長野旅行の続きです。小諸方面とか言いつつ、どうもわたしが行った場所は東御市ってところらしいです。高速の小諸インターから近いので、小諸市内だと思いこんでました。
で、前の記事に書いた為右衛門蕎麦の草笛は、東御市ってところにある「信州そば処ふるさとの草笛」なんですが、その隣に蜂天国というのがあります。
▲蜂天国
名前を見ると、蜂専門の昆虫園かなにかのようですが、ちょっと違うんです。ここにあるのはキイロスズメバチの巣を連結させて造ったオブジェです。
▲館内の撮影が許可されてるかわからなかったのでパンフレットを写しました。
縮小された写真だと雷おこしか何かのように見えますが、この富士山やスペースシャトルは、キイロスズメバチの巣を何十個もつなげて作ったオブジェで、全長何メートルにもなる大作です。
展示はオブジェばっかりです。スペースシャトルみたいな大作だけでなく、大黒様の頭の上にくっつけてみた蜂の巣、犬小屋の中に作らせてみた蜂の巣など、数限りない謎のオブジェが展示されています。一歩間違うと秘宝館になりそうなテイストです。
でも、よく考えるとやってることはすごいんですよ。だって、誰が複数の蜂の巣を連結させてみようなんて考えるでしょう。種類によって混ぜても大丈夫だとか、そんなこと思ってもみないじゃないですか。
▲オブジェ製作風景です。逆光とガラス越しの写真でわかりにくいんですけど、木彫りの龍かなにかを逆さに吊って、キイロスズメバチの巣をぶらさげてあります。巣は下にむかって大きくなるのでこういう製作風景になるらしいです。
キイロスズメバチは不思議な性質を持っています。オオスズメバチにしても、コガタスズメバチにしても、ほかの巣をもってきて近くに置いたら同種でも殺し合ってしまいます。
ところがキイロスズメバチだけは、同じキイロ同士ならば共同して仕事を始めるんだそうです。
蜂天国のオーナーはスズメバチの巣を駆除する仕事をしています。キイロスズメバチの不思議なその性質を知り「凶暴なだけの害虫じゃない、すぐれた建築家」としてのスズメバチの魅力に魅せられてオブジェを作りつづけているそうです。
▲館内にはこんな写真もありました(これもパンフレットから写しました)。オーナーが体に蜜を塗ってスズメバチになめさせているところです。蜜蜂でこれをやる人はいますが、スズメバチとなるとこの人だけでしょうね?!
体にとまらせるところまではいいとして、おっぱらう時に刺されやしないかとハラハラしますが、そこにもオーナー独自のノウハウがあります。水でもお湯でもない、ぬるま湯を上からそーっとかけることでハチを刺激しないで追い払えるんだそうです。
もちろん安全対策をした上での実験です。オーナーの奥さんが看護師で、医師にも付き添ってもらったからできたこと。受け付けのお姉さんが「オーナーも『若いからできたことだね』と言ってましたよ」と笑っていました。
◎蜂天国
http://hatitengoku.okoshi-yasu.com/