今回はそれっぽいものを適当に設置し、お蚕さんの好きなところに繭を作ってもらいました。上の写真はきわめて自由な状態で繭になったお蚕どもの夢の跡です。
カイコはものの上ではなく下で繭を作ろうとするみたい。画用紙を折って作ったM字の簇(まぶし)が一番人気で、どいつもこいつも放っておくとここに入ろうとします。
繭を作っているところです。上へも下へも糸を吐いて、絹糸の蚊帳でも張ったような状態にしてから繭を作り始めます。
養蚕農家だと、紙製で碁盤の目のようになった簇を使うんですが……
↑こういうやつね。これはわたしが去年ボール紙で作ったやつです。カイコはこういう小さな区画で繭を作るのが好きらしいんです。
大きさにも工夫が必要です。農家で使う専用品はとても計算されていて、一カ所に二頭入れない絶妙のサイズに決めてあります。もちろん例外もあって、たまに一部屋に同棲したがるカイコもいるのですが、何万匹も飼育して、それがごくわずかにしか発生しないんだから大した物だなあと思います。
大きさに余裕がありすぎると、一カ所で何頭も繭を作り始めます。
こんな風にぎゅーぎゅー詰めになってしまいます。狭いところだと、どうしたって小さな繭になってしまいます。
そこで、こういう紙の容器に一匹ずつ入れちゃう方法もあります。カイコは気に入った場所をみつけるまで歩き回りますが、個室に監禁してしまえばそこで繭を作り始めます。お隣さんに邪魔されたりもせず、けっこういい環境だと思います。
でも、大量に飼う場合はこんなのをいちいち作れませんし、中が見えないので観察用にも向きません。
つくりはじめの繭はまだ薄くてやわらかいですが、中でカイコが糸を吐き続けて二日もすると分厚くなります。簇(まぶし)から取り外すのは繭がしっかり固くなってからがいいです。
今日は昼間出かけてしまうので、明日にでもはずしてみます。