古文書解読能力アップ、ひとりキャンペーン中で、『養蚕重寳記(養蚕重宝記)』を読んでいます。
前回はまったくツッコミが入りませんでしたが、こういうのは協力をお願いした時には誰も相手にしてくれず、書いた本人が忘れた頃に教えてくれる人が現れたりするので公開だけはしておきます。
いやほんと、珍獣様はレベル低いのでこういうの得意な人は間違いを正したり読めてないとこ教えてくれたりしちゃってください。おねがいします。
URLは説明がないかぎり早稲田大学の古典籍データベースへのリンクです。原典を画像で見ることができます。
「・」にしてある部分はまるで読めなかったところなので特に見てくださると嬉しいです。
目次
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0004.jpg
一 上々の種吉凶を知る事 二丁
一 種目方 并あたへ桑多少の事 三丁
一 中種かひ方の事 同丁
一 上種かひ方の事 同丁
一 極上々種かひ方の事 四丁
一 下種かひ方の事 同丁
一 蚕はき立の事 同丁
一 蚕はき立次第の事 五丁
一 蚕はき立二度休の事 六丁
一 同二度休より吉凶を知る事 同丁
一 蚕六七分の当りにて吉凶を知る事 七丁
一 蚕ちぢれ次第の事 同丁
一 蚕死ぐもりの事 同丁
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0005.jpg
一 同四度の休の事 八丁
一 庭休より吉凶を知る事 同丁
一 四度の休より上々蚕桑付の事 同丁
一 蚕七八分あたりの事 九丁
一 蚕十分あたりの事 同丁
一 蚕間どり置場傳授の事 十丁
一 居宅方角の図の事 同丁
一 傳授ゆるしの事 十一丁
一 種かひとりかこひやうの事 同丁
一 蚕はき立時候の事 十二丁
一 種はきおろしの事 同丁
一 弐番休の事 十三丁
一 桑くれやう 并桑付かごわりの事 同丁
一 休に桑とめの事 同丁
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一 蚕をき中桑入れる事 同丁
一 蚕八九分へりをきこしりを・事 十四丁
一 桑昼夜くれ方 并二ツ休かごわり
桑とめ桑付の事 同丁
一 桑付・舟休かごわりの事 同丁
一 舟休庭やすみかごわりの事 十五丁
一 庭休桑付次第の事 十六丁
一 庭をき桑くれやう 并あがりかごわりの事 十七丁
いろいろ説明
ただの目次なのでスイスイ読めるかと思いきや、本文と見比べないと意味がわからない部分もあるし、養蚕用語を知らないと読み違えそうな部分が多々あり、かなり苦戦しました。
これに関しては、
http://www.jpware.com.hk/auctionInfo.php?id=f101142135
↑こちらに同じ本の目次を書き出したものを見つけました(ってこれわたしがtwitterでフォローしてる方が書いたものかな…汗)。見比べると随分ちがってて自信を失いそうになるのですが、
たとえば繰り返し出てくるこの文字列
どう見ても「かえ方之」にしか見えないのですが、この部分の本文を読むと「かひ方」または「かい方」とはっきり書いてあるので、「え」に見える文字は「飛(ひ)」のくずし字だろうと判断しました。
こっちは「かえ方」の本文から抜き出したものです。「かひ方(可比方)」か「かい方(可以方)」だと思いますが、正しい仮名遣いでは「かひ方」でしょうから、目次も「かひ方(か飛方)」だろうと判断したわけです。
これも読みに悩むところですけど、お蚕の四眠のことだと判断して「庭休より吉凶を知る事」としました。
その他、養蚕用語を知らないと読みにくい箇所で解釈の違いが出そうな気がします。ほかの方が解読したものと比べてみるのは勉強になるので良い経験でした。
用語
并:併記の併と同義。意味は「並びに」
はきたて(は記立)→掃き立て:孵化したお蚕を桑に移してやること、つまり蚕を飼い始めること。
桑くれ:お蚕に桑をやること、餌やり。
舟休:お蚕の三眠のこと。
庭休:蚕の四眠のこと。産休という文字に酷似してる。
# 獅子休(一眠)、鷹休・竹休(二眠)という言葉もあるがここには出てこない。
をき:起きること、眠(休み)から目覚めること、眠明け。
こしり:蚕尻という字をあてて、お蚕の糞のことを言う。食い残しの桑のことなども言うかもしれない。「ごしり」とも。
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