御釜神社を参拝したあとは、鹽竈神社(しおがまじんじゃ)にもお参りすることにしました。
鹽竈神社は山の上にありまほす。土地勘がないので、いつも駅のほうから坂道を上ってお参りしてました。でも、本当は山の南側にものすごい階段があって、そこが本来の参道っぽいです。
▲これがすごい階段。いつかこれも攻略せねばなるまい。
でも、この石段ですら鹽竈神社の歴史の中では新しいものなんです。本当に古くからある本来の参道は七曲坂(ななまがりざか)といって、山肌を削って作った坂道です。
七曲坂は鹽竈神社にまつられているシオツチノオジ神が通った道だと言い伝えられています。そして、坂の下には神様が休んだとされる「おこしかけの石」があります。
▲猿田彦の石碑の足下に見えている、なんのへんてつもない石が「おこしかけの石」だそうです。
江戸時代の古文書にも「影向石(ようこうせき)」や「神憩石(しんけいせき)」という名前で出てくるそうです。
ただ、一説によると、写真の石ではなく、もっと巨大な石がこのあたりに埋まっているとも言い伝えられており、真実は謎の中にあるようです。
影向石といえば江戸川区小岩のお寺にも同じ名前の石があります。
◎影向の石〜伝説の宝庫、善養寺(江戸川区)
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=1238
詳しくはこちらをどうぞ。写真もあります。寺に入った泥棒が、この石に足をのせたところ金縛りにあい、そこへご本尊様の不動明王が現れて、泥棒を改心させたという伝説です。
塩釜の影向石は、江戸川区にあるやつと、大きさといい、形といい、とてもよく似ています。どこの伝説がオリジナルかわかりませんが、江戸時代にこの手の話が流行ったのかもしれません。
おこしかけの石を見たあとは七曲坂をのぼりましょう。石がある公園の裏手に入り口があります。
▲これが七曲坂だ!
七曲坂はナントカ古道と呼ばれる道のように舗装もなにもされていない昔の道でした。路面は平らではないので歩きにくく、この先もっと険しくなったらどうしようと、少しドキドキしました。坂道は上りより下りが恐いんです。
でも、先に登っていったカップルを見るとお姉さんはサンダル履きだったので、まあ大丈夫だろうと先に進むことにしました。
少し登っていくと、道が突き当たり、折れ曲がって登っていく道が続いていました。それを何度も繰り返して登っていきます。なるほど、七曲の坂とは良く言ったものです。
▲坂の途中に穴があって、中に水が湧いていました。坂の下にあった案内板に「金花水(きんかすい)と呼ばれる湧き水があって、かつては参拝者の喉を潤していた」と書いてありました。これがその泉でしょうか?
ずいぶん登りました。曲がり角がいくつあったかは数えそびれました。だいぶ息が切れた頃にてっぺんに到着。たどりついてしまえばそれほど険しい道でもなかったと思います。
▲上から見下ろして撮影。どっちが上なんだかわからない写真になってしまいました。
見下ろすと下には現代の街並みが見えるわけですが、坂道だけは時が止まったように昔のままです。あたりの森からはウグイスの声が響きます。とても良い道でした。
▲鹽竈神社のウグイスの鳴き声です。残念なことに後を走る車の音を拾ってしまい後半が騒がしい感じになってしまいました。県道3号から鹽竈神社の方角を見上げて撮影しました。この森の中に七曲坂が通っています。
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