今日もしつこく角大師について考えよう!
◎突然だけど角大師のお札のことを考えてみた
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1754
一昨日は↑の記事で与太話を書いたわたくしですが、今朝になって突然重要なことに気がつきました。
『三元大師籤絵抄』に「元三大師は御本地によいりん觀音にてましませば」とあるとおり、慈慧大師(三元大師)は如意輪観音の化身だと言われているのです。
そこであらためて、角大師(三元大師)のお札を見ると、
右手(向かって左の手)を床というか、座面について、左手は膝に置いてます。そんでもって右膝を立てて座っているみたい。
これ、もしかして如意輪観音の座り方なのでは?
如意輪さんは、だいたい左膝(向かって右膝)を立てて座ってる。そんでもって腕が六本くらいあって、いろんな持ち物を持ってるんだけど、左腕のひとつを座面について体をささえてる。
いろんな作例はあるだろうけど、おおむねこんな感じ。
ここから、持ち物がある手を消すとこうなる。↓
これを左右反転するとこうなる。↓
ほら、角大師と座り方がおんなじ!
角大師が如意輪さんと左右が逆なのは、木の板に彫ったのを紙に刷ったので逆転したか、如意輪そのものではなく化身であることをあらわすために、わざと逆にしたかってところじゃないでしょうか。
これまでの話を整理すると、
・角大師の手足が滑稽なまでにクネクネしているのは、膝をたてて、手を座面についてる姿を平面的に表現しようとして、大胆にデフォルメされたから。
・なんで片膝たてて片手をついてるかっていうと、三元大師が如意輪観音の化身であることを、ポーズを同じにして表現しようとしてるから。
・一般的な如意輪観音像と角大師像が左右逆のポーズなのは「木の板に彫って紙に刷った時に逆転した」または「仏そのものでなく化身であることを表現した」のどっちか。
…ってな感じです。
[追記]
如意輪観音だと右手でほおづえついてますが、ただの観音様だったら膝に置いてる作例もけっこうありまして、
神奈川県・清雲寺の滝見観音
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p632190.html
伊豆の国市・北條寺の観音菩薩半跏像
http://izu-np.co.jp/feature/news/20130414iz0003000126000c.html
鎌倉市・東慶寺の観音菩薩半跏像
http://www.tokeiji.com/heritage/mokuzou-kannon/
などなど、立ててる膝も右だったり左だったり様々ですが、ほおづえをつかずに手を膝に置いてる例がたくさんあるみたい。
ようするに角大師は観音様ってことでファイナルアンサー?