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世界平和大観音(淡路島)

 バブル期に作られた観光観音をめぐる旅の三回目です。実は、テレビのニュースで「放置されている観音様がある」と言っていたのは淡路島の世界平和大観音のことなんです。

 なんでも、地元の実業家が私財をなげうって作ったものの、老朽化が激しく、いつ倒壊してもおかしくないとのこと。ところが経営難で修復工事もできず、2006年に閉鎖されてからは持ち主が誰かもわからない状態で、淡路市も手を出せないっていうんです(詳しい話はネット検索をするといろいろ出てきます)。

 その話を聞いたらどうしても見たくなって、仙台のあとに青春18きっぷを使って見に行ってしまいました。JR明石駅で下車、明石港までてくてく歩いて、フェリーで淡路島の岩屋港へ。そこからバスで約30分くらい。

 こうやって書くと簡単なんですが、四年も前に閉鎖された観光地ですから、行き方がよくわかんないんですよね。地元の人に聞いちゃおうかなと思ったら、フェリー乗り場に貼ってあった古い路線図に世界平和大観音の文字を発見。最寄りのバス停が「津崎」であることがわかりました。洲本方面行きの「縦貫線」というバスです。

ファイル 846-1.jpg
 津崎に近づいてくると、バスの窓からも観音様が見えてきます。

ファイル 846-2.jpg
 まわりに何もないので大きさが伝わりにくいですが、高さは100メートルあるそうです。

ファイル 846-3.jpg
 入り口は閉鎖されていて、割れた舗装から草が生えてます。写真では文字が潰れていますが、緑色の看板に「定休日」って書いてあります。明日も明後日も、ずっと定休日です。

ファイル 846-4.jpg
 あらためて全身像です。お世辞にもよくできているとは言いにくいです。はっきり言って稚拙。テレビでこれを見た時、作った人は本当に観音様への信仰があったのかどうか疑い、怒りのようなものを感じるほどでした。

 ただ、実物を目の前にして、だんだん見慣れてくると、素直な気持ちをストレートに表現しているようにも見えて、ありがたいような気持ちになってきました。

 ネット情報ですが、『扶桑略記』にある日本最古の観音像を再現したのではないかという話もあるので、荒削りなデザインはわざとなのかもしれません。参考サイト>大仏の殿堂


ファイル 846-5.jpg
 首にくっついてるのは展望施設のようですね。これさえなければもうちょっと見た目が良くなるでしょうに、あえて作ってしまったんですねー。

 可能なら観音様のまわりを一周してみたかったのですが、各駅停車の旅は時間との勝負。あきらめて次のバスで岩屋港にもどりました。


 テレビのニュースによれば、世界平和大観音は倒壊の危険もあるとのこと。取り壊すにしても数億のお金が必要だそうです。ねがわくば、これが倒壊して衆生を苦しめるようなことがありませんように。できればビルみたいに壊したりしないで、修復して観光地化できたらいいのでしょうけど……


世界平和大観音
場所 兵庫県淡路市
建立 1982年
高さ 本体80m + 台座20m = 100m

タグ:バブル大仏大観音

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  • 2010年05月11日(火)13時48分
  • 日記

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