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ネパールのお香を徹底解明?!

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▲今回はネパールのねじり香ばかり注文してみました。お香の粉末を紙につつんでロープのようにねじったものです。


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▲中身はこんな感じで太いこよりみたい。お香立てには立たないので、灰皿か何かの上で燃やします。


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▲こんなラベルのやつを四種類注文したんですが、表示がローマ字書きのネパール語(?)なのでなんの香りなのか説明だけではわかりませんでした。で、わたくしはデーヴァナーガリー文字が読めるので(読めるだけで意味はわからないので)、もとがどんな綴りなのか推理しつつ図書館でネパール語の辞書を引いてきました。

 以下、商品名というのはラベルに書いてある表記です。正式ローマ字はデーバナーガリーを学術的に表記する時使うもので、この書き方をしてあれば正確にデーヴァナーガリーに変換できます。画像は楽天市場の Happy Hour というお香屋さんにリンクしてあります。

商品名正式ローマ字देवनागरीカタカナ意味
dhupidhūpīधुपीドゥーピービャクシン

 ビャクシンはヒノキ科の樹木で、鉛筆のじくにする木です。これはもう、袋をあけた時の香りで正体がわかりました。鉛筆を削った時と同じつーんとした香りです。

 燃やすといくぶんやわらかくなりますが、どうしても鉛筆を連想してしまうので賛否両論ありそう。個人的にはあんまり好みじゃなかったです。

 ちなみにビャクシンのことを英語でジュニパー Juniper と言います。一般にはラテン語が語源だと言われてますが、なんとなく dhūpī とも同語源っぽい感じがします。


商品名正式ローマ字देवनागरीカタカナ意味
deudardeudār, dewdarदेउदार, देवदारデウダールヒマラヤスギ

 デウダルだとピンと来ませんが、英語っぽくデューダーとか発音してみましょう。それが訛るとシーダー Ceder になるようです(たぶん)。なんにせよインドヨーロッパ語族なので同語源なのです(たぶん、きっと)。

 燃やしてみると香りがやわらかく、最初はイマイチかなあと思ったのですが、次第に部屋中が香っていい感じでした。ヒマラヤスギと言ってもそんなにツンツンしてなくて、寺院に合いそうな感じです。これは気に入りました。



商品名正式ローマ字देवनागरीカタカナ意味
sunpatisunpāteसुनपातेスンパーテーシャクナゲの一種

 今回注文した中ではこれが一番辛い香りがしました。針葉樹系のつーんとしたのとはまた違う、辛い感じがするんです。台湾か中国の寺院に合いそう? # その後ほかの香りも含めて何度か焚いてるうちに、どれも同じような辛さを感じるようになってしまい、Sunpati が特に辛いという気もしなくなりました。

[追記]

 ヒマラヤの植物を記録した本を読んだところ、学名でいうと Rhododendron anthopogon という、小型で白い花をつけるシャクナゲがこれにあたるようです。ネパール・ヒマラヤ、ブータン、南チベットに自生しており、枝や葉を折ると芳香を放つそうです。ヒマラヤに住む人たちは、この植物を乾燥させ寺院や仏間に供える香にするとのこと。

[参考文献]

http://www.heotc.com/available/rhododendron-anthopogon-d-don-anthopogon/

Common Names: Anthopogon, Sunpati
Latin Name: Rhododendron anthopogon D. Don.

http://www.scribd.com/doc/5656017/GCMS-of-Essential-Oil-of-Rhododendron-anthopogon-D-Don-and-Its-Biological-Properties

Anthopogon oil is obtained by
steam distillation of the aerial parts of Rhododendron anthopogon. Also known as Sunpati oil
locally, is good natural source of sweet herbal, faint balsamic essence.

藤田弘基『写真集・ヒマラヤの花』講談社

ロードデンドロン・アントポゴン(ツツジ科)
Rhododendron anthopogon (Ericaceae)
小潅木で葉や枝を折ると良い香りを放つ。葉や枝を折ると良い香りを放つ。シェルパはこの木を乾燥させて、寺院や仏間の香として利用している。



商品名正式ローマ字देवनागरीカタカナ意味
astasgandhaaṣṭasugandhaअष्टसुगन्धアスタガンダ八つの良い香り

 残念ながら astasgandha だけは意味がわかりませんでした。(意味はわかったので追記します)

 袋から出した瞬間の香りはどこかでかいだことがあるような気がします。ローズマリー? 乳香? 燃やしちゃうと煙いだけであまりパッとした香りになりませんでした。第一印象はあまりよくありませんが、こういうのは何本か使ってみると印象がかわることがあるのでまだわかりません。


 正体が気になるので解明したいんですけど誰に聞いていいやら。Facebook でネパール人のエスペランチストみつけたので聞いてみるべきかどうかけっこう迷ってます。普通のことなら聞いたら教えてくれると思うんです。でも植物名だと相手がある程度詳しくないと埒が明かないかなとも思ったりしてふんぎりが付きません。

 あ、そういえばネパール語じゃなくヒンディの辞書でも引くべきかもしれませんね。香木名なんかは共通してることが多いので。それでダメだったら改めて考えようと思います。

[追記] astasgandha -> asta gandha

 わたしがはてなダイアリーでやってる別のブログで英語版の google で検索すると「もしかして astagandha ?」と出ますよと教えてもらいました。どうやら「八種の香り」という意味で、(メーカーによって成分は違うかもしれないけど)白檀をベースにして、サフラン、トゥルシーなどをミックスしたお香のことらしいです。バラモン教の護符を書くのにインクにこのお香を混ぜるという素敵な逸話もあるようです。

 トゥルシーはシソ科の薬草で、ホーリーバジルとかの名前で日本にも入って来てるようです。「かいだことがある」と感じた香りはおそらくトゥルシーですね。ローズマリーもシソ科ですから。

 asta"s"gandha と途中に s が入るのはネパール語特有の規則かなんかだろうということでひとまず納得することにしました。

[追記2]astasgandha -> asta su-gandha

http://javabog.dk/filer/nepala-vortaro/versio118-finita-ordigita-romane.html
 このページはネパール語〜エスペラント辞書なのですが、su-gandha で bonodoro の意味だと書いてあるので良い香りのことですね。su-path で良い道、su-shīl で良い導き、だそうですから、su-には良いという意味があるようです。

 そういうわけでアスタスガンダのスガンダは、su-gandha で良い香りという意味でした。お香のパッケージには astasgandha と書いてあって、uが落ちてるのがやや気になりますが、ローマ字表記がそこまで厳密じゃないのかもしれないですし。これで完全に謎解明でーす。


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▲アミタバブッダ
 ネパール産ですがラベルに書いてある文字(この画像)はチベット語ですね。残念ながらわたくしはチベット語は読めません。やや悔しいです。文字の読み方くらい覚えるべきでしょうか。

 まあ、でも商品名はアミタバ・ブッダなので阿弥陀様とお釈迦様ですね。香りの質を表したネーミングではないということです。

 袋から出した瞬間は日本でお墓参りに使うお線香みたいだなと思いました。燃やしてみると印象が薄く、あまりパッとしません。燃えきったあとの残り香はまさにお墓参りのお線香でした。香りを楽しむというより仏前用かなと思います。#追記:その後何度も焚いてみましたが、慣れてきたら悪くないなという気持ちになってきました。お墓参り用の線香よりはもう少し上品です。落ち着いた雰囲気で意外と飽きません。うちでは玄関で焚いてます。

 このお香は包みの中で紐できつくくくられていますから、上から一本だけ引っ張っても絶対に出てきません。それどころか途中で切れてしまいますから、包みを開いて別の容器に入れるか、束のままひっぱり出して紐を切ってから戻したほうがいいです。



 なお、香りはあくまで第一印象です。不思議なことですが、お香は何度か焚いてるうちに印象が変わることがあります。自分ですらそうなので、他人の印象はわりと当てになりません。通販で注文する場合は、そのあたりを踏まえた上で、はずれも楽しみのうちと覚悟してからお願いします。

 今回注文したネパールのお香は、どれも素朴といえば素朴、イマイチって言えばイマイチな感じです。150〜280円くらいの安いお香ですから値段相応かなと思います。

 前回購入したチベットのお香は、高いだけあって奥深くていつまでも飽きませんねー。チベットのお香についてはこちら>http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1070


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▲これはインド HEM 社のジャスミン香です。何度かサンプルをもらって「香りが強過ぎて脳天直撃系」「燃やしてもちゃんと花の香りがするのは貴重」「窓をあけはなって焚いたら意外とトロピカル?」などと書いてたやつです。ほんとは真夏に購入したかったんですけど旅行に行くので楽天ポイントを温存してたものですから、今ごろになって逝く夏を惜しんで購入してみました。ねじり香ではなくて、竹の芯が入っているインドによくあるタイプのものです。

[追記]ついでにこれも解読しときます

赤い楕円の中に書いてあるのは
हेम Hem メーカー名「ヘム」

その下の緑の太字は
प्र-शि-य-स PRE-SHI-YA-SA
英語の PRECIOUS をデーヴァナーガリーで書いただけ。

その下の大きい赤い字は
जाश्मिन Jashmin
英語のジャスミンをデーヴァナーガリーで書いただけ。
(ヒンディーでジャスミンは चमेली camelī)

その下の小さい緑の文字は
अगरबत्ती agarabattī
お香(特にスティック香?)という意味のヒンディ。

というわけで、
箱の裏側についてる英語表示と同じ内容のことが書いてあるだけでした。


今回のサンプル


▲ HEM 社のサフラン香
 これは秋らしい感じの香りですね。サフランというよりシナモンのような、甘いようなホックリしたような香りでした。これからの季節ちょっといいかもしれません。色に例えるなら茶褐色。音に例えるならモとかコとか?



▲ HEM 社のリリー・オブ・ザ・バレー
 これまた脳天直撃系かもしれません。締め切った部屋で焚くと悶絶するかも…? 香りは強いけれど爽やかで、まさにユリを連想する感じです。白いワンピースの少女が細い手足をのばして高原を駆け回っている姿を妄想します。

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  • 2011年10月04日(火)09時24分
  • 日記

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