▲これは6月の終わりに写した写真(再掲)です。図鑑によるとモモコフキアブラムシだそうです。桃粉吹油虫です。モモの木でオスと交尾して卵で増えたあと、アシの葉に移住して単為胎生生殖するそうです。
前に掲載した時も書きましたが、この写真の中にちょっとおかしなものが写っています。
青い丸でかこったのは有翅型といって、他の翅(はね)のない個体と同じ虫です。
黄色い丸でかこったのは、正確な種類まではわかりませんがアブの幼虫で、アブラムシを食べに来ています。
問題は、赤い丸でかこった、まんまるい虫は何者なのか、ということ。
そこで、気になるので図書館で少し図鑑など見てきました。どうやらこれは寄生虫にやられたアブラムシで、「マミー」などと呼ばれるもののようです。
アブラムシは小さいですが、その小さな虫に寄生する小さなハチ(アブラバチ類・アブラコバチ類)がいるそうです。これらに寄生されるとアブラムシがパンパンに膨らんでまんまるちゃんになります。
中に寄生蜂がいるうちは完全に死んではいないと思いますが、活発に動き回るわけでもないのでマミー(ミイラ)と呼んでるそうです。
そういえば、うちのちび蛙たちは、まんまるちゃんだけ食べ残します。たぶん動かないからですね。
寄生蜂は成長すると、アブラムシの体を食い破って出てきます。下の写真は7月6日に写したものですが、
ほら、このとおり、まんまるちゃんのマミーに穴があいています。寄生蜂が食い破ったあとだと思われます。アブラムシも昆虫ですから脱皮をしますが、脱皮ならこんな穴はあきません。
6月の終わりに葦原に沢山あったモモコフキアブラムシのコロニーは、7月6日にはすっかりなくなってマミーだけが残されていました。有翅型個体ばかりになって、どこかへ飛んで行ってしまったのでしょう。
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目黒のゆの字 2011年07月18日(月)17時25分 編集・削除
おおっ!すばらしい観察!
興味深いですねえ。
寄生蜂の世界は、寄生蜂に寄生する寄生蜂もいるそうで
奥が深いですよね。
すみません、単なる感想で。
でも、この写真といい、珍獣さんの観察といい
とても感心してしまったので。