七十四 菽乳麪(とうふめん) [十]かみなり豆腐の下に出たる碎豆腐(くだきとうふ)の如くし青菜の微塵剉(みぢんきざみ)と豆腐と等分に油ニ 而炒つけたるをみづを入れ烹て ○索麪(そうめん)を少しこはめに瀹(ゆでゝ)よく洗ひをきたるをうちこみ醤油の和調(かげん)する也
碎豆腐というのはこれです。
豆腐水をしぼりよくつかみくづし青菜を微塵に剉(きざ)みとうふと等分にして油をよく煮たゝせ先(まづ)とうふを入れよくかきまわし次に青菜を入れ又よく攪し(かきまはし)醤油にて味つくる也 十挺(てう)に油二合あまりの分量也 是を碎きとうふといふ
つまり「水切りした豆腐を手でつかみくずし、油で炒めたところに、みじん切りの青菜を入れてよく混ぜ、固めに茹でた索麺を入れて、よく混ぜて醤油で味をつける」ですね。豆腐入りのソーミンチャンプルーでしょうか。豆腐は砕けてしまうので存在感が薄く、主役は索麺になります(それにしても写真は麺を入れ過ぎですが)。
索麺を炒める手法は沖縄料理が流行ってから普及したと思うんですが、江戸時代にはすでに索麺をチャンプルーにして食べていたようです。油が高価だったでしょうから、庶民の家では茹でて食べ、美味しいものを食べ飽きた人がいく料亭でこんな食べ方をしたのかもしれません。
なお写真のものにはアレンジで出汁がらのかつお節を入れてあります。
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