東京でも震災のせいで壊れたものが沢山あります。東京タワーもそのひとつです。大きな揺れで、てっぺんのアンテナ部分が折れてしまいました。テレビではあまり報道されていませんが、ネット上では話題になっています。
ずーっと気になっていて、いつか見に行こうと思っていたのですが、先日やっと写真を撮りに行きました。ネットにあるのはどこで写したかわからない写真が多いので、うちでは場所がわかるようにしてみましたよ。撮影はすべて2011年4月24日です。
まず来て見たのはお台場です。ここからも東京タワーが見えるんですよ。え、どこにあるかって? 写真の左はしに小さく針のように写っているのが東京タワーです。ちなみに、画面の右のほう、二本の高いビルの右に写っている針のようなものが東京スカイツリーです。
こんな引いた写真だと曲がってるかどうかわからないんですが、実は肉眼で見ると右方向に折れてるのがかすかに分かるんですよ。望遠で見てみましょう。
光学30倍望遠です。ほら、先の方が右側に倒れてるでしょう?
少し近づいてみました。これは三田にある聖徳学園の近くから写しましたよ。近くまで来るとはっきりわかりますねー。
でもね、こんなもんじゃないんですよ。本当に衝撃的なのは真下から見上げた時なんです。
ぎゃー、ほんとに曲がってる。こんなに曲がってしまうなんて、震災の揺れが、どれほどのエネルギーだったか改めて実感しました。この写真はタワーの駐車場から写しました。
職員さんに「アンテナが折れちゃってますね」とおたずねしたら、「倒れないように補強はしてあるけど、もう役目を終えたから、たぶんずっと直さないよ」って言ってました。
スカイツリーが完成間近なので、テレビ塔としての役割はほとんど終わっているのです。「もし、アナログ放送全盛の頃だったら、きっと直したんだろうけどね」そう言う職員さんは、なんとなく寂しそうでした。
何十年も首都のシンボルだった東京タワーは、スカイツリーの完成を間近にひかえ、まるで役目を負えたことを自ら示したように曲がってしまいました。これからは大地震の爪痕を記念するモニュメントとして静かに立ち尽くすのでしょうか。
いや、まてまて、タワーの役目はまだ終わりません。水族館だってやっているし、蝋人形館だってあるんです!
見てください、この、ゆるキモいマスコットキャラを。ノッポン兄とノッポン弟というそうですが、どこからかひり出されたようなやわらかで倒れそうなフォルム、これはやる気満点じゃありませんか。
これからも東京タワーは観光地として栄えて(?)いくことでしょう。スカイツリーができたって、わたしたちは昭和のなごりを求めて東京タワーにのぼるのです。朝鮮戦争で使われた戦車を打ちかえて造られたタワーは、これからもずっと平和と復興、高度成長のシンボルでありつづけるでしょう。
せっかく来たので高さ 250m の特別展望台にも上ってみました。実は初めて。150m の大展望台へは何度か上ってるんですけどね。この動画は特別展望台へのエレベーターから外を写したものです。オチはありませんので期待しないで見てください。
東京タワーには 150m のところにある大展望台と、250m のところにある特別展望台があるのですが、震災の当日、特別展望台には数十人のお客さんがいたそうです。そのうち20人くらいが遠足の幼稚園児だったと職員さんが話してくれました。
当然ものすごく揺れて、エレベーターなど全部止まってしまったのですが、特別展望台からは階段で降りるのが難しく、エレベーターを復旧させて下ろしたということです。