十四 すり流し豆腐 よくすりて葛粉(くつのこ)を混(まぜ)てよくすり味曾汁へすりながす也
豆腐をすりつぶして葛粉を混ぜたものをみそ汁に「すり流すべし」とあります。
しかし、豆腐と葛粉を混ぜただけでは、ボタッと落ちる感じになって、すり流せるほど薄くなりません。
そこで、少し水を足してみました。液体になってしまうと違う気がするので、すり鉢を傾けてもこぼれない程度のペーストにしました。
そうして、おたまですくい、沸騰するみそ汁へ。するとどうでしょう、ペーストは固まらず、散ってしまいました!
想像では豆腐のペーストがふわふわと汁に浮くかと思っていたのに、実際にはこのとおり、完全にとけてしまいました。
果たしてこれが正解でしょうか。それとも葛粉が足りなかったのか。あるいは水でのばしたりせず、ぼとんぼとんと落とすべきだったか……レシピにはすり流すとどうなるか書かれていないので、何が正しいのかわかりません。
味は、意外にも美味しいんです。まあ、豆腐と葛粉ですから不味くなる要素はまったくありませんからね。
汁にごくごくうすーくとろみがついた状態で、細かく砕け散った豆腐がふわっと舞います。油っけを一切使っていないにもかかわらず、鯨汁を連想するような濃厚さがあります。
これは、風邪引いてる時なんかに飲んだら栄養もあるし、温まっていいんじゃないでしょうか。
さて、今回の豆腐料理は、失敗か、成功か、それが問題です。美味しかったので成功ってことでいいですか?
タグ:豆腐百珍