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一般参賀っていうのを見に行った

 おともだちが皇居に一般参賀を見に行こうというので、そういえば行った事ないので見に行くことにしました。毎年正月2日に皇居の長和殿ってところに皇族のかたがたがお出ましになって、庭で待ってる人々に笑顔で手をおふりになるのです。天皇誕生日にもあります。

一般参賀2012
▲当日は警視庁騎馬隊がこんなパフォーマンスなんかしてます。あくまでパフォーマンスです。警備に馬は使ってませんでした。

 皇族方のお出ましは10時、11時、11時50分、13時半、14時20分の5回。わたしたちは11時50分の回をめざして11時には皇居前に到着しました。しかしさすがは一般参賀です。入るのにボディーチェックがあるのです。

 わたしは事前に決まりを読んでいたので、カメラと財布以外は身に付けているものだけといういでたちでしたが、ヌケ作なおともだちがかばんとか持っていやがったので持ち物ありのゲートを通らなければなりませんでした。まあ、かばんのファスナーあけて中を見せるだけですけど。ジュース等の液体は火薬と見分けがつかないので持ち込めないそうです。

 その後にボディーチェックのゲートも通るんです。ポケットの中のものを出して、服の中になにか隠していないかべしべし触られたりするアレです。まあ、これもそれ自体はたいした時間はかかりません。

 しかし、参賀に来る人は数万人単位でいるし、係員の数は限られています。ゲートを通るまでに時間がかかる上に、荷物があると二度ゲートを通るので時間を食うわけです。みなさん、イッパンサンガというものを見る時は、手ぶらで来たほうがよろしいですよ。

一般参賀2012
▲正門石橋から見た正門鉄橋(二重橋)。一般に二重橋というと、手前にかかっている石の眼鏡橋のことだと思ってる人が多いですが、ホントはその奥にかかっている鉄橋のことを二重橋と言うらしいです。なんでも江戸時代までは木造で上下二重に組んであったのでそう呼ばれていたとか。

一般参賀2012
▲ここが二重橋(正門鉄橋)の上です。人いっぱいで橋が見えませんけど。

一般参賀2012
▲これは伏見櫓でしたっけ? 江戸城の名残ですねー。


 そんなこんなで二重橋を渡って長和殿前(宮殿東庭)までたどり着く頃には12時を過ぎていました。がーん、11時50分のお出ましに間に合わなかったー!! これを逃すとお昼が入るので次は13時半です。うわーん。
一般参賀2012
▲長和殿と宮殿東庭

 ここで筋金の入った右系の人だったら不平を言わずに待つんでしょうが、わたしらただのお上りさんなので(って東京に住んでるんですけどね)1時間半はきついと口々に弱音をはきはじめます。しかし、次から次へと人が押し寄せてくるので脱落することすら難しいのです。あとで知ったことですが、この日はのべ 7万人が参賀に来たそうです。ということは、1回のおでましごとに 1万数千人の人々が宮殿東庭にいるわけです。もはやトイレにすら行けません。

 しかし人の生理現象というのはノンストップです。わたしたちは事前にトイレに行ってたので大丈夫でしたが、やっぱり我慢できなくなった人もいるようで、警備の人たちがトランシーバーで「○○方面でトイレを所望する人があり、前から出そうと思いますがどうですか」などと連絡を取りあっていました。皇居で警備に守られながら群衆の前を便所に行くという体験はそうそうできないことです。きっと一生の思い出(トラウマとも言うかも)になることでしょう。

 ところで、一般参賀というのはどのような人が来るのでしょうか。旗を振ってバンザーイなどと叫んでいる様子を見ると、なんとなくそういう人が来るのかなあと思ってしまうわけですが、実際にはごくフツーの人ばっかりです。若い人もいれば、お爺ちゃんお婆ちゃんもいるし、観光バスで乗りつけるツアー客も沢山いるし、意外と海外からの人も多いです。英語も中国語もスペイン語も聞こえてきました。

 フツーの人たちなので1時間半たちっぱなしっていうのはつらいのです。わたしたちは携帯電話をいじったりしてなんとかヒマを潰していましたが、まわりにいたお母さんたちは、誰彼かまわず話しかけてずーっとしゃべりつづけていました。そして二言目には「日本人は我慢強い」と言ってました。我慢強いのでひどい震災があっても慌てないんだと何度も何度も言うのですが、三言目には「あと何十分」と時間を気にしてらっしゃる。そうですね、わかります。1時間半立ちっぱなしでも誰も暴動を起こさない日本人は本当に我慢強い!

 そんなこんなで、あと20分とかになった頃、わたしの前にお姉さんが割り込んできやがりまして、しっかり良い位置に陣取りやがるんですよね。しょうがない人だなあとは思いましたがもちろん黙っていました。ところがこのお姉さん、いざお出ましがあると、大きな声で「天皇陛下ばんざーい」と叫び始めまして……ええ、そういう気持ちがおありになるなら、わたしたちのように2時間半前からボディーチェックに並んでください。我慢強く1時間半立ち続けてください。後から来て割り込んだあげくに万歳とか甘いんだよ!!!と、あやうく後から張り倒しそうになりましたが我慢しました。

 こうして13時30分になりました。天皇皇后両陛下と、皇太子同妃両殿下と、秋篠宮同妃両殿下と、眞子内親王殿下がお出ましになると、みんな手にしていた日の丸の小旗を振って歓声をあげます。そりゃもう、1時間半も立ちっぱなしで待ってたわけですから、特別になんという気持ちがなくたってバンザーイのひとつも出るというものです。
一般参賀2012
一般参賀2012
一般参賀2012
一般参賀2012
▲皇族方のお出まし。お出になる方々は時間によって違うかもしれませんが、11時50分の回には眞子様を含めた七人おいででした。

 あ、そうそう、書きわすれていましたが、一般参賀の写真で群衆が持ってる日の丸の旗ですが、あれは皇居前でボランティアらしき人たちが無料で配っているのです。旗を配ってる人たちはどういう団体なのかちょっとわかりませんが、そろいの帽子をかぶっていて、大人もいたし、子供もいたし、見た感じごく普通の人たちでした。

 旗はプラスチックの棒に紙の日の丸を巻き付けただけのもので、参賀が終わったらそこらにポイッとされてしまいそうなものです。入り口で旗を配ってたのと同じ団体の人たちが出口でも待っていて、持ち帰ってもいいですが、こちらでも回収しますよと、ちゃんとゴミにならないように気を配っていました。

 閑話休題。皇族のかたがたが全員お出ましになると、陛下が何かお言葉をのべられましたが、冒頭でいきなり噛み噛みだったのがお茶目さんでした。一瞬「動画とっとけばよかったかな?」と思ったけどうっかり撮りそびれました。あっちこっちで iPhone の動画撮影開始音がしてたので、きっともう youtube に上がっていることでしょう。

 なお、特別に禁じられている場所でなければ一般の撮影は許可されています。「業として(仕事として)」の撮影は許可が必要ということです。みんな携帯電話やデジカメで撮影しまくってました。

 お出ましは何分くらいあったでしょう。10分くらい? 皇族の方々が退出されるとみんなぞろぞろと出口を目指します。入り口は正門(二重橋)からですが、出口は坂下門、桔梗門、乾門からです。出口付近に売店があり、菊のご紋の最中、タオル、二重橋キティのストラップ、江戸城を造った太田道灌の子孫が作った日本酒などを売ってました。
一般参賀2012
▲これは富士見櫓でしょうか。皇居は広いんです。もとは江戸城内だったはずです。陛下を見に来たのに口から出てくるのは「徳川すげぇ」だったりします。

一般参賀2012
▲坂下門。ここが宮殿東庭から一番近い出口です。人ごみを歩くのが苦にならないなら、乾門まで歩くと楽しいかもしれないですけど、東御苑は普段から入れるらしいので、人の少ない時に見に来るべきでしょうねー。


 こうしてわたしの初一般参賀は終わりました。人大杉で大変なので次があるかどうかわかりませんが、次回もし誰かのつきあいで行くようなことがあったら
・11時50分を目指すなら10時半には現地入りすべき。中央付近のいい場所を取りたいなら10時にはボディーチェックを受けてるくらいの気持ちで。50分をのがすと長いのでつらい!
・持ち物は財布とカメラだけ。飲み物は持たないこと(東庭内に水飲み場はある)。
・トイレは済ませておかないとトラウマ体験をすることになる。
・暇つぶしに iPhone に対戦ゲームなどを入れておくべき。
などに留意したいと思います。

追記

 一般参賀で旗を配っているのは、社団法人国旗協会の、皇居参賀協力委員会という団体だそうです。宮内庁とは無関係の団体で、国旗についての正しい知識の普及と啓蒙などを目的としているそうです。今どき公式サイトすらないのでウィキペディア情報ですが「委員会の構成員は神社本庁や佛所護念会教団などの保守団体」だそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%97%97

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  • 2012年01月03日(火)09時34分
  • 日記

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