記事一覧

お姫さまがたしなんだ江戸時代のおりがみ「糸入れ」

ファイル 1286-1.jpg
▲江戸時代の姫君のお道具「糸入れ」

 前に、どこかの博物館で、江戸時代の奥向き道具の展示を見ました。

 奥向きというのは生活の場のことです。お化粧道具を入れる箱や、お茶道具をしまう棚や、裁縫箱など、日常生活に使うものが沢山展示されていました。

 その中に紙で折った箱のようなものが展示されていました。箱といっても折り畳むとぺたっと平らになるもので、おりがみ界では「たとう」と呼ばれるジャンルに含まれるかなあ、と思います。

 展示には「糸入れ」というタイトルがついていましたが、説明はなかったので正確にどんな使い方をしたのかはちょっとわかりません。わたしはお琴の換え弦を入れたんじゃないかと想像しています。
ファイル 1286-2.jpg
 この「糸入れ」を、ひと目見て折ってみたくなりました。それほど複雑なものじゃなさそうだから開いてみれば簡単にわかるはず。でも博物館の展示なので触れてみることすらできません。

 そいう時は、完成品をじーっと睨んで折り方を想像します(俗に言う睨み折り)。パズルみたいで楽しい作業です。箱本体は似たような折り方をする作品を以前に見た事があるのですぐわかりました。蓋の部分にある剣花菱みたいな(菊の花みたいな)模様を折り出すのに苦労しました。

 たぶんおりがみの偉い先生たちがとっくの昔に解明してそうな気はするんですが、ネット上ではみつからなかったので動画にしてみます。オリジナルが江戸時代の古典作品ですし折り方は自分で考案したのでナントカ権的には問題ないはずです。

▲基本の折り方です。紙の表側の色だけが出ます。



▲こっちは模様のところだけ紙の裏の色が出るようにアレンジを加えました。四ヶ所に切れ目を入れます。

[追記]


 この本の p.6 と p.25 に「豪華な糸入れ」という名前で完成品の写真が掲載されています。本に出ているものは大小あわせて5箇所に箱がついている大作ですが、無論一枚折りではなく、完成品を五つ貼り合わせているはずです。

 折り方も出てないかな、と思ったのですが、残念ながら完成品だけでした。ヒントとして「おりすえ」という、茶道や香道で使う道具の折り方は掲載されています。「おりすえ」は「糸入れ」と構造は同じですが、蓋の部分に飾りがありません。

タグ:おりがみ

ファスナーをあけると見開きになるポーチ・その2

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1027
 この記事で作ったポーチですが、しばらく使ってダメ出しするとか言いながら、面倒なのでほったらかしていたのですが、ちどりがけでゆるくとりつけてあったファスナーが取れたので、思いきって作り直すことにしました。

ファイル 1260-1.jpg
▲これが新しく作ったやつです

 前のよりひとまわり大きくして、ポケットをつけました。右側のポケットにはUSB電源ケーブルを普通のコンセントに挿すためのアダプターとスマートフォン用の予備バッテリーを入れました。隅っこに爪切りもさしこめます。

 左側のポケットには、はさみやカードリーダーなどを入れてあります。iPhone用のUSBケーブルも、くるくる巻いて固定できるようにしてあります。

 そういえばペンを挿す場所をつくりそびれました。真ん中のスペースに作れそうなので、必要を感じたらつけようかな。

関係ないけどがぼ写真

 前回の記事にがぼ様(猫)の写真を貼ったので、今回も関係ないけど貼っときます。狙ったわけじゃないけど偶然写したんですよねえ。
ファイル 1260-2.jpg

 最近のがぼ様は、ごはんの前の「鳴いて」で、「にゃーーーくわぁぁぁぁ」と後半があくびになる確率 70% です。

タグ:手芸 がぼ

千鳥格子製作キット(つづき)

http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1250
この記事のつづきです。


ファイル 1251-1.jpg
▲まず、こんな感じに木を組みます。これは、両脇を下から、真ん中を上からはめればいいので簡単です(簡単ですが、木がもろいので、そーっとやらないと壊れてしまいます)。


ファイル 1251-2.jpg
▲ここからが問題です。この隙間に、さらに横木をはめないといけないのですが、この通り隙間が足りないわけです。じゃあ、どうするかっていうと…??


ファイル 1251-3.jpg
▲上からはめた縦の木を押し込みます。ちなみに、溝を切った台座は、この作業をするためにキットを作った職人さんが自分で考えた便利ツールだそうです。


ファイル 1251-4.jpg
▲裏返して真ん中の縦の木も押し込みます。


ファイル 1251-5.jpg
▲するとこのとおり、横木を差し込む隙間ができるのです。横木を差し込んで、押し込んだ縦の木を戻せば千鳥格子の完成です。


 ちょっとしたパズルですね。わかってしまえば簡単ですが、分かるまでは本当に不思議!

飛騨高山で買った千鳥格子製作キット

 随分前に飛騨高山へ行ったとき、古民家を集めたテーマパークみたいなところで千鳥格子のストラップを作るキットを買いました。

 千鳥格子というのは布の模様にもありますが、この場合は木で作った格子のことです。お寺やお堂の窓にはまっている、あの格子です。

ファイル 1250-1.jpg
▲これが千鳥格子です。木目に注目してよーく見てください。わかるでしょうか。平織りの布みたいに、木切れを互い違いに織ったように見えると思います。これは、裏から見てもおんなじで、本当に平織りの布のように織ってあるように見えるのです。

 こういう格子が飛騨高山のどこだかにある地蔵堂の扉についてるんだそうです。どうやったらこんな組み方ができるのか、飛騨の職人さんたちにも技術が伝わっておらず、大事なものなので分解してみるわけにもいかず、長いこと未解明の謎だったそうです。

 いつの頃にか、その組み方がわかったということで、誰でも千鳥格子の作成を体験できるようにキットにしたのがこれです。
ファイル 1250-2.jpg
▲値段はいくらだったかなあ。ちょっと覚えていないのですが、数百円だったと思います。壊れやすい部材のスペアがいくつか入っていて、それでも作れなかった時のために完成品も一個入っています。

ファイル 1250-3.jpg
▲これが完成品です。色が塗ってあるので、千鳥格子であることがかえって分かりにくくなっちゃってるような気もしますが。

ファイル 1250-4.jpg
▲こっちが表側。平織りにしてある感じを出すために、彫刻刀で少し彫ってあるのは、職人さんのオリジナルだそうです。


 作るのもったいなくて、ずーっと死蔵してたのを、このほど思いきって作ってみることにしました。次の記事に続きます。

手芸:サックハット

 人力検索を眺めていたら、袋状で被るとちょんと角がたつ帽子の正式名称をおしえてくださいというのがあって、結局名前はよくわからないんですが、かわいいのでテレビを見ながら編んでみました。

ファイル 1242-1.jpg
▲こんな感じで、本当にただの袋です。うっすら模様も入れてみましたが、糸の色が近すぎてぱっと見わからなくなってしまいました。

ファイル 1242-2.jpg
▲かぶるとこんな感じで、頭の形にフィットして、かどが耳のようにちょんと立ちます。わたしは後頭部が絶壁で頭にあう帽子が少ないのですが、これは意外と良さそうです。


 作り方は、並太毛糸を6号棒針で、100目作ってメリヤス編みで53段輪編みして、てっぺんをメリヤスはぎにするだけです。

 目数はあくまで目安にしてください。頭の大きさは人それぞれ違うし、編み方の癖も違うので、最初にゲージをとってからやったほうがいいでしょう。


 この形の帽子を、日本では特に決まった呼び方はないみたいですが、海外だと Sackhat(sack hat, sack-hat)とか Squarehat(square hat, square-hat) とかで検索すると写真がヒットします。スクウェアハットだと別の帽子もヒットするので、サックハット派のほうが主流かな。

 昔、英語の時間に、ハットは縁あり、キャップは縁なし帽子のことだって習ったんですが、その分類で言うとこの帽子は cap じゃないかと思うんです。

 ところが sackcap だとパソコンのキャプチャ画像ばかりがヒットして、sack-cap, sack cap でもお目当てのものは皆無ではないですが、あまりヒットしませんでした。どうなっちゃってるんでしょうね。

タグ:手芸

コメント一覧

Sari (12/31 03:59) 編集・削除

こんにちは、
ご無沙汰していました。
9月から10月にかけて死に損なって東和病院に入院していました。

四角帽子ということでネットショッピングに出ていましたが、
正式な名前ではないようですね。
こちら
http://shop.yumetenpo.jp/goods/d/alice-koken.com/g/ap1025/index.shtml
これは違うのかしら・・・

アドレス載せて良かったのかしら、ご無沙汰なのでルールを忘れましたが

珍獣ららむ〜 (12/31 19:08) 編集・削除

こんにちは。
死にかけてたって、大丈夫なんですか?
お大事にしてくださいねー。

四角帽子という言い方は日本でもするんですね。
ありがとうございます。
案外そのあたりが正式名称なのかもしれないですね。

>アドレス載せて良かったのかしら、ご無沙汰なのでルールを忘れましたが

URLを書くのは問題ないですよ。
スパムが多いので「複数の」URLを書けないようにしてあります。
よそのサイトから「引用元のURLを書かずに」長文をコピペしてくるのはご遠慮いただいてます。
(うちの決まりというより普通のことだと思うのですけど、汗)