は(笑)ジャガイモをキクイモの変えたら肉ジャガじゃなくて肉キクじゃないんですか?あ、いや、ここで芋を省略したら肉と春菊を炊き合わせたみたいになりますね。日本語って難しい!
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 加熱したキクイモは、おおっ?ぜんぜん食感が違う。皮は加熱しても歯ごたえが残ります。でも実がとてもやわらかくなっていて、皮を剥いてたら煮とけていたかもしれないですね。味はジャガイモにも似ているけれど、あんなにモッサリしてなくて、強いて何に似てるかっていうとカブみたい。カブほどきめ細やかでもないけれど、あんな感じです。

 そんでもって、たしかにアーティチョークにも似てるかもね。アーティチョークが日本では貴重品なのでそうそう食べられないんですが、茹でても皮が固くて中身がやわらかくなっている、あの感じが似てるような気がします。

 へー、面白い。マロが書いてる通りですね。いろんな野菜を一緒にしたみたい。不味くないです。美味しいんじゃないの?日本で戦時中に受け入れられなかったのは、ジャガイモの代用品だと思うからじゃないですかね。もののない時代に、何かの代わりとして仕方なく食べたら、どんなものだって不味く感じると思います。

 キクイモ。わたしはかなり気に入りました。また買おうかな。


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リンク先は楽天市場
キクイモには澱粉がほとんどなく、イヌリンという分解されずに排出される(といわれている)多糖類が含まれているので、ダイエット食品などに利用されてるみたいです。

念のために『家なき子』の原典にもあたってみる

 植物名は誤訳ってこともありうるので、いちおうフランス語の原典もあたってみました。ちなみにわたしはフランス語なんてこれっぽっちもわかりません。

 日本語訳が青空文庫に入っているくらいだから、フランスのサイトにフランス語の原典がありそうなものです。原題は "Sans famille" ですから、それで検索したら見つかりました。
http://www.ebooksgratuits.com/html/malot_sans_famille.html

 キクイモが出てくるのは、楠山正雄の訳だと「おっかあの家」の章ですから、そこいらへんを探します。あった、ありました。

Dans cette partie de jardin j’avais planté un légume qu’on m’avait donné et qui était presque inconnu dans notre village, – des topinambours. On m’avait dit qu’il produisait des tubercules bien meilleurs que ceux des pommes de terre, car ils avaient le goût de l’artichaut, du navet et plusieurs autres légumes encore.

 google翻訳につっこんで、すこし整理して訳すとこんな感じですかね。

 わたしは自分に与えられた庭の一部で、わたしたちの村ではまだほとんど知られていない topinambours という植物を植えました。それはジャガイモよりもはるかに優れた作物だと言われています、なぜならそれは、アーティチョーク、カブおよびその他いくつかの野菜の味を持っていたので。

 キクイモにあたる単語は topinambours です。検索してみると、まさにキクイモの写真がヒットするし、フランス語のウィキペディアに、1613年にパリに持ち込まれて、植物の分類で有名なリンネって人がブラジル起源だとどーのこーのって書いてあるみたいなので、1878年発表の Sans Famiile に出てきても矛盾はなさそうです。どうやらわたしが食べたものと、レミが栽培してた topinambours は同じもののようです。

 さらにしつこく、味を説明している部分を解析してみると、

 topinambours キクイモ
 ils avaient le goût それらは味を持っていた
 de l’artichaut アーティチョークの
 du navet カブの du = de le
 et および
 plusieurs autres légumes その他いくつかの野菜

 楠山正雄の訳には出てこない「カブ」が入ってて、別にこれ読んでから「カブに似てる」と書いたわけじゃないので、今ちょっと驚いているところ。

フランス人はどんな食べ方をしているのか

◎Topinambours et coquillettes
http://www.supertoinette.com/recette/678/topinambours_coquillettes_to_de.html
 茹でて皮をむいたキクイモを、マカロニやベーコンや、その他の野菜などと一緒に炒め合わせたもの、みたい。

◎Cocotte de Topinambours façon Tajine Marocaine
http://pigut.com/2012/04/13/cocotte-de-topinambours-facon-tajine-marocaine/
 これはタジン(モロッコの蒸し焼き用の鍋)で調理したものらしいです。リンク先にレシピもあったけど、輪切りにして蒸し焼きにしてから、水を差してすこし煮た、みたいなこと書いてあって、ほんとにそんな調理法でこうなるかしらってな感じ。

◎ Tajine aux Topinambours (Batata qasbiya)
http://www.vip-blog.com/vip/articles/2978715.html
 写真だけですが、やはりタジンで調理したもののようです。これなら確かにタジンで蒸した感じがします。美味しそう。

◎Boudin noir de Mortagne aux topinambours rôtis
http://amafacon.canalblog.com/archives/2011/11/25/22803228.html
 「血入りの腸詰め・ベークドキクイモ添え」って感じですかね。肉料理の付け合わせもわるくないですね。ジャガイモだと澱粉が多いので重たいけれど、キクイモなら適度に食べごたえがあるのに軽めでいい感じになりそう。

◎Gratin dauphinois aux pommes de terre et topinambours
http://www.cuisinechoupinette.com/archives/2009/12/05/16044090.html
 これはグラタン。ああ、グラタンもいいなあ。この人はジャガイモも入れてるけど、キクイモだけでいいような気がする。炒めたタマネギとベーコンなんかいれてもよさそう。

◎Velouté de topinambours, écume à l’huile de truffe
http://cuisineplurielle.com/archives/2012/02/01/veloute-de-topinambours-ecume-a-lhuile-de-truffe/
 これはキクイモをペーストにしてクリーミーなスープにしたものにトリュフをトッピングしたものらしいです。へえ、なるほど。フランス人が考えるとお洒落ー。

タグ:食材

コメント一覧

Sari (01/01 13:04) 編集・削除

こんにちは、そして、おめでとうございます。
いつも興味津々で開くこちら♪ またよろしくお願いします。

血糖値が上がりにくいというキクイモ、いつも小さいのを買うので、
皮をむかずに素揚げして、塩を振って食べてます♪

gabotyan も今年も頑張ってね^^

珍獣ららむ〜 (01/01 20:48) 編集・削除

あけましておめでとうございます。
素揚げに塩はおいしそうですねー。
そのうちやってみます!
gabotyanは今年も頑張るようです。
復活した彼は元気過ぎてわたしがかなり弱ってます(笑)
ありがとうございます。