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東北旅行20:会津若松駅でにしん蕎麦を食べて、猪苗代へ

 というわけで、バスで会津若松駅までもどってきました。次は磐越西線で猪苗代へ行くんですが、電車が来るまで少し時間があるのでお昼を食べようと思います。

 ところが(前にも書きましたが)駅前にろくな店がないんです。創業100年のマルモ食堂の前まで行ってみなかったのは失敗でした。地下道の入り口に隠れてるけど、日曜以外は営業してるそうですから、たぶん前まで行ってたら開いてたんですね。かえすがえすも残念です。

 他の店を開拓するほど時間はないので、会津若松の立ち食い蕎麦屋さんで済ませました。

にしん蕎麦
▲会津若松駅の立ち食い蕎麦屋さんで食べた「にしん蕎麦」です。駅の立ち食いで具がニシンっていうのは珍しいでしょう? 身欠きにしんをもどしたのを天ぷらにしたものみたいです。

 にしん蕎麦は京都のが有名なんだっけ? 会津でも身欠きにしんをよく食べるんだそうです。消費量がものすごくて、ニシンの相場は会津で決まると言われているとか。いろんな料理に使うそうですよ。


猪苗代へ

 というわけで、来る時とは逆に磐越西線をたどって猪苗代駅で降りました。

猪苗代駅
▲これが駅舎の入り口。山小屋風でかわいいです。

 猪苗代といったら名前は有名だし、ここが五色沼やなんかの最寄り駅だと思うんです。さぞ栄えているんだろうなと思ったら…

猪苗代駅前
▲え、なにこのさびれ具合は。

猪苗代駅前
▲こっちの黒っぽい建物の喫茶店が開いてるほかは、みんな閉まっててゴーストタウンみたいでした。平日でしたけど、いちおう夏休み期間中なんですよ?

 東北新幹線があるから? とも思ったけれど、最寄りの郡山はちょっと離れているし、やっぱり五色沼あたりへは猪苗代駅が最寄りなんじゃないかしら。ってことは、電車の旅をする人が減ってるってことでしょうか。車があったら高速道路のほうが便利だし、家族分の電車賃より高速代のほうが安いですからねえ。

野口英世記念館

 さて、ここからはまたバスです。野口英代記念館に行きます。

 え、誰ですか、野口英世を知らないとか言ってる人は。千円札のオジサンですよ。彼は子供の頃に囲炉裏で火傷をして、左手の指がくっついて動かなくなってしまいましたが、苦学して海外へ行き、アフリカや中南米で黄熱病の研究をしました。

 わたしは中学の修学旅行で東北をおとずれたり、親戚がいたりしてこっちのほうは珍しくないんですが、なぜか野口英世記念館には行ったことがありませんでした。

 それが去年の3月だったでしょうか、近くを通りがかったので寄ってみたら、もう夕方だったので閉館していて、まわりにだーーーれもいなくて、寂しいかぎりでした。

 それでいつか開いてる時間に来てみようと思ってたんです。一度見たら気がすむと思うしね?

 バスは、事前にしらべておいたところ、一時間に一本くらいは走っているようです。おお、東北旅行ではじめてまともに走っているバスだー(どんな僻地を旅しているんだ、わたし)。

◎磐梯東都バス・時刻表
http://www.totobus.co.jp/bandai/timetable.html
 記念館へ行くのは、ここの「*北窪・猪苗代病院発〜猪苗代駅経由〜会津レクレーション公園方面(上り・下り)」っていうのを見てください。ちなみにバス代は片道290円です。
◎磐梯東都バス・トップページ
http://www.totobus.co.jp/bandai/


野口英世記念館
▲野口英世の生家です。

野口英世記念館
▲英世のお母さんが使った養蚕の道具。英世のうちはほんとうに貧しかったので、お母さんがなんでもやって学費を稼いでくれたみたいです。庭にはお母さんが植えた桑の木がまだ残っていました。養蚕以外にも、もちろん畑仕事をして、猪苗代湖でエビをとったりしてたそうです。

野口英世記念館
▲ここが、英世が手に火傷を負ったいろりです。ここのすごいところは全部本物ってことです。再現したんじゃなくて、残っていたものを保存してあるんだそうです。

野口英世記念館の裏
▲かっこいいステンドグラス。生家のとなりに遺品などをおさめた資料館があって、そこにありました。

 資料館内には野口英世のそっくりロボットがいて、何かぺらぺらしゃべりながらくねくね動くんです。けっこうリアルで面白いんですよ。いちおう動画にとったんですが、資料館内はさすがに撮影禁止かもしれないので、公開は差し控えます。

 でも、youtube で探すと普通にあったりします(笑)興味のある方は探してみてください。


野口英世記念館裏の農地
▲記念館裏は農地で、この道の向こうは猪苗代湖です。

 猪苗代湖のまわりは、ちょっと風景が不思議な感じです。湖のまわりに道路があって、道路と湖の間がやたら広い農地なんです。だから道路を走ってても、あんまり湖は見えません。その感じがうまく言えないんですが、日本離れしてて、ちょっと不思議です。

猪苗代湖
▲湖まで近づいてみましたが、さらに葦原が続いていて、湖面は見えませんでした。猪苗代湖って広いなあ!

野口英世記念館と磐梯山
▲振り返ると磐梯山が……雲に隠れてますね。残念。なんでもあの山はわりと最近まで噴火してたらしいですよ。野口英世の子供の頃にも噴火して、ここいらに大量の灰が降ったそうです。そのとき英世は湖で遊んでたらしいのですが、あたりが暗くなってものが見えないから、噴火がおさまるのを待ってからゆうゆうと帰ってきたそうです。冷静な判断ですねー。

バスを待つ間に地ビールを一杯

 記念館のまわりは観光施設がいくつもあります。この日は入ってみませんでしたが民芸資料館みたいなものもあったし、世界のガラス館とかもありました。お土産屋さんも何件かあったし食事を出来る店もありそうでした。

 地ビールを作ってる建物があったので、バスを待つ間に入ってみました。
猪苗代地ビール館
▲猪苗代地ビール館。駐車場ガラガラですが、中には意外と人がいました。会津村は貸し切りみたいでしたけど、野口英世記念館のまわりはそこそこ観光客がいました。そこそこですけどね。

猪苗代地ビール館・ラオホ
▲ラオホという黒ビールを注文。わあ、これ美味しい。二杯目からは割引料金で飲めるそうです。


◎野口英世記念館(公式サイト)
http://www.noguchihideyo.or.jp/

◎世界のガラス館(地ビール館が併設されている)
http://www.world-glassware.com/


ところで福島県は安全なの?

 この日おとずれた会津若松も、猪苗代も、みんな福島県です。福島県といえば原発事故で大変なことになってしまいましたが、はたして放射線はどうなんでしょう? 地震の影響は?

 まず、放射線ですが猪苗代や会津若松は原発からは何十キロも離れています。Yahoo! の放射線情報で、原発から北西に 50km くらい離れた二本松の記録を見ると 0.267(μSv/時) とかですから、これは葛飾区の金町ときわ公園や水元中央公園のデータとあんまり違わないです。これで危険なら東京で外へ出られませんから、通常の観光ならばなんの問題もなさそうです。

 地震については、会津村と野口英世記念館しか見てないのではっきりいえませんが、たぶん大丈夫。観光に支障が出るような被害は残ってないと思います。ただ、今年は7月に大雨が降りましたよね。その影響で、只見線と磐越西線の一部で今でも(2011年9月15日現在)電車が止まってます。電車で旅行をする人は、JR のサイトで運行状況を見ておいたほうがいいです。

 津波のあった海沿いはまだ大変かもしれませんが、いわき市の海沿いにある、アクアマリンふくしま という水族館はすでに営業を開始しています。ここは液状化と津波の被害があった上に、送電が止まってしまい、魚がほとんど死んじゃったんですよね。生き残ったわずかな魚は東京や千葉の水族館に避難させて、復旧作業を急ピッチで進めたそうです。できれば行きたかったんですが、ちょっと時間をとれませんでした。いわき市は原発から南へ 50km くらい。yahoo! の放射線情報で 0.128(μSv/時) くらいですから、これも東京と変わりません。

 もちろん原発のまわりは立ち入れない地域がありますし、常磐線は一部まったく復旧の見込みのたっていない区間があります。でも、それ以外の地域への観光は大丈夫だと思います。


 福島以外でも、津波の影響がひどかった地域以外は通常営業してると思います。津波が来たのに松島なんかはもうやってますので、秋の行楽シーズンに東北なんかどうかしら、と思ってる方は心配せずに行っちゃってください。

タグ:2011年8月東北旅行

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