ブライダルローズは川崎ローズの作者である川崎敏和さんの立派な作品です。おりがみというのは再現芸術なので、手順通りにやったら誰もが同じものを作れなきゃいけません。
そうは言っても難しいのがおりがみです。今回折ったのはこれ。1枚の紙で9枚の川崎ローズが折れちゃう、3x3ブライダルローズです。
バラの部分は 24cm 四方の紙を使って折りました。外側の箱は別紙です。
9個それぞれが難しい方の川崎ローズみたいな構造になっています。1個だって難しいのに 9個ですから、これはもう離れ業としか言いようがありません(笑)
裏側はこんな感じになっています。自分でやっといてなんですが折りが甘すぎますね。もうちょっとピシッと行かないと……
作者の著作権を尊重したいので折り方の説明はできませんが、発想としては布に渦を作るのと同じです。
頭の中にハンカチのような布を思い浮かべてください。
ハンカチの真ん中を指でつまんでねじると渦ができます。見ようによってはバラみたいですよね。
ハンカチを広げて、今度は 2カ所つまんで同じ方向にねじってみてください。渦が(バラが)2個できますよね。3カ所やれば 3個できるし、 9カ所やれば 9個です。
これを紙でやるわけです。紙には布のようなしなやかさがありませんから、うまくねじりができるように、細かく折り目をつけてやり、えいやっと丸めていきます。
まずはバラの個数を少なくして練習します。
▲ 2x2 ブライダルローズ
▲紙はこんな風に、マス目を作ってから、斜めに切り出します。福山ローズではなく、難しい方の川崎ローズを思い浮かべてください。あんな風に、紙に対して斜めの方眼ができるように製図します
そうです、製図です。ブライダルローズのもっとも難しい部分は折りではなく製図だと思います。難しいというか、めんどくさいんですよね。製図が面倒で何度挫折したことか。
製図が終わったら、川崎ローズを折る時のように、井げたのひねりを作って行きます。この時、それぞれを同じ方向にひねること、また、井と井を結ぶ腕にもひねりがあるので、立体になる(平面にはたためない)ことがポイントです。
これを 3x3 にしたのが最初に貼ったこれです。
24cm 四方の紙に、12mmの方眼を作ってから(20x20の方眼になる)、5ます右に進んで1下がる斜めの正方形を切り出して作りました。
折り方はこの本に出ています
【送料無料】究極の夢折り紙
今回紹介した「ブライダルローズ」のほかに、福山ローズみたいなやつを 1枚の紙に16個作っちゃう「クリスタルローズ」も掲載されています。また、巷で大人気の桜玉を、さらに改良した「大統領の桜玉」、これまでちょっと難しい数学寄りの本にしか載っていなかった「バラのつぼみ」など、そそるものが沢山掲載されています。税込1680円です(2012年現在)。
付録(本を読んで製図法を知ってからでないと役にたちません)
バラの個数と、紙のサイズの関係は次の計算式で導きます。
(5 x a + 5 ) x b = 紙の大きさmm
a はバラの1列の個数(3x3 ならば 3 ってこと)
b は方眼のサイズ(1マス 10mm とか 12mm とか)
たとえば 3x3 を10mm 方眼で折りたい場合、(5 x 3 + 5)x 10 =200mm になります。つまり20cm の紙を用意して、本に書いてあるやりかたで製図します。
一般の文具店などで売られている大判の折り紙は 24cm(240mm)四方であることが多いんですが、これから 3x3 のブライダルローズをとるなら、
240 = (5 x 3 + 5)x b
240 = 20b
240 ÷ 20 = b
12 = b
というわけで、1マス 12mm の方眼を書けば 3x3 ローズがとれます。
4x4 をとるなら
240 = (5 x 4 + 5)x b
240 ÷ 25 = b
9...15 = b
なので、240mm から 15mm 分切り捨てて 9mm の方眼を書けば OK です。
まあ、1マス10mm より小さくなると折りにくいので、240mm 四方ならば 3x3 ローズが限界でしょう。
書いてて自分でも知恵熱が出そうなのでこのへんで。