といっても、10頭ばかり、お遊び程度なのですが。京都の塩野屋さんという織り元で販売しているキットを購入しました。蚕の種類は都浅黄という塩野屋オリジナルの品種だそうです。
◎塩野屋
http://www.shiono-ya.co.jp/goods/kaiko.html
キットの販売は8月いっぱいです。30日掃き立ての分が最後みたいなので、ほしい方は大急ぎで注文したほうがいいです。上記ページ内に「申込書のダウンロードはこちらから」っていうのがあるので、プリントアウトしてファックスで送信してください(ややめんどくさい)。
こういうものが20日にクール宅急便で届きました。以下はセット内容です。
1)飼育箱(ダンボール製)
2)蚕の卵10頭(到着後数日で孵化します)
3)桑の生葉(3齢まで分。100g×2袋)
4)徐沙ネット
5)エタノール綿(消毒用・火気に注意)
6)蚕用割り箸
7)蚕飼育マニュアル
蚕の餌は桑の葉です。このキットには桑の葉がついてくるので初心者にもとっつきやすいかもしれません。ただ、四齢以降からは自分で調達しなきゃいけないのですね。
桑の木は、公園や土手沿いなどをよく見て歩くと、都会でもあちこちに生えてます。わたしはいつ蚕をかってもいいように、散歩をするとき桑の葉ポイントを横目で探しています(ほんというと桑の葉だけじゃなく、他の芋虫が食べる木もチェックしています……えへ)。
どうしても身近に桑がない場合は、塩野屋さんに相談しておけば追加の桑も送ってもらえるかもしれません(電話で確認したほうがいいですね)。
うちは自分で桑の木を育ててるので10頭分くらい余裕です。
これが蚕の種(卵)です。蚕の卵のことを「蚕種」と書いて「さんたね、さんだね」または「さんしゅ」と読みます。
がんばって接写してみたのですが、どうやってもピントがあいませんでした。ソラマメをうんと小さくしたみたいな感じです。
蚕の種は酸で処理すると孵化の日時をコントロールできるそうです。今回は21日に孵化する予定になっています。
説明書によると、予定日の前に卵が白っぽくなるので、そうしたら箱から出して明るいところにおけば一斉に孵化するということです。
写真の種は、もう白っぽくなった状態です。届いたのが20日ですから、すっかり孵化準備に入っています。このまま箱にしまい、暗くしたまま室温で置きました。
21日の早朝5時ごろ、箱から出してみましたが、まだ種には異変がなさそうでした。箱から出したまま様子を見ると、一時間後くらいには孵化して毛蚕(けご)がはい回っていました。
蚕の一齢幼虫のことを毛蚕と言います。名前のとおり毛が生えてるからです。毛が生えているところをお見せしたいのですが、あまりにも小さくてうまく接写できません。孵化したての頃は、5mmにも満たない小さな虫なのです。
写真のとおり、卵は13個あるのですが、一斉に孵化したのは予定通りの10頭でした。残りも遅れて出てくるかもしれません。
孵化したばかりの毛蚕を、はじめて桑の葉に移してやることを「掃き立て」といいます。今回は10頭ぽっちですが、本来ならば数百頭を一度に管理するので小さなホウキのようなもので毛蚕を桑の葉に掃き立ててやるのです。
掃き立ては重要な行事です。繭が沢山できるように掃き立てが吉日にあたるように孵化を調整したらしいです。今回は日を選べなかったので、特別良い日にはあたりませんでした。
去年も書きましたが、わたしの祖母は群馬の人で養蚕をやっていました。ただ、群馬の養蚕農家では毛蚕をあつかわず、少し大きくなったのを仕入れてきて育てていたようなのです。そのため、掃き立ては資料映像でしか見たことがありません。
蚕が小さいうちは、写真のように桑の葉を刻んであたえます。毛蚕が葉っぱのふちを探しやすくするためだと思います。芋虫は、葉っぱの中心ではなく、ふちから食べ始めます。少しでも早く沢山餌を食べさせるための工夫です。
孵化後の種も写してみましたが……だめですね。違いが全然わからない。肉眼で見ると中身が出てカラッポになった様子がわかるのですが。
というわけで、これから四週間くらいお蚕月間です。
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