まだまだ暑い日が続きますがうちはエアコンを使っていません。無駄にバスを乗り回したりして読書しまくる毎日です。一日乗車券マンセー。
世界の三猿
三猿というのは「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿のことです。
余計なものを見ない、余計なものを気かな、余計なことを言わない、という教えを表すものなので、猿じゃなくたっていいはずです。
それをわざわざ猿にするのは、「しない」という意味の「ざる」と「猿」をかけているからであって、日本語だからこそ猿に意味があるんです。
ところが目と耳と口をふさいだ猿の像は世界中にあるらしいんです。インド、アフリカ、ヨーロッパ……それらは一体どこから来たのでしょう。すべて日本から伝えられたものなのかどうか?
その答えがアンコール・ワットにあるらしいんです。この本によると「アンコール・ワット最上階の中央祠東側右上部」に三猿のレリーフが発見されました。
アンコール・ワットの建築がはじまったのは1113年のことだそうです。日本は平安時代ですから、この頃にカンボジアと国交があったとは思いにくいので、三猿の起源は日本じゃないということがわかるそうです。
さらに著者は中東で出土する土偶が三猿とよく似たポーズをとっていることにも注目し、三猿の起源は古代エジプトじゃないかってところまでたどり着いています。なぜ猿なのかっていうと、古代エジプトの知恵の神トートがヒヒの姿で描かれることと関係があるだろうってことですよ。
他にも、「思わざる」も含めて四猿が本来の姿だという衝撃的な事実なんかも明らかにされて、なかなか興味深い本でした。