四十一 青海とうふ 絹ごしのすくひ豆腐を葛湯にて烹調よくし ○別に生(き)の煮かへし醤油をこしらへをき出しさまに碗中へさし醤油にして青海苔を焙(ほいろ)にかけいかにもよく細末(さいまつ)しふるひにかけたるをぱっとをく也
これも湯豆腐の一種ですね。葛湯で煮た豆腐に、生の煮返し醤油をさして、青海苔を粉にしたのをぱっとふる、という感じでしょうか。
葛湯は片栗粉で代用していいと思います。お湯に水で溶いた片栗粉を流してとろみをつけ、その中で豆腐を煮ます。
ここで使う豆腐は絹ごし豆腐です。オリジナルのレシピにある「すくい豆腐」は「汲み上げ豆腐」のことですが、普通の絹ごしで問題ないと思います。
生の煮返し醤油は、水と砂糖を混ぜて煮詰めたものと醤油を混ぜて、醤油には火を通さずに数日寝かせたものです。作るのは大変なのでめんつゆか何かで代用するといいでしょう。
青海苔の粉は市販されているものを使えばいいです。
湯豆腐の薬味として青海苔を使うのは、現代ではあまりない発想ですが、やってみると香りがよくて想像より似合います。気に入って三回くらい作りました。
ただ、このレシピだと豆腐を煮る時に使ったとろみのついたお湯が大量に余ってしまいます。
そこで考えたのですが、卵スープのようなとろみのついたスープをあらかじめ作っておき、そこへ絹ごし豆腐を入れます。碗にスープごとよそい、最後に青海苔をたっぷり置く。これならスープも呑めますから一石二鳥ではないかと。出汁は中華スープのもとでもいいし、海苔と中華があわないと感じるならかつお節でもいいですね。
写真はやや失敗しました。青海苔を汁に混ぜたほうが海のように見えるかと思ったのですが、見た目が最悪になってしまいました。でも味的には成功です。海苔とのコンビネーションを考えて出汁は韓国の牛肉ダシダを使いました。
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