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#映画 サンリオの『くるみ割り人形』79年版と2014年版

 先日、サンリオの『くるみ割り人形』の2014年版を見に行ったとツイートしたら、お気に入りに入れたりリツイートしてくれる人が少しいたので、さまざま心にひっかかることがあるんだろうなと想像します。

 まず、この映画は、1979年版がオリジナルです。この時代なので当然 CG ではなく人形アニメでした。ちょっとずつ動かしてコマ撮りしたものを、つなげて動画にしたものです。

 2014年版は、その人形アニメを再編集して、ノイズをとったり、色を修正したりして、一部新しいアニメーションなんかもて、作り直したものだそうです。なので2014年版もちゃんと人形アニメですよ。

 では、どのくらい作り直されているでしょうか。

 まず、ストーリーはほとんど同じと考えていいです。結末が違うとかはないです。

 ただ79年版には冗長なシーンがけっこうあります。たとえば、実写でクラシックバレーの一場面がかなりの時間挿入されたりするんですけど、2014年版ではここを削除して、かわりに蝶や花のアニメーションが入ってたと思います。

 それと、79年版にはネズミにされた姫の呪いをとくために、各界の名士が集まって会議をするシーンがあります。ここもかなり長いです。当時の有名タレントが声優をやっていて、大橋巨泉が11PMのオープニング曲にあわせてしゃべってたり、牧伸二がウクレレかきならしたり、玉置宏が「一週間のご無沙汰でした」と言ったりしてます(笑)そんなモブみたいな役まで特別出演で固めてるので、かなり豪華な作りと言えますが、ぶっちゃけただのギャグシーンなので2014年版ではザックリ削除されてました。

 このシーンが削除されちゃってるせいで、姫の呪いが解けた直後に、もう世界中からお祝いの人たちが駆けつけてパーティーやってるみたいになっちゃってるんですけど、実はあの人たちは呪いを解く方法を考えるために招かれていた人たちなんです。

 また、アフレコは全部やりなおされています。声優さんも当時とまったく違う人ですね。79年版のクララは杉田かおるでした。今やあばずれオバサンになってしまった杉田かおるですが、当時はまだかわいらしいんですよ。表面上は(笑)

 音楽もまるっと作り直されてます。79年版は羽田健太郎が音楽を書いてて、もんのすごく昭和テイストです。途中に今聞くとこっぱずかしいポップス調の挿入歌が入ってたりもします。

 たいていの場合、リメイクだのリクリエイトだのは「オリジナルのほうがずっといい」って言いたくなるんですが、この作品の場合、おおむね悪くはないです。いや、かなりいいかもしれない。

 でも、わたしとしてはどーーーしても気に入らないのが色を修正しすぎてる事!
ファイル 1850-1.png
▲1979年版 手持ちのDVDよりキャプチャして引用(懐かしさのあまり買ってしまったんですよ。当時のフィルムをHDリマスターしたものだそうです)

ファイル 1850-2.png
▲2014年版 公式サイトの動画からキャプチャして引用
http://kurumiwari-movie.com/

 同じ場面を切り取ってみました。いくら引用のレベルといっても映像作品だと著作権的にこんなことしちゃまずいような気がします。わたしの共犯者になりたくないなら転載は絶対しないでください。また、サンリオ様から削除の要請があれば応じるつもりですのでいつでもお叱りください。

 それはともかく、こんなに違うんです。修正というよりケバく塗った感じなんですよ。そのせいか、ちょうどこのシーンのようにクララが大きな口をあけて驚いてる場面なんか、自分には下品に見えてしまって「あれ、こんなだっけ??」と不完全燃焼。

 2014年版を映画館で見てから、注文した79年版のDVDを見直して。やっぱ昔のクララのほうが可愛いよなって安心しました(笑)

 ただ、わたしは79年版を映画館で見てないんですけどね。サンリオのアニメ映画は田舎の映画館には来ないので、上映後何年かたってから群馬テレビでやってるのに気付いて見ました。

 2014年版は11月封切りだったのでもう上映が終わってる館が多いでしょうが、そのうちDVDが出るでしょうし、昔懐かしい人とか、古典作品として名前だけ知ってる人とか、ぜひチェックしてみてください。人形アニメとしての出来はかなり良いです。

 今はこんな長編人形アニメは作るお金も時間もないんだろうなと思うと、ちょっぴりセンチな気分になってしまうのでした。


▲1979年作品のHDリマスター版です(DVD)。リンク先は Joshin web CD/DVD楽天市場店 です。わたしもここで買いましたが送料無料で税込み1555円です。


▲同じく1979年作品のHDリマスター版でブルーレイディスク。リンク先も同じ。送料無料税込み2592円。


2014年版は映画館でどうぞ
◎くるみ割り人形 2014年版の公式サイト
http://kurumiwari-movie.com/

http://kurumiwari-movie.com/theater/index.html
 ここに上映館のリストがありますが、数は少なくなってるけどやってないこともないです。

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  • 2014年12月17日(水)15時24分
  • 日記

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