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一度でいいからポケットにクリップをしのばせてMRI室に持ち込みたい(ダメだってば)

 最近とある事情で病院へ行ってCTとったのね(コレに関してはすごく馬鹿らしい結果になるので検査結果が出てから書くかもしれないし、あんまり馬鹿馬鹿しくて書きわすれちゃうかもしれないけど、まあそれはそれとして)。

 CTの順番待ちをしながら、そういえば以前、CTと似てるけど全然違う MRIっていう史上最強(?)の検査をやったとき、磁力がぱねぇってやつなので金属を持ち込んだら危険が危ないのでダメなのよってなことを教えてもらったのよ。

 どのくらい危険が危ないかっていうと、たとえばうっかりはハサミんか放置したまま稼働させると、MRIのドーナッツめがけて空中をぴゅーんと飛んで行くらしいと。

 そんなこと言われると飛んで行くとこ見たくなっちゃう。もちろん危険なのは理解できるんだけど、目で見たいじゃないの、すごくすごく見たいじゃないの? いや、誰だって絶対見たいはずだ。見たくないとかおかしいぞオマイら、と力説しておく。

 そのことを思い出したら、もう完全に実験君モードになってしまい、頭の中は MRI のことでいっぱいですよ。実験したい、実験したい、ポケットにクリップしのばせて MRI 室に潜入したい。金属片が宙を舞うのを見たい見たい見たいのよ、見たいのよー。しかしこれから受けるのは CT であって、 MRI ではないのです。ええい、CTなんかお呼びじゃないのよ、あいらぶゆーらぶ、エムアールアイなのー、じたばたじたばた。

 なんてこと言ってる間に順番が回ってきて、何事もなかったかのように CT の検査を受けたんだけど、かなりやばいレベルの実験君になっていたことは確かです。

 それで思ったんだけど、ダメだって口で言うより安全な状態で実験した資料映像を作ったらいいんじゃないかと思うわけ。磁力でビューンって飛んでったら絵的に絶対面白いから、健康や医療を扱うテレビ番組で何かにつけて公開すれば好奇心ゲージ振り切れぎみの実験君だって満足するし「危険なので金属は持ち込まないで」という啓蒙になるじゃない?

 というか素人のわたしが思いつくんだから絶対あるんじゃなかろうか。いや、あるに違いない。いざ漕ぎ出さんネットの海へ、あくなき探求心とともに!

 ってなわけで探しに行きましたよ、手っ取り早く youtube へ。

 そうしたらね、あるのよ、けっこうあるの。でもなんか、みんな海外の動画なのよ。海外のお医者さんたち(あるいはその卵?)は超楽しそうに実験してるのに、日本人がやってる動画はみつかりませんでした。日本人はダメって言われたら素直に納得しちゃってやってみようとか思わないのかしら?

 それともそんな動画を作ってうpすると医学会から干されてブラックジャック(無免許医)になるしか道がなくなっちゃったりするのでしょうか。まあやだ、それは大変。ブラックジャックになるには無免許であること以外に超人的な才能がなきゃダメなんですもん、そう滅多になれるもんじゃありませんが、腕に覚えのある方はぜひ目指していただきたいものです(え?

 というわけで前置きが長かったですが、youtubeでみつけた MRI に吸い寄せられて行く金属片の実験動画のまとめです。
  

http://www.youtube.com/watch?v=OAbKn-fHVxY
 まずは軽めにこんなのはいかが。MRIに金属片をぽいっと放り込むと、ゴンゴンゴンゴンと壁にあたって吸い付く、ただそれだけです。吸い付いてるところがイマイチ分かりにくいし、投げ込んでるので飛んで行く感が薄いですが、たしかに磁力は強そうですね。
 
http://www.youtube.com/watch?v=EDe1K-DEQFY
 煉瓦みたいなものに金属を仕込んで、稼働中のMRIに近づけて行きます。うーん、これはややイメージに近いけど、想像ではもっと遠くから引き寄せられて空中を飛ぶ感じだと思っていたわ。
 
http://www.youtube.com/watch?v=V9UJ6JAeVuE
 最初にトークが入ってて、実験開始は30秒くらいから。金属球をMRIの入り口で上から落とすと、下まで落ちたあとに跳ね返ってドーナツの中にガラガラゴッツーンと吸い込まれていきます。想像してたみたいに遠くからものが飛んで行く感じではないけれど。ついうっかり機械のまわりに金属片を置きわすれたまま動かすとこうなるってことよね。
  
http://www.youtube.com/watch?v=4jN1Zg_3X94
 これは地味だけど面白いかも? 金属の板が倒れて行くだけですが、パタンと落ちずにふわっとゆっくり倒れるのがまるで無重力空間のよう。重そうな板なのに、磁力で重力が相殺してしまうのね。
 
http://www.youtube.com/watch?v=6BBx8BwLhqg
 これはぶら下げ式の計りを使って金属片がどのくらいの力で MRI に引っ張られていくかを計測する実験動画です。最後の方で実験に使ったオフィスチェアーがバキっとぶっ壊れるシーンがあって、「ベーリグー」とか歓声が上がってるところがいかにも欧米ですね。日本でこれをやると、やっぱり医学会から干されるかもしれないので、ブラックジャックになれそうもない医学生のみなさんは注意したほうがいいのかも。
 
 
 これらの動画を見る限り、史上最強(?)の検査機器 MRI とはいえ金属片を離れたところから吸い寄せて空中を飛ばすほどには強くなさそうなのです。わたくしこと珍獣様のはちきれんばかりの想像力では部屋の端から端までビューンと跳んで行くくらいのパワーを期待していたので少しだけがっかりでしたことよ。

 しかし、強くないかっていうとやっぱり強いのです。けっして侮ってはいけません。なめてかかると本当にメチャクチャ危険がデンジャラスでピンチのエマージェンシーだということがわかるのは次の動画。
 
http://www.youtube.com/watch?v=lEJ2notNLo0
 これはちょっと恐いですぞ。心臓の弱い人は注意。人の頭にみたてたスイカにむかって酸素ボンベがゴゴゴーのドシャーンでグチャーって感じですのよ。実際にこれと同じような状況で子供の患者さんが犠牲になったことがあるそうです(ぐえぇぇ)。

 こんな重そうなものが動いちゃうんだから、やっぱり MRI は史上最強の検査機器かもしれないです。君たちまちがってもポケットにクリップをしのばせて検査に臨んだりしてはいけませんよ!



# 世の中的にイケてるブログってこんなんかなと思って書いてみた。昔HTMLで日記書いてたときのわたくしったら常にこんなだったような気もするけどそういうの卒業して長いもので調子が出ない上にナマケモノが憑依しているのでこのテンションは続かんなー。

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  • 2012年02月24日(金)10時22分
  • 日記

コメント一覧

ぱる子 URL 2012年02月24日(金)17時24分 編集・削除

米ドラマ「ドクターハウス」シーズン2の20話に、頭に銃弾の破片が入ってる患者をMRIにかけても大丈夫か、というので死体の頭に銃弾を撃ち込んでMRIにかける実験をするシーンが出てきますよん。あらすじ↓
http://d.hatena.ne.jp/castle/20100113/p3

たしかに、MRI入る際の「メイクもラメの入ったのは避けろ」とか「入れ墨の人は入れない場合が」とか御念の入った注意書きを見ると、もっと離れたところからビューンと飛んでいくのを想像しちゃいますよね。

体内の水分子の方向が強力磁気で(短時間とはいえ)全部そろっちゃうんでしょ? 水は全てを知っているのだとしたら、人生観まで変わるようなスピリチュアルな変化が起こるかも! というところまで妄想しましたが、2度のMRIを経ても凡人のままな私です。ちなみに、順天堂練馬の装置はガンガンガン…という打撃音はせず「ズビュ~~」みたいな巨大ブザー音でした。

珍獣ららむ〜 2012年02月24日(金)23時59分 編集・削除

 わたしも何回か MRI をやったと思うんですが、ぜんぜん人生変わりませんでしたわ。

 稼働音も大したことなかったと思います。ものすごい音が出ますからね、とか言われて密閉性の高いヘッドホンを渡されましたけど、流れてる音楽はクラシックだったし、いくらなんでもガンガン音がしてたらほんの少しくらいは聞こえそうなのに、なーんにも聞こえませんでしたからねー。


>米ドラマ「ドクターハウス」シーズン2の20話

 うへー、アメリカ人のすごいとこって医療機器のぱねぇ磁力をホラーの世界に平気で持ち込むとこだよねえ。弾丸が頭蓋骨つきやぶって出てくるとか考えつかんわ。

 しかし、よく考えてみたら、普段は忘れてるけどなんかの手術で金属を体内に入れてる人とか、うっかり MRI の検査なんか受けると死ぬかもしれないわけね。かなり恐いわ。999に出てくるアンタレスのオジサンなんかは MRI で爆死できそうですね。

 ラメ入りの化粧品とか、入れ墨の人は、まさか皮膚がひっぱられて面白いことに……?! と思ったら、そうじゃなくて火傷する「可能性がある」からダメみたいね。必ずしもなるわけじゃないみたいだけど、危ないかもしれないんだって。
http://blogs.dion.ne.jp/yabudoc/archives/1492632.html

(・∀・) 2012年02月27日(月)14時43分 編集・削除

以前勤めてた大学病院では、MRIで色々飛ばす実験の学内向けDVDがありました。

当時はネット環境もたいしたことありませんでしたから、
youtubeとか使って公の場に置いておいていつでも見られるようになんていう発想自体が出てこなかったのですよ。。。

今なら公開してもいいんじゃないかと思うんですけどね。

珍獣ららむ〜 2012年02月27日(月)16時10分 編集・削除

こんにちは。
やっぱりいろんなものを飛ばす実験映像があるのですか(笑)
いっそロビーで流しちゃえ、と思ったけど、
検査前にそんなことすると不安になっちゃう患者さんがいるだろうから、
健康な時に落ち着いて見られるように youtube あたりに置いといてほしい気がします。
日本ではこれからなんでしょうねー。
情報ありがとうございました。

(@_@) 2012年04月27日(金)00時09分 編集・削除

金属板がゆっくり倒れるのは、
表面に電流が流れ(渦電流)その渦電流が熱に
なりながらゆっくりと倒れてゆくんです。

縦型の中空の超伝導磁石にアルミ片をいれると、
なかなか落ちてきません。逆の実験もできて、
アルミパイプの中にネオジム磁石(普通に買えます)
を入れるとなかなか落ちてきません。これはアルミ
パイプ側に電流が流れて磁石を浮かそうとするんです。

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