▲玄恵井の碑の存在を知らせる看板
環七沿いを歩いていると、香取神社の塀越しにこんな看板があります。昔、亀有には良い井戸がなく、水は砂こしをしないと飲めませんでした。そこで、幕府の鳥見役(鷹場の管理をする人)だった水谷又助という人が上司に願い出て、山崎玄恵という老人の指示で鳥見屋敷内に清水の湧く井戸を掘り当てたと書いてあります。そのことを記念した石碑が残っており、葛飾区指定の有形文化財になっているというわけです。
ところが、この看板がある位置には肝心の石碑がありません。それに、鳥見屋敷というのも気になります。この看板によると亀有二丁目に現存していて、今でも井戸からは清水が湧くというじゃありませんか。
気になるので、神社の社務所で聞いてみました。
▲これが玄恵井之碑の実物
まず、石碑は看板の場所ではなく、社務所の横にある小さな木戸をあけて入った場所にあるそうです。鍵はかかっていないのでご自由にどうぞ、と快くおっしゃってくださったので見に行きました。上のしゃしんのような石に、井戸を掘り当てた経緯などが刻まれているのですが、変体仮名まじりの草書体で、わたくしには読めませんでした……orz 大まかな内容は、通り沿いにあった看板に書かれているようなことだと思います。
▲玄恵井之碑
次に、鳥見屋敷の井戸というのは現存するのか、またどこにあるのか、ですが、これが驚いたことに、今でもちゃんと存在してるっていうんですよ。
鳥見屋敷自体は個人の(おそらくは水谷又助さんの御子孫の)もちもので、今でも人が住んでいるそうです。井戸は台所の床下にあって、なんとつい最近まで家の方が煮炊きに使っていたそうです。近年になって水質の問題で使われなくなったそうですが、史跡なので埋めてしまうわけにもいかず、家に湿気が籠もるので家の方が困っているということでした。住んでいる方にとってはお荷物なのかもしれないけれど、都内で井戸水を使えるのはうらやましいです。飲めなくてもすいかを冷やしたり行水ぐらいできそうです!
個人宅の家の中にあるということで、井戸は一般公開していないそうですが、確かに現存するということでした。正確な場所は、調べればわかると神社の方がおっしゃってましたが、あまり教えたくはなさそうだったので聞かずにおくことにしました。
そういうわけで、亀有にはまだ江戸時代に掘られた井戸が現存しているらしいですよ。
亀有香取神社・玄恵井の碑の場所
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◎亀有香取神社の公式サイト
http://kameari-katorijinja.com/
おまけ
▲香取神社の狛犬(吽形)。ここの狛犬さん、ウンじゃなくてイーって言ってるみたい。
▲香取神社の狛犬(阿形)。子どもをつれてるほうを雌だとする説もあって、わたしも信じてたんですが、最近そうでもないような気がしてきました。