葛飾区あたりに住んでるみなさん、今年もダイヤモンド富士の季節がやってきちゃうんですよ。
ダイヤモンド富士とは、富士山の天辺と太陽が重なる現象のことです。富士山より東の地方では夕日、富士山より西の地方では朝日がダイヤモンド富士になります。
見られる日時は見る場所によってかわりますから、ここでの話はあくまで東京都葛飾区の、水元から金町駅あたりのローカルな話題だということを頭に入れておいてくださいね。
さて、わたしは数年前にこんな写真をとりました。
▲2009年1月19日、葛飾区水元にて撮影
富士山の左(南側)に夕日が沈んでいます。狙ったわけではなく、偶然通りがかって写したものです。
太陽は冬至の日に一番南を通りますから、1月ならば日ごとに右へ(北へ)ずれていくはずです。ということは、あと1日か2日後には富士山の天辺に沈むかも?
それってダイヤモンド富士ってやつなんじゃない?!
これに気付いたらなんとしてでも見たくなりました。チャンスは二度あるはずです。1月20日ごろが第一のXデーだとしたら、冬至をはさんで11月だか12月だかの何日かに第二のXデーがやってくるはず。
正確に何日かを割り出すのは難しいけれど、年に二回、たかが数日間、富士山の見えるところで日没を見ればいいだけなんだから簡単じゃない?
ところがですね、これが意外とむずかしいんです。
富士山の天辺が、意外と晴れてない!!!
頭の真上は雲一つない晴天でも、地平線近くにはいつも雲があって、富士山がきれいに見える瞬間ってあんまりないんですよね。
それで、頑張った年、頑張らなかった年などありますが、やっと見られたのは今年の1月、それも最初に目をつけた水元某所ではなく、そこよりちょっと南の金町駅周辺某所です。
▲2012年1月29日、葛飾区金町駅周辺某所にて撮影。わー、見事にど真ん中。富士山の天辺に夕日が沈むー!!
絞りやなんかを工夫すれば、もっとキラッと光芒が出るように写せると思いますが、三脚を立てられない場所で写してまして、そんな工夫をする余裕がありませんでした。
これを撮影するまでにもいろいろ苦労がありました。まず、12月(11月だったかも?)に見当をつけて水元で狙っていたのですが、嫌がらせのように雲が出て富士山が見えず、断念。
次のチャンスは冬至を越して1月25日ごろなんですが、ほんとうに誰の仕業だと聞きたくなるくらい、日没間近になると雲が出て絶妙に富士山を隠すんです。
これは悔しい。あまりにも悔しい!!
そこで知恵を働かせました。水元で見ようとしたら12月まで待たなきゃいけないけど、もっと南へ移動したらまだチャンスがあるんじゃないの?
というわけで、翌日は1.7Kmほど南へ下った橋の上で日没を待っていましたが、この日もちょうど日が落ちる瞬間だけ雲が出てダメ!
こうなったら意地です。もっと南へ行けばいいのですよ、南へ。ええとここらで富士山が見られるのは……とあれこれ考えて、金町駅周辺の某ビルの屋上(名前を出して立ち入り禁止にされると嫌なので書きません)にねらいを定めました。
それから、正確に何日に見られるかを割り出すために、カシミール3Dというソフトを使いました。
◎カシミール3D
http://www.kashmir3d.com/
このソフトを使うと、地図上で指定した場所からどの方角を見ると、どんな山が見えるのか、まるでカメラで撮影したみたいに絵にすることができます。
しかも、太陽が何時ごろにどこに沈むか、どこからのぼってくるかなんてことまでわかっちゃう。こんなにすごいことができるのに、これ無料で配布されてるんですよ? 興味のある方は面白いですから落としてみてください。
さてさて、カシミールに計算させたところ、金町駅周辺では1月29日がXデーのようです。最初に狙ってた場所から google map 調べで3kmくらい南です。
たった3kmの違いで4日も差が出るものなのかしらと半信半疑でしたが、計算通りに富士山の真上に太陽が沈んだのを見た時には、「地球すげー、カシミール3Dすげー、なんかよくわかんないけどすげーよこれ、超感動!」などと語意が中学生並になるほどの喜びでございました。
太陽が沈んで行く様子をスライドショーにしました。カメラを固定できればよかったんですが、三脚をたてると手すりが入ってしまうので、仕方なく手で構えるしかありませんでした。
今年も葛飾区水元〜金町駅あたりではダイヤモンド富士の季節です。チャンスは2回、12月と1月ですぞ(もっと南へ、あるいは北へ行けば見られる時期はズレますから、興味のある方はカシミール3Dで調べてください)。
▲これは2012年1月27日に金町駅周辺から見える富士山と日没をカシミールに予想させたものです。
▲これは2012年1月27日に実際に写した富士山と日没です。
かなり正確なのがわかっていただけると思いますが、それでも誤差が出るかも知れないので、計算で割り出した日付の前後数日間を見ておいたほうが確実だと思います。