秋のお蚕さんは最初に上簇したグループが繭を作り始めてから一週間くらいたつので繭かきをしました。今回は成長にばらつきがあり、最後に上がった蚕の繭はちょっと早いかもしれないけれど、羽化が始まってからでは遅いので仕方がありません。少し気を利かせて簇を分ければよかった。そうすれば繭かきの時期をずらせたのに。
▲今回はたくさんいるのでこんな簇を作りました。区画簇をミカン箱にはめてマンションのようにしたものです。名付けてヒルズ簇(ひるずぞく)。かなり寒い。
3cm x 5cm の区画を、10段 x 7列作ると、普通のサイズのミカン箱にだいたいはまります。ミカン箱は、蒸れると病気が出るかも知れないので底に穴をあけてありますが、お蚕が脱走するので紙で軽くふさいであります。真夏だったら壁にも穴をあけたほうがいいかもしれません。
奥の簇からずぅになったお蚕をたけていき、適当な数になったら手前に簇をはめて、また蚕をたけて……と繰り返して箱いっぱいになりました。
▲ほとんどの蚕が繭になった状態です。どうしても上の方で繭になろうとするので、途中で一度、天地を逆さまにしました。
きれいに区画に入ってほしかったのですが、簇と簇のあいだや、壁との隙間で繭になったお蚕もたくさんいます。回転簇のようにはうまくいきませんでした。
▲箱から出してみました。ずぅになってからもしばらくは固形の糞をするので糞まみれですが、けば取りをすればきれいになると思います。農家ではどうしてるんだろう。特に気にしていないのか、あるいは大半の蚕がずぅになるのを待つあいだに、あらかた糞出しされてしまうのでしょうか。わたしの養蚕知識は幼児期に見て覚えた記憶がほとんどなので細かいノウハウはさっぱりわかりません。
▲簇から抜き取った繭です。まだけばに包まれています。
簇から繭を抜くことを繭かきといいます。祖母の家では簇を木枠にはめて、木製の櫛のようなもので上からザクッと押し出していました。区画と同じサイズの太い歯のついた櫛です。道具の名前はよくわかりません。何回かやらせてもらった記憶があります。楽しい作業です。またやってみたいなあ。
わたしの蚕は 200頭しかいないので繭かきは手作業です。繭はけば(粗い糸)で簇にしっかり固定されているのでけっこう大変です。大した力はいらないけれど、糸が絡むわ糞は散らかるわ……晴れていたら写真うつりも考えて外でやろうと思いましたが午後から雨がふりはじめたので部屋の中でやりました。
このあとけば取りをします。農家で盛大にやる時は機械があるらしいんですけど、わたしは手作業です。
けば取りをしながら数を数えました。今日かいた繭は 182個です。極端に成長の遅いグループが七頭ばかり営繭中です。全部は繭にならないでしょう。収穫は185個くらいかな。190個は行くと思っていたので、ちょっと少ないですね。目で見て死んだのを確認できた蚕が六頭くらいいたはずです。残りはどこへ行ってしまったんでしょう。
孵化できずに卵の状態で死んだのがいたかもしれません。それと、もしかすると簇から脱走したのがそこらで繭になってるかもしれませんが……(汗)
次の課題は、雌雄の見分け。うまく見分けがついたら交尾させて卵を取りたいと思います。明日以降につづく。