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福島旅行10:湯本温泉その2(福島旅行おわり)

湯本温泉は童謡の町?

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 写真は童謡詩人・野口雨情についての資料を展示する「童謡館」です。むかし銀行だった古い建物を利用しています。

 湯本には野口雨情が一時期住んでいたことがあるそうです。そのため湯本駅の発車ベルも雨情作詞の「しゃぼん玉」が使われています。

 貴重な古い建物の保存をかねた良い企画だと思うのですが、建物の前にある丸いポストの扱いが残念ですね。現在使われておらず、郵便物を入れられないように口がガムテープで塞がれていました。せっかくだから使えばいいのにと思うんですが、それが無理ならもう少しきれいな塞ぎ方をしてほしいです。

町中にあるブロンズ像

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 町中にこんな銅像が沢山あって、傍らに謎のポエムが掲示されていました。

 雨情の童謡をモチーフにしてそうなものもありましたが、ほとんどは雨情と関係なさそうなものでした。全体としてはポエムだなあという感じ。

 ブロンズ像に添えられた詩には「肇」という署名がありました。郷土の詩人なのでしょうか。なんの説明もないので立ち止まってしばらくぼーっと見てしまいました。

 帰宅後に調べてみると、この銅像を設置してるのは「夢わくわくゆもと市民議会」という団体で、肇さんというのはそこの関係者の方だそうです。

 素敵な銅像が多いです。その件は否定しないんですが、あんまり説明がないので「は?」となりがちなのは少し残念かな。

温泉神社

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▲iPhoneで拝殿を写したら、なんらかがぼやーっと写ってしまいました。神降臨なら嬉しいのですが、露光の調節が完了するまえにシャッターを切ってしまっただけかもしれません。

 前の記事に、湯本温泉のお湯は石炭を掘ると勝手に涌くらしいと書きましたが、炭坑の町として栄える前から温泉自体はあったようです。

 伝説によると日本武尊のお父さんの時代に、この地で矢の刺さった鶴が温泉で傷をいやしているのが目撃されたのが湯本温泉のはじまりだということです(延喜式に見えるエピソードであるとか)。

 この神社はご神体が湯の岳という温泉が湧く山だという話をネットで読みました(現地にはほとんど説明がないんだもの)。

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▲拝殿に彫刻された謎の生きもの。鹿のように蹄があり、背中には甲羅を背負い、頭には(摩滅してよくわからないけれど)角が一本あります。そして背景には波。完全に犀(さい)ですね。犀は水と関係する生きものと信じられているので、水源を守る者として温泉神社に刻まれたのだと思います。

 幻獣の犀は実在のサイとは別のものだと説明する人もいますが、わたしは同じものだと思っています。この場合はシロサイでもクロサイでもなく、インドサイです。

 インドサイには鼻の頭に一本だけ角があります。鹿には似てませんが蹄があります(サイは奇蹄目)。皮膚が分厚く鎧を着ているような感じなのを甲羅と表現したのでしょう。そして、インドサイは湿地で暮らす生きものです。

 昔のことですから写真などなく、一本角で蹄があり甲羅を持つと説明し、実物を見た事のない絵師が空想で挿し絵を書いたら幻獣の犀のできあがり。生息地の情報として水辺だと書いてあれば、背景に波が書き加えられ、あたかも水中でくらしているかのようになるわけです。

 神社やお寺に刻まれた幻獣を訪ねる旅も楽しいものです。

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▲入り口の両脇に斜めに切られた円筒状の石碑があるのがわかりますか? 切り口に平成二十三年の日付とともに「為・東日本大震災誌之」とあります。

 どうやら震災で石の鳥居が崩れてしまい、震災を言い伝えるために土台だけを残したもののようです。奥の階段の手前にもうひとつ石の鳥居がありますが、そちらも崩れかけたようで、金具で補強されているのが見えます。



 そうこうしているうちにもうすぐ13時。そろそろ帰らないとまた遅くなってしまいます。湯本駅に戻ったらまたもや電車が強風で止まっていました。13時7分の電車に乗るつもりだったのに、電車が到着したのは14時半を過ぎた頃でした。

 強風に行く手を阻まれ、日帰りのつもりが一泊二日になってしまいましたが、予定になかった温泉神社や石炭化石館も回れたのでラッキーだったと思うことにしておきます。

 青春18きっぷはあと3枚残っているので(強風で半日電車が止まったので、二日目は一日目の切符で乗れるようにしてもらったのです)、今度はひとりで日曜日から宮城県へ行ってきます。

タグ:東北旅行2012年春 寺社幻獣 神社仏閣 伝説

福島旅行9:湯本温泉その1

 福島県いわき市はJR金町駅から鈍行列車で 3〜4時間の距離なので日帰りできるはずでしたが、結局強風で帰れませんでした。いわき市内で一泊して、翌日は湯本温泉に寄ってから帰ることにしました。

 JR湯本駅(福島県)は、子供の頃に何度か降りたことがあります。常磐ハワイアンセンター(現在のハワイアンズ)の最寄り駅だからです。

 大昔の記憶だと、駅の近くに溶岩で作った岩場みたいなものがあって、温泉が湧いてたと思うんです。今もあるのかと思ったら、駅自体が建て直されてて同じものはありませんでした。
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 その代わり、ホームにこのような足湯がありまして……うーん、ここに足突っ込むのなんかイヤだ(笑) 足湯は駅の外にもありましたが、やっぱり足を入れたい感じではありませんでした。ちょっと残念です。

 駅から歩いて10分くらいのところに公衆浴場(もちろん温泉)があるので行ってみました。

さはこの湯

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▲温泉保養所さはこの湯。「さはこ」は三函と書いてこのあたりの地名だそうです。朝8時からやっていてお湯に入るだけなら220円と格安なので地元のお爺ちゃんお婆ちゃんで賑わっていました。

 お湯は無色透明で硫黄の香りがします。加温なしで熱いお湯がわいています。お湯が熱すぎる時だけ水でうめているそうです。なかなかいいお湯でした。

◎温泉保養所さはこの湯
http://www.iwakicity-park.or.jp/sahako/
 入湯料は220円。タオルや石鹸はついてませんので自分で用意すること。休憩する場合は別途お金がかかりますが休憩用の浴衣を貸してもらえます。

炭坑の暮らしと化石の展示:ほるる

 温泉で温まったあとは、いわき市石炭・化石館ほるる(博物館)の見学です。湯本は炭坑の町でした。温泉も炭坑を掘り進めると勝手に涌いちゃうのを町中に配給してるんだそうです。

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▲炭坑の暮らしを人形で再現する展示は意外と面白いです。この写真は坑道で事故が起こった時に救出活動をする人たちの姿です。

◎いわき市石炭・化石館ほるる
http://www.sekitankasekikan.or.jp/
 化石の展示も大迫力でけっこう楽しいですよ。映画や舞台になった「フラガール」の衣装や舞台装置の展示もありました。入館料は大人630円。駅から徒歩10分くらい、さはこの湯からも10分くらい。

半玉食堂で昼食

 そろそろお昼なので温泉街の食堂でご飯を食べました。

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▲半玉食堂。まだ風が強くてのれんがめくれあがってしまいました。昭和の香り漂う古い食堂で、これが東京だったら「この店やってるのかなあ?」って感じですけど、入ってみるとお客さんいっぱいでほぼ満員状態でした。

 ここはあらかじめネットで見て「町おこしのためのグルメは特別に作ったものではなく、地元で普段から食べられているものでなくてはならい。ハレの食事ではなく、ケの食事であるべきだ」というような話とともに、ここのカレーが紹介されていたのです。これは食べてみなければ。

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 というわけで注文したカレーライス500円也。スプーンがね、コップの水にささって出てくるわけです。こんなの30年ぶりくらい。懐かしさがたまらない。

 写真ではわかりにくいかもしれませんが、ルーが真黄色です。こんなに黄色いカレーは見た事ないんですが、この店独自なのか、湯本ではわりと普通なのか、ちょっとわかりません。

 そしてブルドックの中濃ソースが一緒に出てくるのも面白い。テーブルにソースが用意されている店はけっこうありますよね。でもたいていはトンカツや、つけあわせのキャベツにかけて食べるために用意されてると思うんです。でもこの店は、カレーライスをたのむと、一緒にブルドックの中濃ソースが出てきます。

 一口食べてみると、一口目は「刺激の少ない昔風のカレーだね」と思いました。そこでソースをかけてみると、おっ? これはなんというか、このカレーにはソースが必須、ソースをかけて完成して、すごく美味しい。家の近所にあったらたびたび食べに来てしまいそうな感じです。刺激がないと思っていたのも大間違いで、最後まで食べ終わる頃には「けっこう辛いかも」という感想に変わっていました。

 近年あたりまえになったインド風のカレーもいいですが、こんな日本独自のカレーもいいもんですね。作り方を知りたいです。


 いわき湯本探訪はまだつづきます。

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福島旅行8:ん十年ぶりにリカちゃんを購入

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▲これがリカちゃん工場だ。もっと盛大に作ってるかと思ったらなんか寂しい?

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▲子供の頃に想像してたオモチャ工場は、ガチャンコンガチャンコンって機械が動いてて、ぱこっぱこって完成品が出てくるオートメーション的なやつだったけど、実際は意外と手づくりなんですね。

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▲おおきいおともだちのららちゃん(わたし)は、売店でおみやげリカちゃんを買いました。好きな髪形の人形+服1着+靴+帽子+ブラシのセットで1800円也。お城でしか買えないプレミアムリカちゃんもあったけど、なんとなく普通のリカちゃんにしました。

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▲売店にあるテーブルと椅子で、自分でお洋服を着せると急に魂がこもったみたいにかわいいリカちゃんのできあがり。

 着せ替え用の服もすごく立派なのが売られてました。実は子供の頃より大人になった今のほうがそういうものにそそられますね。でも服は自作するのも楽しいので今回はやめておきました。

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 お城はだいたい1時間あれば見終わります。もっとゆっくりしててもいいけれど、天気が怪しくなってきたので電車にのって帰らないとね。



 というわけでキャッスルを出て小野新町駅に戻ったのが15時半くらい。15時59分の電車に乗るつもりでしたが、なんと強風のために郡山行きの電車が舞木駅で止まってしまい、それが戻ってこないといわき駅には行けないっていうんです。

 でもまだ16時ですし、東京へ戻る常磐線の最終は20時50分なので、まあなんとかなるだろうと駅で待ってたら、結局電車が来たのが三時間後! そこらへんの話はこっちの記事に書きました>http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1310

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福島旅行7:リカちゃん

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▲入るといきなりリカちゃんがお出迎え。

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▲ここでは歴代のリカちゃんや、リカちゃんハウスの歴史を見られる。

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▲彼女の名は香山リカ。設定では11才。しかし時に応じて年齢を使い分ける魔性の女なのである。ある時は花の女子高生、またある時は30才子持ち主婦、その実体は……「あたしリカちゃん、あたしのパック姿、見たわね?」かなり恐い。

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▲マリー・アントワネット・リカちゃん。なんだかの記念で作られたもので、頭のティアラなどおフランスの職人さんが本物の宝石を使って作ったとかなんとか書いてありました。

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▲これはクニちゃん。山田邦子とのコラボ商品なのです。そういえばこんなのもあったなあと懐かしい気持ちになります。


 リカちゃんきゃそー見学はまだまだ続きます。

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福島旅行6:リカちゃんキャッスルへの道

 そもそもリカちゃんキャッスルというのは何かっていうと、お人形リカちゃんの工場見学ができたり、歴代リカちゃんの展示があったり、キャッスルでしか買えないリカちゃんがあったりするところです。

 わたくしも女の子ですから、子供の頃にはリカちゃんハウスのひとつやふたつ(いや一個だけだった)持っていないこともありません。しかし、わざわざ福島県までやってくるほどリカちゃんが好きかっていうと、それほどでもなかったりするところが我ながら謎ですね。

 ただ、キャッスルが出来て間もない頃、ファミ通で女子高生漫画家の望月あんこちゃんが取材に行ってるのを見て、ちょっと面白いかなと思ったんです。

 あれからすでに10年くらいたっちゃってますが、チャンスがあったら一度くらい行って見ようと、ずーっと気にはなってました。

 しかしね、タカラといえば本社は葛飾区。地元企業のアイドル商品リカちゃんに会うために何が悲しゅうて福島県まで行かなきゃならないのかと(笑)

 そう思うとなかなか真剣になれず、今ごろになってやっと見に行くチャンスができたというわけなの。

 10年近くイメージをあたためつづけてきたので妄想はふくらみまくりです。わたしの頭の中では小野新町はリカちゃん一色、駅を降りたらデッカイ看板があり、リカちゃんのお城にようこそ、くらいのことが書いてあると思っていました。

 ところがどっこい、あれ、なんか駅前になんの案内もないし。どっちに歩けばいいのかもよくわかんない(笑)

 iPhone で google map を見て方向を確認。ほんとにこっちかしらと首をひねりつつどんどん歩いていくと…

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▲あ、城発見! 

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▲お、看板も発見。こんな小さくて、しかも色あせてて、リカちゃん、あんたもしかして小野新町ではイケてない?

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▲これがリカちゃんキャッスルだ! 誰もいないのは平日の真っ昼間だから、だと思うけど、なんだこの寂しさは(笑)

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▲いちおう営業はしてるみたい。

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▲看板がまだ「株式会社タカラ」になってる。


 入城料は大人600円です。よし、入ってみよう!

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