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蟹退治>検査検査検査

 蟹退治、前回までは…
 D病院で婦人科をすすめられ、J大付属病院へ行くことにした。

とりあえず検査

 受付で問診票を渡して自分の番が来るまで待つ。病院ってとにかく待たされる。ここでも一時間以上待たされることになるんだけれど、それも想定の範囲内だ。

 やっと自分の番がまわってきたんだけれど、何はともあれ検査からということになる。やったほうがいいと言われた検査をリストアップすると、こんな感じ。

1. 血液検査
 わたしの場合、腹にしこりがあることがすでにわかっているので、血液検査は腫瘍マーカーっていうのを見る。腫瘍マーカーの値が高いと癌である可能性が強くなるんだけど、癌じゃなくてもこの値が高くなる病気があるそうな。腫瘍マーカーにも様々な種類があるんだけど、専門的な話をする気はないのでパス。

 J大付属病院の場合、外来の血液検査は中央検査部ってところでやっていて、採血ばっかりずーっとやってるお姉さんやお兄さんたちが血を採ってくれる。ずっとやってるだけあって上手いよ。刺しにくい血管の持ち主であるわたくしが言うんだから間違いない。

 腫瘍マーカーの検査結果は即日では出ないので、結果は後日また聞きに来なくちゃならない。

2. 外側からのエコー
 エコーというのは超音波断層診断機というやつで、平たく言うと魚群探知機の人体版みたいなやつじゃないかと。あるいは吉村教授がエジプトで遺跡の調査に使ってる機械の人体版というか(余計わからない)。妊婦さんのお腹に超音波の出る機械をあてて、赤ん坊の映像を見るときに使うやつのこと。この検査は苦痛はぜんぜんなくて、横になってお腹をまくりあげて、ジェルを塗った機械を当てるだけ。

3. MRI
 CTに似てるんだけど、放射線じゃなくて磁力でどーのこーのっていうんだっけ? 詳しくは後日また書くからパス。CTと同じく造影剤を点滴してからやらなきゃならなくて、J大付属病院の場合、造影剤付きの検査は当日にできないので、予約だけとって後日また来ることにした。

4. 胃カメラと大腸内視鏡
 胃カメラは口からファイバースコープを入れて胃の中を見る検査で、大腸内視鏡は尻から(以下略)。この検査でわかるのは婦人科の病気じゃなくて、胃と腸の病気なんだけど、疑える部分は見ておいたほうがいいということで勧められた。この検査を受けるのに、婦人科からだと何か問題があるのか、外科に行って検査してもらうように言われた。なんかめんどくさい。これも今日できるわけじゃなく、予約をとって後日来なきゃならないということだし。

5. 内診と膣内エコー、子宮内膜の検査
 内診というのはいわゆるアレだ(笑) これがね、婦人科から足が遠のく理由のひとつで、恥ずかしさはもちろんのこと、女性器の入り口を開いて中を覗いたり、手で押して痛みの有無を確認したりするんだから、場合によっては苦痛もあるわけだよね。

 婦人科の診察は初めてじゃないけれど、かなり久しぶりなので緊張してしまう。内診台のある診察室に呼ばれると、でっかい椅子がある。看護婦さんに「そこの籠に下着を脱いで、椅子に腰掛けてくださいね」とか言われて、さらに緊張が増す。が、しかし、恥じらうような年頃でもないので脱ぐ。

 婦人科に行くとき、どんなかっこをしていったらいいか、というのはありがちな疑問。内診が必要な場合、スカートだと下着だけ脱げばよくて、ズボンをはいてたら下半身は全部脱がなきゃならない。どっちにしろ脱ぐんだから、好きなほうでいいと思う。ただし、和服だと着物の乱れを自力でなおせないとキツイ。今時和服で内診を受けに来る人もいないだろうけど。

 脱いだら内診用の椅子に座る。これが革張りの安楽椅子みたいな形をしてて、かなり座り心地がいいのよ。へー、これは悪くないなーと思っていると、「椅子が上がりますよー」なんて言われて電動で高さが変わる。椅子の位置が上がると同時に自然に足も開くように出来てるんだよねー、ひー、良くできてる、恥ずかしー。この状況で待たされると恥ずかしいので、看護婦さんがタオルをかけてくれる。

 そこへ先生登場。お腹のあたりにカーテンが引いてあるので自分の下半身は見えないし、先生が来ても目があって赤面なんてこともない。わたしを診てくれてる先生は、わりと丁寧で、 器具を入れて中を見ますとか、指で押しますとか、これから何をするか軽く説明してから作業に入るので、少し気分が楽だった。

 この日内診でやったのは、膣内エコー、子宮内膜の採取、指で子宮の入り口付近を押して痛みの有無をみる検査、だったと思う。

 膣内エコーっていうのが実は初めてで、中からエコーをやると言われた時「えーっ、中からってどうやってやるのーっっ」って感じだった。なんせ作業はカーテンの向こうで行われているので、何がどうなってるのかよくわからないんだけど、理屈は外側からやるエコーと同じで、超音波を出す機械を膣内に入れて内蔵をみるものみたい。

 機械といっても外からやるみたいな大きいのじゃなくて、スティック状で入れやすいように体の形にあわせて曲がった感じのものじゃないかと思うんだけど、とにかくカーテンの向こうの出来事なので目では確認できないんだね。今度やる時、カーテンあけていいかって聞いたら女としてヤバイ? まあそれはともかく、膣内エコーはこれといって苦痛はなかった。機械さえ入れば問題ないと思う。

 指で子宮の入り口あたりを押すのも、まあ大したことなかったです。「押しますから」みたいなことを言われて、ぎゅーっとやられて「痛いですか?」と聞かれるけど、「いや、別に?」みたいな。お腹に腫瘍のある人は押されると痛いことがあるみたいですが、わたしの場合はそういう痛みはほとんどなくて、飛び跳ねたりすると多少「痛い?」程度。そんなだから発見が遅れたというのもあるんだけど。

 そんなことより痛くて苦しいのは子宮内膜の検査でございますよ。これまたカーテン越しの出来事なので何がどうなってるのかよくわからないんだよねえ。とにかく、なんか細長いものを入れるんだけど、子宮の入り口って普段は閉じてるんだよね?←よく知らないやつ。それをこじ開ける時が、ゲゲッと思うくらい痛い。でもこれは一瞬で終わる。

 開けたところに細長い何かを入れて、そこからが大変だ。子宮の内側の壁を、ガリガリガリガリ削ってる感じなの。ひーーーーーー、痛い痛い、先生痛い、それは痛い、痛いっちゅーてんねん、ええい、まだ終わらんのか、ゴルァ!!!ってなもんだよ。何度も言うけど、何をしてるのかは見えないので、あくまで感覚で言うと、子宮の中に突っ込んだ何かが小刻みにガリガリやってる感じがする。で、痛い。これは一瞬では終わらない。一カ所じゃなく、あちこち削ってるせいかもしれないけれど、けっこう長く感じた。1~2分くらい?

 こうして内診は終わった。恥ずかしいとか言ってるばやいじゃないのね。痛いほうがよっぽど大変……orz でも、子宮内膜を削る検査は癌の疑いがあるからしてるんであって、そうじゃなきゃしないんじゃないかな。それ以外の検査は大した苦痛はなかったりする。

 とまあ、内診はこんな感じ。婦人科未経験の女の子も、一生経験しないだろう男性諸君も興味津々だと思ったので書いてみたよ。長くなるので今日はこのへんで。


注:看護婦ではなく看護師と言うべきというツッコミは不要です。看護師の女性形で看護婦、男性形で看護夫と呼び分けてるだけなのでほっといてくれ。

おまけ

コメント一覧

てっちゃん (07/24 22:11) 編集・削除

膣鏡、「クスコ」って言うんですよ。(もうご存知かしら。
そんな遺跡みたいな名前(笑)
お尻に入れる肛門鏡もおんなじような器具です。

子宮内膜検査のキットは、先が歯間ブラシのようになってるので、ごしごしされるとかなり痛いです。
製品によっては、綿棒のようだったりとか若干違うと思いますが、私が見たことのあるのはそんな感じでした。

産婦人科は器具を温めてくれたり配慮があるように思います。
外科は、ひんやりしたままブスッ!でした。

珍獣ららむ~ (07/25 01:06) 編集・削除

 そうそう、インカだっけ? マヤだっけ? いやクスコだ! ってなもんで。なんでクスコなんだろう(笑) というか、鏡じゃないのに膣鏡っていうのも不思議。

 肛門鏡は大腸内視鏡を入れる時につっこまれてそうな気がするけど、眠くなるヤクを打たれていたので気づいたら終わってた。

dds (07/31 06:44) 編集・削除

吐き気がする話ですな。
やはり人間は科学では無く神秘であるべきだ。
たとえそれで死のうが。

珍獣ららむ~ (07/31 07:33) 編集・削除

 ほほー、風流な物言いですな。つまり、このような目にあうくらいなら死ねということですか。実はそれも理解できてしまう。まあ、公言すれば叩かれると思いますけれど。わたしのように患者の立場であったとしてもね。涙目で「戦うのをやめろなんてよく言えますね!」なんて詰め寄られそう。目に浮かぶ。価値観は人それぞれなので勝手にしろと言いたい。

 もうちょっと進んだ癌で、ほっとけば数ヶ月で死ねそうならば、わたしもあえてこんな検査や治療なんぞ受けたいとは思わない。が、残念ながら「放置する」という選択肢には長い苦痛が伴うのですよ。それもまた美しくはない。

 それともうひとつ、人の生命に神秘を求めるのならば、首を突っ込む必要のないところには突っ込まない、見る必要のないものは見ないという選択肢を行使すべきかもしれないのです。つまり、「読みたくないなら読むなよ、馬鹿者」ということですな。

dds (07/31 21:09) 編集・削除

このような輩が性教育を過激にするのですな
こういう輩が現実に生きていること自体人間悪ですな
人間には死に時というものがあるのです。
はずかしいことです。

珍獣ららむ~ (07/31 21:40) 編集・削除

ふむ、なるほど。わかりました。ご意見感謝。

蟹退治>そしてJ大学付属病院へ

蟹退治、前回までのあらすじ。

 土曜日に駅前のD病院で「腹水がたまっている。女性でこの症状なら、最初に疑うのは婦人科の病気」と言われ、J大学付属病院に紹介状を書いてもらい、それまでのつなぎとして利尿剤(ラシックス)をもらった。腹水による腹満の緩和が目的。

 

利尿剤の副作用?

 日曜日。利尿剤を飲み始めて二日目。尿量が少し増えた気がする。お腹の張りも少し楽になってる。その代わりと言ってはなんだけど、軽く動悸がする。血圧が下がってるのかも。

 わたしは水を多く飲むタイプで、一日に1.5リットルくらい飲んでしまうことがある。もっとも、それは健康な時の話で、お腹が出っ張ってきて息苦しくなってからは、500ミリリットル飲めば多いくらいだったかもしれない。なんせ食事ですらろくに食べられないくらいだったから。

 水分の摂取量が減っていて、しかも飲んだ水はお腹にたまってしまう。そこへ利尿剤を飲んで尿として水が出てしまうので、血液量に水分がまわらない→血液量が減る→低血圧でドキドキハァハァ。絵に描いたような状況だ。予想の範囲内だし明日までのつなぎだから別にいいんだけど。

J大学付属病院へ~問診票でドキドキハァハァ

 月曜日。予定通りJ大学付属病院へ。

 検査でたらい回しにされることは想定の範囲内なので家を早く出なきゃならない。ゆっくり朝食をとる暇がないのでヨーグルトで軽くすませて利尿剤を飲んでから家を出た。病院についたのは8:45ごろ。こんな朝早くから大勢人がいてげんなりする。

 婦人科でD病院から借りてきたX線とCTの画像を渡して受付をすると、問診票を書いてと言われた。年齢・体重・病歴・飲んでる薬・アレルギーの有無・どんな症状が出ているかなど、ありがちな内容の他に、女性の場合だと内科や外科の問診でも妊娠の可能性があるかを聞かれる。病気の症状ではなく妊娠が原因ということもあるし、妊娠中に飲まないほうがいい薬や、しないほうがいい検査もあるから聞かれるのは当然。

 婦人科の問診票は、基本の質問に加えて性経験があるかどうかなんて項目があるのだね。ああ、そこの殿方、お茶吹き出さないように。ビックリするのは殿方だけじゃないかもね。婦人科を受診したことのない女の子も、そんな質問されたらイヤだって驚きそう。

 性の経験がなくたって婦人科の病気にはかかることがあるでしょう。ところが、婦人科の検査というのは、経験がなくとも経験上必要な部分に器具を挿入して色々とナニなことをするわけで……ってぼかして書くとよけいにドキドキするからヤメレ。まあ、平たく言うと、経験のない人は、女性器の入り口も小さくすぼまっているから、検査用の器具も小さいのを選ぶ必要があるかもしれないので、恥ずかしがらずに正直に答えておくべきかと。他にも理由があると思われますが、わたくしは専門家じゃないのでわっかりません。

 他に初潮がいつか、生理周期は何日くらいか、最終生理日がいつだったか、なんて質問もあったような気がします。これも女性の体調を知るには必要な情報です。

 どう? すこしはドキドキした?
 進行が遅くて退屈させてそうな気がするので男性読者にもサービスで(いらんことすんな?)。



 どんどん先に進めたいんだけど、長文が続くのもアレなのでいっぺん切ります。続きはまた明日にでも。ちょっとペースを上げなきゃねえ。

蟹退治>患者の取り違え寸前?

 蟹退治、前回までのあらすじ……
 病院へ行った、待たされすぎた、内科の女医さんヤブっぽい、外科のセンセに婦人科をすすめられる。ああっ、もうぜーんぜん進んでなーい。いつになったら入院するんだコイツー。

昼食~行きつけの薬局にて

 会計をすませて病院を出た頃には13時をとっくに回っていて、空腹で目が回りそうだったのでお昼を食べた。大して多くもないカレーだったけれど、一人前食べるのは苦しい感じだった。食欲はあるんだけど腹水に胃が圧迫されてものを食べられない状態。少し食べると満足するので食べられない事に対する苦痛はないんだけれど。

 この日は夕方から某氏主催の昆虫採集&試食(何をだw)の会があるので一度家に帰り、出かける準備をしてから処方箋を持って行きつけの薬局に行くことにしていた。でも、疲れてだるい感じがひどく、お腹が重たくて歩くのもきつい。さすがに今日は欠席したほうがいいと思い直し、某氏にはメールで連絡、薬局だけ行ってくることにした。

 その薬局はいつも使っているので、普段通り「よろしくー」と処方箋を渡して待っていたら、急に名前を呼ばれ、保険証をお持ちですかと言われた。同じ月に別の病院の処方箋を持って行ったのでおかしいと思ったけれど、病院が変わったからなんだと思い、保険証を出した。

 ところが薬剤師さんが変な顔をしている。
 首をひねりながら
「利尿剤が出てますが、高血圧の治療ですか?」
「いえ、腹水です」
 この辺の会話は普通の時でもする。医師が間違えて処方した時や、薬局で間違えて薬を渡してしまうのを防ぐためだと思う。ただ、なんかいつもと違う。

「ええと、こちらは初めてでいらっしゃいますよね?」
「は? いつも使ってますけれど」
「だとしても、前回は四年以上前ではありませんか?」
「えー、一週間くらい前にも来ましたけど?」

 そこへ、別の薬剤師さんが奥から出てきてくれて「○○クリニックの処方箋を持っていらっしゃる方ですよね」と言ってくれた。

 それで初めてわかったことだけれど、処方箋に書かれている生年月日が自分のものと違ってる。診察券を確認したら、もうこの段階で違ってる。打ち間違いとかのレベルじゃなくて、ぜんぜん関係ない数字だった。合ってるのは名前と性別だけ。年齢も 9 歳も違ってるじゃないか(しかも上方向に)。もしかして同姓同名の別人と取り違えられた?検査内容や処方自体は間違ってないとはいえ、これはひどいんじゃないかと。もう行かないけどさー。

この日もらった薬は

 結局、この日もらった薬はラシックス錠 20mg を三日分。尿の出をよくする薬。書き忘れていたかもしれないけど、この頃だいぶ尿量が減ってきていた。水分が全部、腹水に回っていたのだろう。

 さっそく薬を飲んでみた。利尿剤は飲んだことがないので、どんな風に効くのか楽しみだったけれど、さほど劇的な効き目は感じなかった。飲んでから 5 時間後くらいにやっとまとまった尿意。確かに多めに出た。少し楽になった気がする。

ファイル 115-1.jpg
 前にも載せたような気がするけど、ラシックスの飲み殻。中身はラムネみたいな白い錠剤だったよ。

蟹退治>

 最近さぼってる上にぜんぜん進まないので連続で。

でかい病院に行けと言われてもねえ

 そんなこんなで、婦人科で検査を受けなきゃならなくなったんだけど、なんかこの病院には婦人科がないらしいのよ。あれ、おかしいな。表の看板に婦人科って書いてあったような気がするんだけれど、見間違い?

 これは帰宅してから病院のサイトを見てわかったことだけど、存在はしているけれど医者がいない状態らしいです。婦人科の外来診察は週に一回で、しかも「今月休診」のままずーっと続いている。こんな所に産婦人科医不足の影響が!

「今日すぐにとは言わないけれど、週明けにでも婦人科のある大きな病院に行ったほうがいいよ。紹介状書いてあげるから、どこがいい?」
「どこといわれましてもねえ。こう言う時、ここらへんの人はどこいらへんの病院へ行くんですか?」

 癌かもしれない患者というのは普通はどんな感じなんだろう。検査に行けと言われたら素直に行くものなのかな。他の病院へ行ったほうがいいと言われて、わたしが思ったのは「無理」だった。

 そもそも、近所でわりかし大きそうな病院を選んできたんだし、ここより別でどこがいいって言われても心当たりはない、というか、お茶の水あたりに大学病院があることは知っているんだけど、具合が悪いのにそんなところに通えるわけない。健康な人でもたれそうなほど混むんだよ、千代田線はー。

「うーん、僕は出身が医科歯科(@お茶の水)なので、どこって聞かれると医科歯科に紹介状書いちゃうんだけど……」
「イヤです(きっぱり)」

 もっと近いところだと、どういう病院がありますかと聞いたら、

「区内だとJ大学付属病院とか……」

 そ、そこは、不慣れな若い衆が勝手に内視鏡手術とかやって死人を出したので有名なアレなのでは。先生もはっきり口に出しては言わないけれど、なんだか変な空気が流れていた。しかし、他に宛もないし。

「じゃ、じゃあ、そこにしてみようかな」
 検査だけしてもらって、気に入らない点があったらよそへ行けばいいわけだし。先生も妙な空気を感じていたのか「うちの病院に婦人科があったら診てあげるんだけど、ごめんね」と謝ってた。

お会計

 病院に行く前に気になるのは、検査にいくらかかるか、だと思うんだけど、参考までにこの日病院に払った金額を書くと 12810円だった。

初診料 2730円
指導料 2500円
検査料 2110円←たぶん血液検査
画像診断料 34670円
処方箋 680円←後述
合計 42690円

 すべて保険診療で三割負担だから、0.3をかけて12807円。端数を切り上げて12810円。内訳を見ると、ほとんどがレントゲンとCTの値段。

 処方箋は、別の病院に行くまでのつなぎとして外科の先生に利尿剤を出してもらったもの。水がたまるんだから尿として出せばいいという、応急処置的なものなんだけど、これについては後々もっと詳しく書くことがあると思う。

 他に、紹介状と一緒に持って行くようにと、レントゲンとCT画像を大きな封筒に入れてもらった。写真は貸し出すだけなので一週間くらいしたら戻してほしいと言うことだった。

蟹退治>もしかしてY・A・B・U?

 蟹退治、前回までのあらすじ…

 近所の病院へ行き、さんざん待たされたあげくの果てに太りすぎだと言われた。はあそーですかーって返事をして帰ろうと思ったら「念のために外科の先生にみてもらうから」と言われてまた待たされた。

下腹に何かあるよ

 待たされて、待たされて、やっと外科の先生にお目にかかったのはお昼過ぎだったんじゃないかなあ。男の先生で、レントゲンとCTの画像を見て一言、
「これは婦人科の病気だと思うよ」
「え?」
 これには正直面食らった。そうだ、わたしゃ女だったんだね。腹水がたまってるんじゃないかと思った時に、女性特有の病気をほとんど思いつかなかった。すると、子宮か卵巣に腫瘍があるってことなのかな。

「お腹はおそらく腹水だし、ここのところに何かあるでしょ」
 レントゲンの画像にうっすら黒いものが写ってる。レントゲン画像の左右がどっちなのかよくわからないんだけど、たしか向かって左側の下の方。ぼやけた感じの影だったけど、ここだよって言われれば素人でもわかる。
「ちょっと触診させてもらっていい?」
「はい」

 仰向けになって、影が写っていたあたりを指で押してさぐってもらう。痛みはありますかと聞かれたけれど、それはぜんぜんなかった。
「ほら、ここのところに何かあるでしょ」
 自分でも触ってみる。お腹のでっぱりの下、左足の付け根より上のあたりを指先でまさぐると、指先に固いものがあたる。ほほー、これが腫瘍というものなのか。素人が触ってこんなにちゃんと分かっちゃうってことは、癌だとすると初期じゃなさそうだとあっさり納得。その可能性は最初から考えていたし、 もうね、待たされすぎて、病気がどうだかなんてことよりも疲れてウンザリしちゃっているのね。

 と言うかですね、あの内科の女医さんは一体なんなのかと。そりゃまあ、内科と外科とでは見る部分も違うので、同じ画像を見ても言うことが違う可能性はあるんだろうけど、この影の写ってる写真を見て「異常はない。きれいな画像」と言ったんですよ。しかも、腹水をメタボリックだと。もしかしてY・A・B・U? それでも外科にまわしてくれただけマシだったけれども。