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関西旅行8:帰りは中央線でゴー!

 彦根を後にして名古屋に降り立ちました。名古屋見物をしてるヒマはなさそうです。昼食だけ調達して電車に乗りますね。

名古屋・駅の立ち食い蕎麦まできしめん!
▲名古屋です。ホームの立ち食い屋まできしめんです。初めてこれを見た時は感激して思わず入って食べましたねー。

名古屋・おべんとう
▲今回はこんなセットを買いました。天むす、味噌串カツ、鳥手羽のセットです。少し量が多いけど道中長いので夜もこれをつまもうかと。

 東京に着く前に夜になるはずなので、車窓から何も見えなくなったら読もうと思って駅の本屋さんで北杜夫の『マンボウ最後の大ばバクチ』という文庫本を買いました(ツイートで『マンボウ遺言状』と書いたのは勘違いでした)。# これ書いてる最中に北杜夫の訃報が入ってすごく驚いてます。

 名古屋からは中央線です。中央線の旅は前にもしたのでどうしようかなとは思ったんですが、中津川のお土産や、窓からの風景が気に入ったのでまた乗ることにしました。

 中央線の鈍行列車に乗ると、中津川で一時間くらい待ち合わせがあります。去年の春の旅で、駅前に地元の物産を売る立派な施設があることに気がつきました。

◎中津川でいろいろ買った
http://www.chinjuh.mydns.jp/cgi-bin/blog_wdp/diary.cgi?no=824

 春休みは旅行の季節としてはシーズンオフなんでしょうか。乗客がほとんどいなくて、もんのすごく寂しい状態でした。こんなところで一時間も放り出されて何をすればいいのかなあと思い、駅前の物産展に気づいたという状態です。それが意外に面白くて、また来ようって思ってたんですよねー。 

 そして今年もやってきました中津川。春はあんなに寂しかった中央線ですが、夏はお客さん一杯なんですね。9月9日だったので青春18きっぷの滑り込みラッシュだったかもしれません(夏は9月10日まで)。

 みんな中津川で時間があることを知ってるんでしょうね。大勢が一期に下りてきて、わりと全員が駅前の物産展に直行してました。

中津川
▲去年来た時はこの和風建築が中津川駅前の「にぎわい特産館」だったのですが、なんとビックリ移転したって書いてある。どこに移転したかっていうと……

中津川
▲このでっかいビルの一階に移動してました。デパートかなんかの跡っぽいんですけど、前に来たときはデパート(?)はもうなくなってて、上の方の階に公民館だか役所関係だかが入ってるだけでした。改装して一階を物産展にしたんですねー。
中津川のお土産
▲今回もいろいろ買いました。手前から、三色のからすみ、ちこり茶、中津川産の紅茶と棒茶、紙袋の中は栗きんとんです。

 中津川は意外と知られていませんがチコリの産地なんだそうです。ちこり茶はチコリの根で作ったお茶だどいうことです。少し苦味があると書いてありましたが、飲んでみたらそうでもなくて、すごく知ってる味なんです。よくよく考えたらチコリは爽健美茶に入ってるんですよね。爽健美茶の愛飲者にとっては、ちこり茶はごくフツーの味です(笑)

中津川の栗きんとん
▲これが中津川の栗きんとんです。関東でお正月に食べる黄色いねっとりしたものとは全然違うんです。ぽっくりしてて変わってる。こんなの食べた事ないって感じです。

 この日はちょうど栗きんとんフェアの真っ最中で、中津川のいろんな和菓子屋さんが、それぞれの製法で作った栗きんとんをばら売りしてました。好きなように選んで買えるのでお試し意欲を刺激されますね。ほんとは一通り欲しかったんですけど、現金が心細くなってたので三種類だけ買いました。早くカード払いに対応してください(笑)

中津川のからすみ
▲これは「からすみ」という食べ物です。もち米を練って蒸して作った甘いお菓子です。ボラの卵で作る珍味のカラスミとは別のものです(中津川は海から遠いのでボラ卵の代わりにお菓子で作ったという説があるそうです)。

 かなり素朴な味わいのもので、美味しいかっていうとビミョーなんですが、前に買ったのは写真を撮る前に食べちゃったので、一枚残しとこうと思って買ってきました。餅菓子を固くしたような触感で(ボラ卵のカラスミを食べたことがないので固さが似てるかどうかわかりません)、味は単純に甘いです。

 買い物したり、名古屋で買ったお弁当を食べたりしてるうちに一時間なんてあっと言う間です。中津川面白いです。また来ちゃうかもしれません。

木曽川
▲中央線の旅は続きます。中津川から北は線路が木曽川に並走してるのでずっとこんな景色です。春に乗った時はたまたま増水してて勇壮な眺めでした。

 倉本駅と上松駅の間に、寝覚ノ床という名所があります。竜宮城から帰った浦島太郎が、故郷には知った人が誰もいなかったので旅に出て、この地で玉手箱を開けたという伝説があるそうです。それが中央線の車窓からも見えるんですが、一瞬のことなので言われないと気づきません(特急に乗ると車掌さんが車内放送で言うことがあるそうです。一度聞いてみたいですねー)。

 電車の窓から伝説の地が見えるのは素敵なので、なんとか写真に撮ろうと思うんですが、一瞬のことなのでうまくピントが合わず、難易度が高いポイントです。今回は夏で手前の木が茂っちゃってることもあってやはり写せませんでした。場所は上り線だったら上松駅の手前です。短いトンネルを出てすぐだったと思います。床のように上が平らになった岩が切り立っているので見ればわかると思います。

塩尻駅
▲塩尻駅です。乗り継ぎに20分くらい時間があったので改札を出てみました。ここにも地元の物産を売る施設がありましたが、現金が心細くなっているので寄りませんでした。

 駅のまわりはこれといって何ってこともなさそうなのですぐにホームに戻っちゃったんですが、走り出した電車の窓から犬かオオカミのような生きものの像が見えたので、見とけばよかったって少し後悔しました。何か面白い伝説でもあるのでしょうか。

 17時ちょっと前に岡谷駅に到着。まだ明るいので途中下車してみます。

岡谷・童画館通り
▲このオシャレっぽい道は童画館通りとかいう名前でした。童画というのは見慣れない言葉ですが、この地で生まれた絵描きで童話作家の武井武雄という人が作った造語だそうです。

岡谷・イルフプラザ
▲童画館通りの突き当たりはイルフプラザという建物で、一階はスーパーでした。そうだ、塩イカ買っちゃおうっと。

岡谷・塩イカ
▲これが塩イカです。海のない長野県ではイカを塩ゆでにしたものをよく食べるそうです。かなりきつい塩味なので日もちがいいのが特徴です。2時間くらい塩抜きをして、酒粕あえや天ぷらなんかにして食べます。流通がよくなって生のイカも売られてますが、触感が違うのでわざわざ塩イカを買って食べるそうですよ。

 わたしも以前、話のたねに買ってみて病みつきになりました。天ぷらより塩もみキュウリと一緒にあえ物にするのが美味しいですね。時々食べたくなるんですが、東京では滅多に手に入りません。

岡谷・イルフ童画館
▲駅から見て、イルフプラザの前を右に曲がったところにイルフ童画館があります。ここは武井武雄って人の美術館です。イルフという言葉も武井氏の造語で、古いを逆さにして、新しいという意味だそうです。

 この時はまだ、武井武雄がどんな人なのか知らなかったので、美術館は一階の売店を覗いただけでやめちゃったんですが、あとで図書館でこの人の本を借りて、見とけばよかったって後悔しました。大正時代から昭和にかけて活躍した人なんですけど、生まれるのが早すぎたんじゃないかと思うくらいセンスの新しい人だと思います。

岡谷・イルフ童画館前のラムラム王のオブジェ
▲このラムラム王というのは武井氏の童話に出てくるキャラクターです。王というのも名前の一部で、王様の地位にあるわけじゃないそうです(でも四回くらい本当に王位についてる)。武井武雄は自分のことをラムラム王の生まれ変わりだと自称してたそうです。

http://d.hatena.ne.jp/chinjuh/20111007
 この辺にも紹介記事を書きました。はてなダイアリーでやってるわたしの日記です。

 岡谷もゆっくり見たら面白いところがけっこうありそうです。以前この町で「岡谷蚕糸博物館」というのを見ました。養蚕や紡績の道具が沢山展示されています。地味な博物館なので価値が分かりにくいでしょうが、ここにある紡績機などはそうとう貴重なものなんじゃないかと思うんです。

 かなり気に入って、もっと貴重さをアピールすればいいのにって思っていたところ、日本機械学会が機械遺産に指定したそうです。
参考>http://www.jsme.or.jp/kikaiisan/data/no_046.html

 今回は17時過ぎてたので見られなかったのですが、いつかチャンスがあったらもう一度見に行きたいです。養蚕関係の道具は見てるとわくわくするような面白いものが多いですからねー。

 岡谷駅に戻ってみたら、思いがけず上諏訪行きの電車がホームにいたので乗ってしまいました。どこだかで電車が鹿を跳ねたせいでダイヤが乱れてるらしいです。

 終電にはまだ時間があるので上諏訪駅で足湯に入ることにしました。

上諏訪駅・足湯
▲これ、駅のホームにあるんですよ。入場券か切符を買わないと入れませんが、足湯自体は無料でした。

上諏訪駅・足湯
▲中はこんな感じです。湯温は高めで疲れた足にぎゅぎゅっと効きます。なかなかいいお湯です。

上諏訪
▲改札の外へも出てみました。こんな味のある看板建築が残ってていい感じです。

上諏訪の夕焼け
上諏訪の夕焼け
▲すばらしい夕焼け。道行く人が携帯で写真をとってました。

 上諏訪駅のタリーズで冷たいものを飲んで、また電車に乗りました。鹿関係で電車が遅れているからホームはごった返していましたが、上りの鈍行列車はそれほど混んでもいなくて普通に座れました。この先は途中下車なしで帰ります。

山梨市駅の桃?!
▲山梨市駅のホームです。唐突に桃の像があったので、思わず iPhone で写しました。一体なんなんですかねこれは。ただのオブジェでしょうか。地元の人は見慣れてるかもしれないけど、通りすがりに見ると、たまらない唐突感があります(笑)

 JR金町駅到着は0時半くらいでしたかねー。最終のひとつ前くらいかな。東京近郊はその日の終電まで青春18きっぷが有効です。



 というわけで、関西旅行の記事はおしまいです。鈍行列車の旅は楽しいなあ。でもたまには新幹線にも乗りたいよー(笑)

タグ:2011年9月関西旅行 青春18きっぷ おやつ

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