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宮城旅行17:青葉城趾(仙台城趾)

(宮城旅行16のつづき)

 仙台大観音を後にしたわたしたちは、まだ明るいので青葉城趾を見に行くことにしました。途中でまた小雨が降り出したり、途中に地震で崩れた場所があるというので山をぐるっと迂回したりしましたが、ギリギリで閉門前に到着。

 閉門というのは神社のです。城跡そのものは夜でも入れるみたいなので。仙台城趾には神社があるのですが、城跡を見るならまずここを拝んで下さいとか書いてあって、同行したともだちなんかすっかりその気になって「さすが伊達さんちはすげぇよ、立派な神社だ」とか言ってやけに有り難がるんです。

 でも、やけに新しい感じがするし、資料室みたいなところに戦艦大和の模型があったりするし、個人的にはものすごく違和感がある場所でした。それでもともだちがやたらと褒めるので、まあそうだねえ、とか返事をしたのですが…

◎ウィキペディア:宮城県護国神社
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E7%B8%A3%E8%AD%B7%E5%9C%8B%E7%A5%9E%E7%A4%BE
 なんだ、やっぱり伊達家となんの関係もないんだ。きっとどこかにそういう経緯も書いてあるんだろうな。この日は閉門時間が差し迫ってたので慌ててお参りしちゃったんですけどね。

 お参りしてからお土産屋さんでトイレを借りて、出てきた時には巫女さんが閉門の準備とかしてました。おお、本当にギリギリセーフ。ともだちが戦艦ヤマトの模型を見たいと言ってたけど、残念ながら見学時間が終わってて見られませんでした。

 神社とは別に、青葉城関係の資料館はお土産物屋の中にあります。こっちもちょうど終わる時間で入れませんでした。入れなかったけどちゃんと営業してたみたいです。津波がなかった地域は4月の中頃には平常に戻っていて、観光客カモーンってな状態だったみたいです。

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▲伊達政宗像。特に破損した様子もなく無事でした。あいかわらず凛々しいお姿。

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▲城跡からの風景。パイロンがあるのは地震で地盤がゆるくなっていて崩れると危険だから。写真中央左寄り、山の上に白く顔を出しているのが仙台大観音。

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▲昭忠塔。西南戦争や日露戦争で倒れた兵士たちを悼むモニュメントだそうですが、あれ、なんかおかしいですよ?

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▲あっ、天辺が折れちゃってる。ここには鳶(とび)がついてたはずなのに。*1

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▲ビニールシートからはみ出してる鳶の尾羽? 揺れてる最中に折れたんだとしたら、まわりにいた人はパニックだったろうな。

(宮城旅行18へつづく)

*1:鷲か鷹だと思ったら意外にも鳶だ、という意味の文章を検索でみつけたけれど、明治時代のものだから神武天皇の伝説にある金の鳶にちなんでるんじゃないのかな。

タグ:2011年4月宮城旅行

コメント一覧

ぱる子 URL (05/06 20:45) 編集・削除

ああ、懐かしい眺め。「昭忠塔」という名称も建立の趣旨もぜんぜん知りませんでしたが、てっぺんに鳶が…というのを読んだら翼を広げたポーズがすぐに浮かんだところをみると形状はしっかり脳内にインプットされてたんですね。それくらい何度も来てるんだけど護国神社、特に拝んだ記憶がありません。伊達家ゆかりの…ならやっぱり愛宕神社ではないかと。

珍獣ららむ〜 (05/06 22:28) 編集・削除

やっぱり護国神社はスルーするポイントですよねえ。
愛宕神社は今度行ってみます!

宮城旅行16:仙台大観音

(宮城旅行15のつづき)

 石巻市を後にしたわたしたちは、三陸自動車道に乗って仙台までもどりました。仙台大観音を見るためです。途中でざーっと雨が降り、やっと観音様の胎内巡りが実現するというのに雨降りなんだなあと少しテンションが落ちました。

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=843
 この記事にも書きましたが、わたしは2010年春の仙台旅行で、観音様が虹を背負って仙台市内を見下ろしてるのを見てしまい、以来とても気になっています。

 ところが、前回は途中で道に迷ったりしてたどり着いた時には閉店(閉店って言うなよ)後でした。

 約一年後の昨日も仙台に着いたとたんに虹が出て、これは絶対にお参りしないといけないと思いまして、大急ぎで石巻から戻ってきたわけです。

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▲これが仙台大観音様であらせられます。雨の勢いは弱まって、到着した時は小雨がぱらついていました。

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▲あいかわらず誰もいないし。昔はとなりにガーデニングショップとペットショップかなにかがあったんですが、移転したと張り紙がありました。

 この写真に写ってるのはガーデニングショップの敷地だったらしいです。観音様のほうへ行こうとしたら鎖が貼ってあったので、まさかまた閉店(だから閉店って言うなよ)なのかとドキドキしました。

 作務衣を着た女の人が通りがかったので、まだお参りできますかと聞いたら、
「できますけど、どっからいらっしゃったんですか」
と言うので、
「えっ、ああ、東京なんですけど」
と答えたら、わたしたちが車を置いたところは元ガーデニングショップの駐車場だから、あっちこっちに鎖が張ってあって通れなかったでしょう、という意味でした。観音様の駐車場は別のところに入り口があるそうです。

 そんなわけで胎内巡りに突入したいと思います。胎内巡りそのものは無料だそうですが、入り口で500円のお札を買うのが決まりになっています。素直に入場料って言えばいいのに、とは思いますが、お寺の拝観料なんかもそういう仕組みのところを見たことがあるので、まあいいんじゃないでしょうか。

 お金を払って、さあ行くぞーとなったら、後からお姉さんに呼び止められてしまいます。
「えっと、今日は16時に閉門なので、すごく大急ぎになっちゃってすみません。申し訳ないのでご満足いただけなかったらお金はお返ししますから……」

 時計を見たら15時50です。げっ、10分しかないじゃないか。よし超特急だ、ちゃっちゃと見るぞー。

 まずは一階をぐるっとひとまわり。十二神将の像があるので、自分の干支の守り神を探して手を合わせる。それからエレベーターで天辺までびゅーん。てっぺんは観音様の肩のあたりらしいです。高さにして何メートルくらいだろ。頭まで入れて 100メートルあるそうだから、今いるところで 80メートルは越えてるんじゃないのかな。四方に小さな窓がありますが、この日は雨模様であまり遠くまで見えませんでした。

 観音様の最上階には、観音様の魂とも言える水晶球がありますが、時間ないのであまり見ている余裕がありません。ひとまず頭をさげてスルー。

 それから階段を下りるのですが、おお、なんというかこれは面白い。観音様の胎内は円筒状でずどーんと下まで吹き抜けになっています。階段は壁沿いにぐるぐるとら旋状に降りていて、各階にはさまざまな仏様の像があります。仏像は下まで全部数えると、煩悩の数と同じく108体あるとか。

 108体の仏様は、おそらく大観音と同じ人の作品で、どこかバタ臭い今風のお顔立ちなのですが、全部違うお顔、違うポーズをしていて、すべてに名前と説明がついています。これ、ひとつひとつ説明を読みながら見てまわれば意外に楽しいんじゃないのかな。しかし今回は時間がないので超早歩きで。

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▲観音様の胎内は壮大ならせん階段。

 ぐるぐる降りて、どんどん降りて、下までたどりついた時には5分超過していました。ごめんお姉さん。大慌てですが、念願の胎内巡りが叶ってよかったです。

 外へ出たら、さっきまで降っていた雨が晴れて青空が見えてきました。もしや虹が…と思いしばらく待ってみましたが、残念ながら虹は出ませんでした。

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▲青空をバックに仙台市街地を見守る観音様。と、ちょっと待て。手に亀裂が…

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▲ほら、ヒビ入ってるよー。大丈夫なのかなあ。次に来たときにないと寂しいから、絶対倒壊しないでくださいね、観音様。

 この後、まだ日が高いので、青葉城趾を見に行くことにしたのですが、観音様が立つ山から降りたとたんに空が曇って雨がぱらついてきました。晴れてたのは、観音様の胎内から出てきた時だけでした。これも観音様の御利益なんでしょうか。

(宮城旅行17へつづく)

タグ:2011年4月宮城旅行 バブル大仏大観音

宮城旅行15:石ノ森萬画館

(宮城旅行14のつづき)

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▲萬画と書いて漫画と読みます。石ノ森先生の造語だそうです。萬画館は建物が堅固でびくともしませんでした。

 あたりに濃い潮の匂いがします。津波に運ばれたヘドロが匂っているのでしょうか、生臭くて、海が腐ったような匂いです(結局このフレーズしか思いつかなかった)。

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▲近づいてみると梁を覆ってる建材がぼろぼろになっています。ほかにも発電設備かなにかがぐしゃっと潰れてました。こういうのはお金さえあれば直せると思います。

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▲寄せ書き用のボード。心配して遠くから駆けつけた人もたくさんいます。

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▲サイボーグ戦士たちのポスター:今こそみんながひとつになる時。

 00ナンバーサイボーグはみんな特殊な能力を与えられています。でも009だけは加速装置しかついてない。加速装置だったら002も持ってます。オマエはなんの能力もあたえられなかった出来損ないだと敵に指摘され、009は「僕にあるのは勇気だ」と答えました。わたしはこの話が大好きです。何にも特化していないということは、なんにでもなれるということです。そのために必要なのは勇気だけなんですね。

 ロボコンも同じです。仲間のロボットたちは、特定の仕事をするために作られたものばかり。でもロボコンはぱっとしない汎用品。汎用品だからこそ根性でなんにでもぶつかって行き、失敗してはうららーとしょげるのです。

 009もロボコンもエリートではない普通の人間の生き様を表していて、わたしは子供の頃それが理解できてなかったけれど、大人になって気づいてとても好きになりました。

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▲割れちゃった仮面ライダー。


 名残惜しいのですが、そろそろ仙台に引き返そうと思います。空模様も怪しくなってきました。暗くなる前に大観音にお参りしないといけません。

(宮城旅行16へつづく)

タグ:2011年4月宮城旅行

宮城旅行14:マンガッタン島とその周辺

(宮城旅行13のつづき)
 これまた何度も書いて申し訳ないんですが、わたしはすっごく昔、石ノ森萬画館ができる頃に、『HOTEL』という漫画についてのクイズを作る仕事というのはやったことがあります。ただ、やったことに対して完成したものが予想外だったので、ほぼボツになったと考えられるわけですが(笑、いや泣か)。

 それでも、わたしにそういう仕事が回ってくること自体が奇跡というか何かの間違いというか、縁があったとしか言いようのない出来事です。長いこと来てみたいと思って、それが叶ったのが2010年の春でした。

 翌年の2011年の2月(地震の一ヶ月前)にも訪れています。この時は石巻を回る予定がまったくなくて、山形から日本海側へまわってみる予定だったのに、途中で気が変わって石巻に来てしまったのです。

 それから一ヶ月後に地震と津波。テレビに写る被災地の様子を見ては、ただただ呆然とするばかりでした。この町から仕事をもらってから十年も来ることができなかったのに、突然来られるようになったのは、まさか破壊される前の町を見ておけということだったのかなあと…

 今回ここまで来てみて、被害を受けた町も少しずつ立ち上がり始めていることがわかり、本当に安心しました。自衛隊や他県からのボランティアも来ていますが、町の人たち自身が頑張っています。あちこちに「頑張ろう東北、頑張ろう石巻、支援ありがとう」という言葉が張り出されています。

 一方で永遠に取り戻せないものも沢山あります。石巻市だけでも千数百人もの死者が出たと聞きました。亡くなられたみなさんに追悼の言葉を述べることは簡単ですが、それがなんの慰めになるのか自分自身でわかりません。だからわたしは黙って赤十字の募金箱にお金を入れます。それしかできないのです。

 これから貼る写真や動画は今までのに比べると被害の大きな場所なので少し衝撃的ですが、いつかきっと元通りになってほしいと願いを込めて貼ってみます。

 マンガッタン島というのは旧北上川の中洲のことで、石ノ森萬画館、旧ハリストス正教会教会堂、なぜか自由の女神像なんかがあります。



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▲白いUFOのような建物が石ノ森萬画館。右側の水路は旧北上川の河口です。もうすぐそこが海。

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▲対岸のこのあたりにコインパークがあって、2月に来た時はここに車を停めました。萬画館に一番近い提携駐車場でした。ここはまだ通行止めになっていました。建物の被害も大きいし、何よりあちこちに漁船が乗り上げてしまっているのです。

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▲打ちあげられたクルーザー。

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▲旧ハリストス正教会教会堂。

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▲自由の女神も痛々しい姿に。


 なお、ここは立ち入りを禁じられていません。この日は土曜日で瓦礫の撤去作業などは行われていませんでした。わたしたち以外に心配して見に来ている人が複数名いました。萬画館の玄関先には寄せ書き用のボードとマジックペンも用意されており、みんな応援のメッセージを書き込んでいます。

 いずれここも瓦礫の撤去作業が始まると思います。見に行く方は作業の邪魔にならないようつつしんでください。お願いします。

(宮城旅行15へつづく)

タグ:2011年4月宮城旅行

宮城旅行13:白謙でかまぼこを買った

(宮城旅行12のつづき)

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▲ここはわたしが石巻でかなり好きなポイントです。交差点からこの建物を見ると顔に見えます。メガネの相沢さんです。ちなみにこっちは2010年の写真>http://f.hatena.ne.jp/chinjuh/20100313104034

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▲町に立ってる石ノ森キャラは意外と無事です。津波からまもない頃に、仮面ライダーは不死身だったって報道されたような気がしますが、009もアカレンジャーも強かった。それでもいくつか流されちゃったのがあるそうです。

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▲あっ、笹かまぼこの白謙もやってる。っていうか行列出来てるし。並んでから写したのでこんな写真に。みなさんものすごい量の笹かまを買ってらっしゃいました。

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▲パン屋さんも開いてる。まだ縮小営業みたいだったけど。

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▲写真右のほうに写ってるのはアカレンジャーですよ。

 もっと町中を歩き回りたかったのですが、車を長時間放置できないので切り上げました。コインパークはゲートが壊れていてお金を払いたくても払えません。止まっている車を見るとパンクしてる車があるので、津波に飲まれて動けなくなったやつなんです。駐車場の中とはいえ、被災した車と一緒に置いてると撤去されても文句を言えませんし…

 次は石ノ森萬画館の前まで行きます。

(宮城旅行14へつづく)

タグ:2011年4月宮城旅行