▲10日、アリオ亀有前にて。
雲の切れ目から幾筋もの太陽光線が地上にふりそそぐ様子をなんというか。
英語圏ではこれを Jacob's Ladder(ヤコブの梯子)というのだと聞いた事があります。
『創世記』でヤコブがベエル・シェバというところで妻をめとり、ハランへ向かう途中、石を枕に野宿をしていると霊的な夢を見ます。
Kaj li sonĝis: jen ŝtuparo staras sur la tero, kaj ĝia supro atingas la ĉielon, kaj jen anĝeloj de Dio iras sur ĝi supren kaj malsupren.
普通の人には珍しいでしょうからザメンホフが原典から訳したエスペラント聖書 "La Sankta Biblio" から引用してみました。
直訳すると「そして彼は夢を見た:見よ大地に梯子(はしご)が立っている、そしてその頂は天にとどいている、さらに見るがいい神の使いたちがそれをつたい上へ下へと行くのを」という感じです。創世記 28:12
そのあとヤコブは神から子孫繁栄を約束されたりするみたいですが今回それはこっちへおいといて、梯子ですよ梯子。
雲間から地上へと太陽光線が柱のようにさして見えるのを、創世記のお話になぞらえて、英語圏ではヤコブの梯子というんだと聞いてたわけです。日本語で「ヤコブの梯子」を画像検索すると、最初に貼った写真のような光学現象の写真ばっかりヒットします。
日本でこれだけヒットするなら、英語圏ではもっとすごい光学現象の写真が見られるんじゃないかと思い、Jacob's Ladder で検索してみると、これがそうでもないのでビックリです。
聖書物語の挿し絵みたいなものを除くと、日本語で板返しとか呼ばれている玩具の写真とか、あやとりの四団梯子とか、延々と梯子のぼりをするためのエクササイズ器具、アーク放電の実験、編み物やパッチワークのパターンなど、そんなのばっかりヒットして、太陽光線が地上に降り注いでる光学現象の写真はちょっぴりしか出てこないんです。
じゃあ、太陽光線が(以下ry の写真を見たくなったらどうすればいいかっていうと、crepuscular rays(薄明光線)とか Tyndall efect(ティンダル現象)とかで検索するといいみたい。後者はこの現象を研究した人の名前に因んでいて、日本語だとチンダルと綴られることも多いです。*1
宮沢賢治の『告別』という詩に「ちからのかぎり/そらいっぱいの/光でできたパイプオルガンを弾くがいい」というのがありますが、光のパイプオルガンというのがチンダル現象のことなんじゃないかと良くいわれています。
わたしはこの、光のパイプオルガンを日本式の呼び方として普及させたら素敵なんじゃないのかって思うんですけどね。
*1:チンダル現象は必ずしも空・雲・太陽光の条件でのみ起こるわけではありませんが、難しいことはよくわからないのでウィキペディアでも読んでください
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