▲これが亀戸天神の鷽(ウソ)です。木製で、大きさにより数百円から数千円のものがあります。左の小さいのは懐中に持ち歩くもので500円、右のは800円でした。
▲背面は、しっぽが分厚い削りかけになっています。沿道の土産物屋で売ってるのには削りかけのないものも沢山ありますが、神社で売ってるのは尾羽が必ず削りかけになってるみたいでした。米沢のお鷹ポッポにも似ています。
アイヌや、九州の一地方では、薄く花のように削りかけた木の棒を、御幣として神に供えます(興味のある方はイナウで検索してみてください)。天神様のウソも起源は御幣なんじゃないですかね?
▲買ったウソと同じ数だけ由来書をくれます。なぜか右下隅にシリアルナンバーのようなものが入ってます。どうやら金の鷽が当たるくじになっているらしいんですが、いつ、どこで当選発表があるのかさっぱりわかりません。神社に見に行くとしても、いつ発表なのかわからないと行けないし……
なお、鷽替えの由来ですが、まず鷽は太宰府天満宮で神事のさいに発生した害虫を駆除したという縁があるそうです。また、鷽という文字が學(まなぶ)という文字に似ていることから、学問の神様である天神様と縁があるとされています。ウソという音が嘘に通じることから、旧年中の悪いことを嘘にして新しい一年を迎えるための縁起物にもなっています。
もとは太宰府で、参拝者が木で作った鷽を交換しあう行事でしたが、江戸時代の文政三年(1829年)に亀戸でも始めたところ、大評判になりました。今は古い鷽をおさめて、新しいのを買うだけの祭りですが、かつては太宰府と同じく参拝者同士で交換しあったそうです。
◎亀戸天神社公式:祭り・年中行事
http://www.kameidotenjin.or.jp/events/monthly01.html#0103
亀戸の鷽替えは毎年1月の24日・25日の二日間です。木彫りの鷽はこの日にしか買えません。
▲鷽笛:700円
木彫りは鷽替え神事の限定品ですが、この鷽笛はいつでも買えます。悪いことがあったらこの笛を吹くと嘘になり、良いことに変わるのです(たぶん)。
他にも、鷽鈴や、鷽ストラップなど、鷽関連の御守りがあります。どれも可愛いですよ。
亀戸天神は江東区の亀戸3-6-1にあります。よく、葛飾区の亀有(かめあり)とごっちゃにされますが場所がぜんぜん違います。葛飾からだとバスでJR小岩駅か新小岩駅まで出て、総武線で亀戸(かめいど)で下車、徒歩15分くらいです。
葛飾区亀有(かめあり)の由来
いくつか説があるようですが、最近よくテレビなどで紹介されているのは、このあたりの地形が亀の背中のようにこんもりと盛り上がっていたので「亀なす土地」の意味でカメナシと呼ばれていたが、江戸時代に「ナシ」が「無し」に通じて縁起が悪いというので「亀有」と呼び替えられたというものです。
梨のことを、洒落た言い回しで「アリの実」と言ったりするのと同じ理屈です……といっても最近ちっとも通じないのですよね。シネラリアという花が死ねに通じて縁起が悪いので、サイネリアと呼びかえて、幸せの花にしているようなものです。
ほかに、渡来人の金(きむ)さんが大勢住んでいたことから「亀無」という字をあて、後の時代に亀有と呼び替えられたという説もあるようです。が、金さんが今と同じようにキムさんと呼ばれていたかどうかビミョーだと思います。朝鮮語には文字がなく、昔の事は漢文で記録されているので発音は伝えられていません。
朝鮮語で「金」という漢字があてられている単語は、キムではなく、クムやグムと読むものが多く、人名の金さんも、もとはクムさんと呼ばれていたという説があります。李氏が朝鮮を支配していた頃に、五行説では木よりも金が強く、それでは失礼にあたるというので、金(クム)をキムと呼びかえた、というのです。わたしにはこれが本当のことかどうかわかりません。
江東区亀戸(かめいど)の由来
かつて東京湾は今よりずっと広く、亀戸のあたりは海の上でした。ここに亀ノ島と呼ばれる島があり(おそらく形が亀に似ていたのでしょう)、よい水が出ると評判の湧水がありました。
この湧水が亀ノ井戸(かめのいど)と呼ばれており、やがて亀戸(かめいど)と短く呼ばれるようになったと言われています。
まる URL 2009年01月27日(火)09時20分 編集・削除
去年の夏に福岡の綱敷天満宮で「ウソ」のお守りを買いました。娘が。
一応、菅原道真関連の由緒ある天満宮で「学業のお守り」を買うために行ったのですが、娘の目は「ウソ」に釘付け。笑
大喜びで買って、早速学校のカバンにつけて、速攻で落としました。「お、落ちた・・・」ガックリの娘。
今年の夏、再び買いに行きます。笑