大掃除で出てきた昔の雑誌から、おりがみの連載を紹介します。
1974年の『幼稚園』から「母と子の折り紙」
吉沢章さんという、おりがみ界では有名な先生が自作を紹介するコーナーだったようです。
二色刷りの見開きで、右ページ上段に完成品の写真、下段に先生の解説、左ページに折り図という構成になっています。
『よいこ』は幼稚園に上がる前くらいの幼児向けの雑誌ですが、このコーナーは主にお母さん向けだったみたいですね。紹介されている作品は、お母さんが手伝ったとしても幼児が折るには少し難しい気がします。
わたしも折ってみました。
ゆきだるま 『よいこ』1974年1月号
裏の白い紙を使って雪を表現し、目と口に表の色を出す手法ですね。足を裏側に折り返してあるので自立します。頭と体の間のくびれを作る手法が大人でも慣れないと戸惑いそうです。
完成品の写真で雪だるまと一緒に写っている子供の折り方は6月号(1973年?)に出ていると書いてありました。
おひなさま 『よいこ』1974年3月号
あやめの基本形の一歩手前みたいなところから折るものです。自立はしません。
最後に表側の紙をちょっと折り返すと、下の紙が袴(はかま)をはいて座っている足になるところが素敵です。
勺や扇を持たせたらもっと表情が出そう。女びなには髪の毛を書き加えたいですね。
吉沢先生は2005年に亡くなられた方ですが、有名な先生でおりがみ関係の著書もあります。古い本が多いので、図書館で探すのがいいでしょう。まだ確認はしていませんが、ここに紹介した作品も、著書のどれかに載っている可能性があります。
国際折り紙研究会会長 吉沢章
作者紹介
1911年 栃木県生まれ。幼少のころより折り紙に興味を持ち、多くの創作折り紙を発表。
1955年 オランダにて個展を開く。
1957年 国際折り紙研究会を創設。
1966年、1972年 外務省より世界各国に派遣され国際親善につくし、世界じゅうにファンをつくる。
1963年 毎日出版文化賞受賞。
1972年 モービル児童文化賞を受賞。
一方同じ時代の『幼稚園』は「折り紙童謡シリーズ」
▲小学館『幼稚園』1974年6月号
見開きで、右ページが一色刷りの折り図、左ページがカラーで、上段にイラストと折り紙の完成品、童謡が掲載されています。下段は銀行の広告。6月号で2回目なので、毎号載らなかった可能性はあります。
折り紙の指導は現在も活躍中の笠原邦彦さんです。創作とは書いてないので、紹介されている作品が笠原さんのかどうかはちょっとわかりませんが、とくに作者もかかれていないので、笠原さんの自作かなと思います。手元にこの号しかないので、いつも笠原さんの指導だったかは未確認です。
左ページの童謡は吉丸一昌さん…って「早春賦」の作詞をした人ですね。その人の「おたまじゃくし」という詞です。
わたしは不勉強で知らない歌でしたが、梁田貞さんが曲もつけてるそうです。こちらは「どんぐりころころ」や「城ケ島の雨」で有名な作曲家です。