▲聖護院八ッ橋
京都で八ッ橋を買ってきました。写真は聖護院の八ッ橋ですが、これの他に聖護院の生八ッ橋、井筒の益壽糖も買ってきたんですけどね。
それでふと、昔こんなことを書いたのを思い出しました。
八つ橋は、お琴の大家である八橋検校にちなんで琴の形に作ったお菓子だと、わたしは中学の音楽の授業で習いました。八橋検校を習うついでに「お菓子の八つ橋は……」という具合に習ったのです。
しかし、わたしが食べたことのある八つ橋は、四角い生地にあんこを入れて三角に折ったやつで、どこをどう見たらお琴の形なのか、長年謎でした。
先日、知人が大阪出張のおみやげだといって、八つ橋をくれたのですが、
「俺はどっちかっていうと生八つ橋より焼いたのが好きだ」
というのです。
あ、そうか。わたしが食べてる三角のヤツは、生八つ橋だったのか! いや、確かに、誰に聞いても「生八つ橋」と言ってたような記憶がある。そうだ、生なのだ。生だとあえて言ってるからには、生じゃないのがあるのは当然じゃないか。
というわけでメーカーのサイトに行ってみた。
http://www.yatsuhashi.co.jp/
がーん!!
焼いたのは、まるで形状が違うじゃないかー!
焼いたのなら琴の形をしてますね。
音楽のN先生、いまごろ気づいたダメな生徒を許してください。
# しかも、正しい「なま八つ橋」は三角じゃなくて、短冊形なのね(八つ橋を焼く前の形だから)。わたしが知ってる三角のは、生八つ橋の中でも「夕子」と呼ばれる別のものなのか……二重に間違っていたとは!*1
http://d.hatena.ne.jp/chinjuh/20081226#p2
この記事には面白いコメントをたくさんいただきました。みなさんの情報によると、
・八ッ橋というお菓子は複数の和菓子屋で製造されている。
・聖護院と井筒は八橋検校にちなむ
・西尾は伊勢物語のかきつばたの歌で有名な三河国の八橋にちなむ*2
ってことらしいです。
その後さらに調べてみると、三河国の八橋は「橋のない川で子供を亡くした母親が、仏様のお告げにより八つの板で橋をかけたのが始まり」だそうです。へーへーへー。
ついでだからお琴起源と、橋(かきつばた)起源と、どっちが古いのか調べてみました。
・聖護院:八橋検校が亡くなった4年後の1689年に八ッ橋を作った
・井筒:1805年創業(意外と新しい)
・西尾:1689年、子を亡くした母がかけたという三河国八橋の伝説にちなんで作った
という感じで、メーカーさんの主張を聞くかぎりでは、お琴起源・橋起源どちらも同じ頃に誕生してるらしいです。
それで、八橋検校のお琴にちなんだ聖護院の八ッ橋ですが、最初の写真をもう一回見てください。
あら?
なぜかカキツバタと八つの橋が書いてある??
世の中っていろいろ難しいんですね。
もうわたくしにはさっぱりわかりませんわ。
八ッ橋メーカーリンク集
◎聖護院
http://www.shogoin.co.jp/
◎井筒
http://www.yatsuhashi.co.jp/
◎西尾
http://www.8284.co.jp/
◎おたべ
http://www.otabe.co.jp/
*1:三角で中にあんこが入っているお菓子も複数のメーカーが作っている。井筒は「夕子」、聖護院は「聖」、西尾は「あんなま」、あと名前だけはすごく有名な株式会社おたべの「おたべ」など。
*2:八橋というところに咲くカキツバタを見て、各句の頭にかきつばたを一文字ずつ順にいれて「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」と詠む話が伊勢物語にある。各地の菖蒲園・あやめ園・かきつばた園に八ッ橋と呼ばれる板橋があるのはこの話にちなむ。
一円 2012年12月07日(金)09時57分 編集・削除
ご無沙汰です。1年ほど前ツイッターからログアウトしてしまって、パスが判らないまま放置になっています。ここにお邪魔するのも久々です。
確か聖護院だと思いましたが東京の営業所が品川(京急の新馬場駅そば)にあります。ここでは袋詰めなどもやっていたようで、表に「壊れ菓子あります」の札。安く買いたいならここに行くと良いでしょう。と言いつつ一度も買ったことがありません。
ただ、ここを通ったのはもう30年も前のこと。今でも営業所があるのかどうかすら不明で、情報の古さはもう救いようが無いですね(笑)。今度五反田の古書展に行く時に、新馬場から電車に乗るように経路を変更して、確認してみます。
ららむーさんは、有名な店なのに近所以外にはほとんど知られていない地方営業所を見つけたことはありますか?