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豆腐百珍:すり流し豆腐

十四 すり流し豆腐 よくすりて葛粉(くつのこ)を混(まぜ)てよくすり味曾汁へすりながす也

 豆腐をすりつぶして葛粉を混ぜたものをみそ汁に「すり流すべし」とあります。

 しかし、豆腐と葛粉を混ぜただけでは、ボタッと落ちる感じになって、すり流せるほど薄くなりません。

 そこで、少し水を足してみました。液体になってしまうと違う気がするので、すり鉢を傾けてもこぼれない程度のペーストにしました。

 そうして、おたまですくい、沸騰するみそ汁へ。するとどうでしょう、ペーストは固まらず、散ってしまいました!
ファイル 1126-1.jpg
 想像では豆腐のペーストがふわふわと汁に浮くかと思っていたのに、実際にはこのとおり、完全にとけてしまいました。

 果たしてこれが正解でしょうか。それとも葛粉が足りなかったのか。あるいは水でのばしたりせず、ぼとんぼとんと落とすべきだったか……レシピにはすり流すとどうなるか書かれていないので、何が正しいのかわかりません。

 味は、意外にも美味しいんです。まあ、豆腐と葛粉ですから不味くなる要素はまったくありませんからね。

 汁にごくごくうすーくとろみがついた状態で、細かく砕け散った豆腐がふわっと舞います。油っけを一切使っていないにもかかわらず、鯨汁を連想するような濃厚さがあります。

 これは、風邪引いてる時なんかに飲んだら栄養もあるし、温まっていいんじゃないでしょうか。

 さて、今回の豆腐料理は、失敗か、成功か、それが問題です。美味しかったので成功ってことでいいですか?

タグ:豆腐百珍

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