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白蛇伝を借りてきたよ


日本初のカラー長編アニメ『白蛇伝』1958年(昭和三十三年)東映

 「哪吒鬧海(ナージャが海をかきまわす)」をyoutubeで見たら、白蛇伝も見たくなったので借りてきました。戦中の国策映画をのぞくと日本初の長編アニメーションと言えるらしいです。わたしもさすがに現役ではみたことなかったりする若輩者なのですけど(笑)

 ストーリーは中国の伝説で、よくあるタイプの異類求婚譚です。日本で言うと牡丹灯籠みたいな感じでしょうか。許仙(しゅうせん)という若者が、子供の頃にかわいがっていた白い蛇が、美しい娘の姿になって現れ、恋に落ちるというパターン。そこへお邪魔虫の僧侶、法海(ほっかい)が割って入り、蛇の精である白娘を退治しようとします。

 伝説では僧侶が正義の味方で、蛇が退治されて終わるのが普通だそうですが、アニメでは白娘(ぱいにゃん:蛇の精)が人間になり、ハッピーエンドを迎えます。僧侶は完全にお邪魔虫。悪役にすらなれず、お節介野郎的な扱いです。

 アニメ自体はとても美しいんですが、今見ると演出がマッタリしすぎていて、前半は眠いですね。脇役のパンダやキツネが余計な活躍をしすぎて退屈な上に、肝心の、許仙と白娘のからみは足りないし、法海がどうして白娘を遠ざけようとしているのかも、「妖怪だから」という理由以外に大した説明もなく、薄っぺらいお話になってしまっているのが残念、かな。

 ところで、せっかく国産初のカラー長編アニメなのに、どうして中国の伝説を題材にしてしまったのかと思っていたら、東宝が実写でとった白蛇伝風の映画が香港でヒットしたので、香港のほうからアニメでどうかというオファーがあったと、ウィキペディアに書いてありました。

 そんでもって、二作目の『わんぱく王子の大蛇退治』へ続くわけですね。こっちはスサノオのヤマタノオロチ退治が題材ですから日本の伝説です。


以下、詳細なストーリー[
 許仙(しゅうせん)という若者は子供の頃に白い蛇をかわいがっており、大人に気味が悪いからと言われて草原に放しに行きました。時は流れ、白い蛇は美しい娘の姿に変化して、大人になった許仙の前に現れます。恋に落ちるふたり。しかし、ひょんなことから許仙は盗みの罪をきせられ、杭州に追放されてしまいます。

 苦しい生活をする許仙のもとに、法海という僧侶が現れ「おまえは白い蛇にとりつかれておる。いよいよその身が危なくなってきた」と告げます。けれども許仙は、白娘(蛇の化身:ぱいにゃん)を忘れられず、とうとうその居所を探し当て、再会するのでした。

 手をとりあうふたりに、法海が割って入り、とうとう白娘と法海の妖術対決がはじまりました。法海に痛めつけられ、妖術を失った白娘は人の姿をしていられなくなり、せめて美しく去ろうと許仙に崖から身を投げる幻を見せるのでした。それを見た許仙は、白娘の幻を追って崖から落ちて死んでしまいます。

 白娘は竜王にかけあい、自分の命を捨てても許仙を助けてほしいとたのみます。妖精である白娘は、命を捨てることはできませんが、妖術を捨てて人間になるのなら、許仙を救うことができると言われ、許仙の命を持って人間界に戻ります。

 しかし、法海はなおも白娘を遠ざけようとして、妖術で海をかきまわし、白娘が乗った船を沈めようとします。白娘の侍女、小青(しゃおちん)と、仲間の動物たちの活躍で、なんとか許仙に命を吹き込み、法海もまた、ふたりの愛が本物であることを知り、心を改めるのでした。
]


 『わんぱく王子の大蛇退治』もDVDが出てるらしいので、次はそれ行ってみよう!

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  • 2009年08月27日(木)16時10分
  • 日記

コメント一覧

Sari 2009年08月28日(金)03時15分 編集・削除

子供のころ、「白蛇伝」から「わんわん忠臣蔵」まで東映動画は全て映画館で見ました。
「わんぱく王子のおろち退治」「西遊記」「アラビアンナイト・シンドバッドの冒険」「少年猿飛佐助などなど大好きでした。
夏休み・冬休みはディズニーアニメと東映動画ばかり。

ツタヤと図書館になかったので、仕方なくオークションでDVDを手に入れました。

どれもおっとりして動きも美しく、単純なストーリーにしてありましたので、子供にはピッタリでしたよ。

白蛇伝に出てくるパンダ、当時の日本人にとっては未知の動物でした。
黒柳徹子さんくらいしか知らなかったのではないでしょうか。

珍獣ららむ〜 2009年08月28日(金)07時40分 編集・削除

 ああ、なるほど! 昭和33年ですもんね。パンダは謎の生き物だったでしょう。そうなると、見方も変わるんでしょうね。

 思えば昭和は楽しい時代でしたね。突然中国との国交が回復したかと思えば、白と黒の熊みたいな生き物が上野動物園にやってきたりして。あの頃は誰もが「こんな生き物見たことない!」って感じでしたよねー。

 あんな変わった生き物ならば、今はテレビ局が放っておかないから日本にいなくても誰もが知ってそうなのに、ほんとに誰も知らなかったもの。

 エリマキトカゲだってラッコだってウーパールーパーだって(実は図鑑で見てわたしは知ってたけど)、誰も知らない未知の生き物だったしなあ。

 そういう謎の生き物の最後はなんだったろう。個人的には「これ知らない、なんだこの面白い生き物は!」ってなったのは、クリオネ? マメジカやマンクス・ログタン種の羊もマイブームがあったんですが、もはやそんな生き物じゃ誰も騒がなくなってますね。

 日本に来てない例だとバビルサなんかもそうとう未知なんだけどな。上野動物園あたりに入れられないのかしら。激しく見たいわよ。


 いや、それはともかく、「西遊記」「わんわん忠臣蔵」「少年猿飛佐助」とか、懐かしいのでひととおり見たいんですが、ツタヤオンラインで検索したら、店舗にはないって知ってガッカリしてたところなんです。宅配レンタルならあるみたいですが、そういうのメンドクサイから店で借りたいのに。

 実はけっこう新しいのも気になっていて80年の「森は生きている」あたりまでは映画館で見たものも多いんですが、それ以降「金の鳥」とか「白鳥の湖(これは見たかもしれないなあ)」とか、名作ものが何作かあるはずなんです。そういうのはDVDになってなさそうで、ちょっと残念です。

珍獣ららむ〜 2009年08月28日(金)15時45分 編集・削除

 こんなこと書いてたら、「長靴をはいた猫」のお姫様の歌が脳内でエンドレス再生されてるんですが、脳内のお姫様は歌詞をハッキリ歌ってくれないです。

  △△△さま おねがい
  ○○○○○をさがして
  幸せが迷子に
  なっていないかどうか

 △△△さま、のところは、お星さま、お月さま、のどっちかだと思うんだけど、何を探してと言ってるんだろう。西の方を探して、とかそういう感じ? 金町のツタヤにDVDがあるみたいだから借りるべきなんだろうな。

Sari 2009年08月28日(金)17時08分 編集・削除

ウ―パールーパーと言えば、こんな記事がありました。
http://www.j-cast.com/tv/2009/08/26048199.html

珍獣ららむ〜 2009年08月28日(金)17時36分 編集・削除

 うははは、食いますか。そりゃイモリは薬にするし、サンショウウオも中国から食用に持ち込まれたことがあるし、ウーパールーパーだって食えないことはないです罠。


 でも、日本じゃカワイイもののイメージがついちゃうと、あえて食用にするのは難しいでしょうね。個人的にはウシもブタも飼えば可愛くて「食べるなんてとんでもない!」ってなるはずだと思うので、ウパでも美味しければ食いますが何かって感じなんですが(汗)

Goudeau 2009年08月29日(土)16時49分 編集・削除

さすがに公開時に見ちやあゐないけど、33年といへば当時皇太子の今上陛下と民間人正田美智子さんとのご成婚の年。といふわけで、「ヘビと結婚したつて、エエぢやないか」といふアニメがつくられたのかもしれない(?)。東映アニメのなかで、お気に入りは、ヲロチのデザインが秀逸な「わんぱく王子」のほかには、『安寿と厨子王丸』かな。ミカドによつて保たれ、動物たちにまで及んでゐる宇宙秩序みたいなものが、わかりやすく描かれてゐて面白い。自殺した(?)安寿までもが、白鳥にすがたを変へ、それを見上げつつ「ねえさんもあれでしあはせなのかもしれませんネ」といふ結末。原作と違ふ筈だけど、結構納得した。

珍獣ららむ〜 2009年08月30日(日)09時14分 編集・削除

「安寿と厨子王丸」はいいですよねー。
わたしゃ夏休みにテレビでやったのを見ましたよ。
やっぱりひととおり見たいなあ。

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