東日本大震災による津波にあい、長いこと閉館していた石ノ森萬画館(宮城県石巻市)が2012年11月17日に再開するという知らせをうけ、珍獣の館取材班(わたししかいないんだけどさ)は石巻にすっとんでいったのであります。
すっかりきれいになった萬画館です。石ノ森キャラのコインロッカーもあるし、すっかり元通りです。あ、ロボコンとガンツ先生が増えてますね! テープカット用のテープも用意されています。
この日はあいにくの小雨まじりでしたが、会場には地元だけでなく遠くからのお客さんもたーくさんいました。みんな常連さんらしく、いついつのイベントにも来たんだよと口々に話しています。
みんなこの日をずーっと待っていたので喜びも期待もひとしおです。決定的瞬間をひと目でも見ようと、何時間も前から待ってる人がけっこういたみたいです。
ところがここで問題発生。会場整理がひどかった。館の前に広場のような場所があるのですが、先に来た人から奥に行けっていわれるんです。とくに最後尾とかなくて、とにかく広場で待っててくださいって。
正直そんな指示に従う人とかいないですよ。だってほら、目の前にはテープが用意されてるわけで、こっちでイベントがあるのかなあって思うから、先に来た人から広場の入り口が埋まっちゃうわけ。奥はあいてるのに後から来た人は通れないでしょ。だから道にひろがって人だかりができちゃう。奥へ行ってくださーい、通れないよー、みたいなダラッとした感じになってました。これ東京だったらたぶんパニックになるわね。
そうこうしているうちに開会式が始まったんですが、あれ? イベントはテープのあるところでするんじゃないの? えー、なにそれ、あっちのテントの中ぁ? こっからじゃ見えないじゃない、ぶーぶー!!
市長さんとか、俳優の小野寺丈さん(石ノ森先生の長男)とか、漫画家の里中満智子先生とかが挨拶してるのは聞こえるんですが、ぜんぜん見えない。わたしたちは牡蠣食べたあとにダラッと来たので別にいいんですが、早くから来てた人は完全に貧乏くじ。なにこの仕打ち。仮面ライダーGIRLS とかいう地元アイドル歌手のみなさんの歌とか始まっても「誰それ?」みたいな感じでしたわ。
来賓のみなさんの挨拶が終わると仮面ライダーをはじめとする石ノ森ヒーローのみなさんが登場しました。これには待っていたみなさんが一気に色めき立って、広場から一斉にダッシュですよ。あー、いわんこっちゃない、パニックだー。
幸いなことに大勢といってもそれほどでもなかったようで大事にはいたらなかったのですが、もう秩序とかどっかいっちゃってましたね。初代だー、フォーゼだー、俺あの新しいの知らないよ、うわー、おいロボコンだぞ、ロボコーン!!ってなもんですよ。
そんでもって来賓のみなさんが館の入り口に移動して、ついにテープカットの瞬間がやってくるんですが、ここからがまた大変だった。もはや秩序のちの字もなくなっているから、みなさん携帯電話を片手に前へ前へと押し寄せてきます。
ここでパニックになったのは新聞だか雑誌だかの記者だか何だかの人。押し寄せてきた一般客に「自分たちは正式に許可をえて取材してんだぞ、文句あるなら係員に言え」とか当たり散らして追い返そうとしやがるんですよ。
おしのけられた親子連れ大激怒。「帰れっていうんですか、見るなっていうんですか!!」そうですよねえ、取材陣の都合とか知りませんよ。みんな待ってたんだもんこの瞬間を。だいたい、文句があるんなら取材班の方で係員に抗議したらいいんじゃないですかね。約束と違う状態になってるのは一般客のせいじゃないと思うんだけど?
っていうか、フツーこうなっちゃったらこの混乱と熱気を取材するでしょ。世の中の人たちが見たいのって整然と並んでテープカットしてる来賓のみなさんなのかどうか。
んで、わたしは人垣の間からテープカットの瞬間を iPhone5 で華麗に撮影ですよ。あーた、人の頭が写ってるくらいが臨場感あっていいんじゃございませんこと。
ちょいと振り向けばエアバズーカドーンですよ。舞い散るテープなんかも華麗に撮影ですわ。
石ノ森キャラのカラクリ時計も完全復活です。いやあ、めでたいめでたい、わっはっはっは。
この日は館内が無料開放されたので、みんなどどーっと入り口に押し寄せて、まあ大変なこと。良かったですよ怪我人や死人が出なくて。東京だったらこんな会場整理してたら事件になりますって。のんびりしてるなあ。
で、行列して中に入ってみたら、なんかみんな、館内より入り口のショップに行列できてました。ええええ、限定品目当てかい!
そんなこんなで、大勢人がいたわりに余裕を持って館内をまわれました。津波は二階まであがってこなかったそうで、中はもとのままでしたよ。
写真があるので次の記事に続きます。
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