今年の3月に青春18きっぷで仙台に行き、青葉城の城跡をおとずれました。ここは山の上にあります。正宗公の像がある広場であたりを見回すと、遠くに観音様が見えました。
青葉城址には20年くらい前にも来たことがあるのですが、観音様なんかあったっけなと首をひねりつつ、そのときはなんとも思わなかったのです。
ところが翌朝、ホテルの窓から外を見たら大きな虹がかかっていて、その下に、昨日見た観音様が立ってらっしゃるのですよね。
えー、なんですかそれ。見に来いとおっしゃる?
携帯で検索したりして、場所などは確認できました。建立されたのは1991年?! 新しいなそれは。わたしが前に来たのは1989年だと思うので、建立前だったのか。
つまりアレですよ。世間で問題になっているバブル観音なのです。バブル期に一儲けした地元の富豪が突然発心して、あるいはきわめてビジネスライクに観光目的で作った観音様です。
場所は、公式サイトには車で行くことを想定した説明しかありませんでした。どうも、バスなどまったくないようなのです。どういうこと?
わたしは群馬育ちで、高崎の白衣大観音にとてもなじみがあります。高崎の観音様はバブル観音ではありません。昭和初期の建立で、地元では小学生が遠足で必ず来るようなところです。高崎駅からバスが出ているし、誰でも思いついたらお参りに行けるのです。
ところが、仙台大観音には車がないと近づけそうもありません。ちょっと信じがたいことです。仏作って魂入れずという言葉がありますが、礼拝する対象を作っておきながら、そこへ至る手段は存在しないのです*1。
調べているうちにクラクラしてきました。これはやっぱり、行くしかないかも!
ちょうどその日は車で来るともだちと合流して米沢方面へ行くことになっていました。事情を話したら途中で寄ってくれるということなので、地図を頼りに向かってみました。
ところが、近くまで来てるはずなのに看板ひとつありません。これも信じられない。あれだけ大きな観音様です。たとえそこに信仰心がないとしても、観光で食べて行こうと思うのなら、主要な街道の要所要所に「大観音500メートル先右折」とか看板のひとつも出すものです。
不安になってきたのでコンビニで道を聞いたら「観音様? そういえばありますね……ええと、どうやって行くんだろう」と、何か冷めた反応です。高崎で観音様の場所を聞いたら、その人は説明できなくたって、もっと明るい反応が返ってくるぞ(たぶん)。
結局、途中のカー用品屋さんで道を聞いてやっとたどり着いた時には17時ちょっと前でした。観音様にだいぶ近づいたところに看板がありましたが、観音様の看板じゃなくて「ジャスコ、大観音近く」とかだったと思うんです。もう、何それ、やる気あるの?
観音様のまわりは、ジャスコやヤマダ電器が立ち並ぶ街道ビジネスの拠点みたいなところです。そういう意味では賑やかなんですが、観音様の足下まで来たら、しーんと静まりかえって、だっっっれもいないんです。
やけに白くててかてかした観音様です。胎内巡りができるそうですが、入り口は派手な竜の形……うーん、どこの組の方がデザインなさったのでしょうか(汗)
入り口へ回って見ると、営業が16時半だかに終わっていて、扉がしっかり閉ざされていました。終わったばかりというような雰囲気もなく、あたかも廃墟のようにしっかり終わってまして……えー、空に虹までかけて呼び出しておいて(思いこみ)この仕打ちは手痛いなー。
いちいち高崎の観音様と比較して申し訳ないんですが、高崎の観音様は終わってる時間に行ってもまわりに人がけっこういたりして、入り口の人が「ぎりぎりだけど、まだいいよ」って入れてくれたりするんですよ。
二日前に大雪が降った仙台はけっこう寒かったです。寒風吹きすさぶ観音の足下で「もう来ないかもしれないけど、お導きは開いてる時間にたどり着くようにお願いします」とお祈りして、近くのマクドナルドでハンバーガーを食べました(怒)
仙台大観音(ウィキペディア情報含む)
建立 1991年
高さ 100m
住所 宮城県仙台市泉区実沢字中山南31番地の36
◎公式サイト
http://www.daikannon.com/index.html
*1:ウィキペディア情報によれば仙台駅からバスがあるとのこと。サイトに書いてなきゃわからんつーの