前回までのあらすじ
J病院で婦人科・外科・消化器内科を検査でたらい回し状態でキレる。家に帰れたのは16時過ぎだった……orz こんなの病人のスケジュールじゃない~。
この頃の症状
D病院でもらった利尿剤は飲みきってしまった。J病院では利尿剤をくれなかった。腫瘍がある人は血栓ができやすい体質になっていることが多く、そこへ利尿剤をかけると血がどろどろになって血管が詰まるかもしれないと言われた。
しかし、あいかわらず腹はどんどんふくれている。右の肋骨の下あたりの筋肉がひきつれて痛くなってきた。胃や腸のあたりの鈍い痛みも続いているけれど、これは腹水で圧迫されてるせいで胃腸の働きがおかしくなっているのだと思う。それ以外に下腹や太ももの付け根の内側あたりがチクチク痛むようになってきた。ごく軽い痛みで、腫瘍に関係する痛みかもしれない。
痛みよりも疲れやすさのほうが酷かった。まったく体力が続かない。家ではずっと寝て過ごしていた。横になっていると楽だ。しかし仰向けは息が苦しいのでダメで、いつも横向きに寝てテレビを見たり、本を読んだり。根気が続かないので星新一の短編がちょうど良かった。この頃は左側でも右側でも、どっちを下にして寝ても、まだ大丈夫だった。
しかし、一日中寝ていると、どのくらい動けるのかわからなくなってしまうので、なるべく毎日散歩をしていた。ちょうど8月になったばかり。暑い盛りの時期で、家のまわりを10分くらい歩き回ると、もうフラフラで息切れがする。そもそも動かなくたって息苦しいのである。下から上がってくるような圧迫感があって、深く息を吸えない。こんなんじゃ何もできない。
それに咳が出る。痰がからんだ湿った咳だ。呼吸器官系は昔からあまり強くはなく、特別に風邪をひいているわけじゃないのに痰が絡んでいることがよくあったけれど、それがもっと酷くなったような状態が続いている。
食欲はあるが、やはり量は食べられない。こんな状況でも便はちゃんと毎日出ている。でも尿量は極端に少なくなった。尿が減ってると気づいたのはせいぜい一週間か十日くらい前のことだと思う。もちろんそれ以前にも腹ばかり太り始めるなどの症状はあった。でも、ここ半月くらいですとーんと落ちるように悪くなっている。
MRI
J大付属病院の初診日から二日後にMRIを取りに行った。CTに似てるけど X線じゃなく磁気で撮影するやつだ。難しい仕組みはよくわからない。大まかなことはテレビなどで見て知っているけれど、自分でMRIの検査を受けるのは初めてだ。
CTやレントゲンと同じで金具のついている服や下着をつけていると着替えなくてはならないので、だらっとした服で出かける(いや、本当を言うといつもだらっとしているのだが)。撮影は頭じゃないけど眼鏡は外すよように言われた。ド近眼なので眼鏡をはずすと極端に注意が散漫になって耳まで聞こえなくなるのだが、まあ仕方がない。
検査室の入り口に「閉所恐怖症の人は申し出てください」というような張り紙があったような気がする。こういう注意はCTではされたことがない。CTと何が違うというんだろう?
検査台に仰向けになって、お腹の上に何か板のようなものを乗せられた。なんの用途なのかちょっとわからない(知ってる人は教えて)。それから「機械がうるさいから」という理由でヘッドホーンを渡された。はめてみるとジャズだか映画音楽だかのインストルメンタルが流れていた。また「気分が悪くなったら握りつぶしてください」と、カエルのオモチャについているようなポフポフしたやつを渡された。つまり、タスケテーと口で言っても聞こえないくらい機械がうるさいと?
最初は造影剤なしで撮影。診察台がドーナツ状の機械の中に動いて行く。ここまで来てわかったが、MRIの機械はCTにくらべて長い。CTはせいぜいドーナツだが、MRIはトンネルなのだ。奥行きはどのくらいあるだろう、ちょっと思い出せないけれど、これは顔まで入ってしまうと閉所恐怖症の人にはつらいかもしれない。事前に申し出ろと言われた意味がわかった。幸い、その筋の恐怖症は持っていないのでなんともなかったけれど。
機械が動き始めると、これがまあとてつもない音でズガガガガと言いはじめる。まるで工事現場みたいだ。ヘッドホンをつけていてもうるさい。なんだこれは。一体どんな仕組みになっているのだろう。これは急に気分が悪くなっても、口で叫んだくらいじゃ聞こえない。先生たちはガラスで隔てられた隣室で機械の操作をしているし。
ヘッドホンから「息を吸って……止めて」という指示が出る。止めてる時間は20秒くらい。仰向けで息苦しいので20秒止めるのは少しつらかった。
いったん機械から出されて、次は造影剤を点滴で入れますからと、針を刺すのはどちらの腕がいいですかと聞かれたので「左の方が刺しやすいはずだけど、前回の採血で軽く内出血をしているので、刺さるのならば右でお願いします」と頼んだ。わたしとしては、これで右は刺すのが難しいのだと伝えたつもりだった。
先生はなんの躊躇もなく右腕の血管に針を刺したが、正直こんなんできちんと刺さっているとは思えない。献血を趣味にしていたことがあり、この人はうまく狙って刺した、あるいはそうでない、というのが経験上なんとなくわかる。ホントに大丈夫? と思ったけれど、血管からチューブに血が逆流している(逆血)のを確認したとかで、大丈夫だと言っている。
が、しかし、やっぱり漏れた。造影剤が漏れ出して入っていかなかった。先生は「クソッ」とか言ってたけど、それはこっちのセリフです。刺しにくいって言ったのに(涙) 仕方なく左腕に変更。こちらはすんなり刺さったけれど、D病院でも近い場所から採血されたりしているので、軽く固くなっていて刺さると痛かった。
造影剤を入れてから、またうるさいトンネルの中で撮影。今度は息を止めなかったけどいいのかな??
お会計
基本診療料 210円
画像診断料 10377円
合計 10590円也
MRI高いよ。
てっちゃん 2007年08月01日(水)00時22分 編集・削除
申し訳ありません。
蟹退治、すごく興味深いです。
MRIの検査のくだり、すごく、面白かったです。ヘッドフォンがわたされるとか、初耳でした。たすけて~!!のぽふぽふとか。
板は、何なんだろ。知りませんです。
昔習った教科書とか引っ張り出してきて調べましたが、板は、分りません。何だろ。
MRI検査、うかつに金属つけて受けると、マジで金属部分飛ぶらしいですよ?
骨折の治療の為の外せない金属が入ったままMRI検査受けた患者さんに付き添った先生は、「やばかった。もって行かれそうになった~!」と言ってました。