葛飾区内にある都立水元公園で、25日、1μSv/hを超える空間放射線量が確認されました。これは東京都による公式な調査だそうです。
現在その場所は「柵で囲い立ち入れないようにしている」とのことですが、正確な場所は広報や報道を見てもよくわかんないので昨日(26日)見てきました。
全部で9地点と葛飾区のサイトにあるのですが、東京都建設局の札がかかっているのは五カ所しかみつかりませんでした。なお、この日は水元公園の東金町エリアには行きませんでした。
その1:水産試験場跡地管理棟の西にある建屋の隅
ここは線量をはかりそびれました。
その2:1の前にある便所の脇
金網から手を入れて計ってみたところ、0.38μSv/hでした。ホットスポット(線量が特に高い場所)というのはわりとピンポイントなんでしょうね。その真上とかで計らないと 1.00μSv/hなんて数字は出ないんだと思います。
なお、囲いから4mくらい離れて計ったところ 0.18μSv/h程度でした。
その3:第一駐車場脇
ここはかなり広い範囲が囲われていて、特別に高いところがどこなのかよくわかりません。何カ所か計ってみましたが、0.22〜0.25μSv/h程度でした。このくらいだとホットスポットと言われていない場所でも出ます。
その4:第二駐車場入り口脇
ここには地面にテープが碁盤の目のように貼られており、線量を計った跡だとわかります。マス目のところまでは行けないので柵から手をいれられる範囲で計ったら0.35μSv/hくらいでした。確かにちょっと高いです。
なお、柵から数メートル離れて計ったら、0.14μSv/h程度でした。
その5:グリーンプラザ近く
ここは25日の報道以前からありました。手を突っ込んで線量を計るとほかよりも確かに高いです。
地面はアスファルトなので、たまっている砂などを片付けてしまえばホットスポットではなくなりそうですけど、ずっとこのままになっています。それで、時間経過とともにどうなるのか調査しているんだろうと思っていましたが、実際はなんのつもりなのかはわかりません。こういうのって建設局とやらに問い合わせたら教えてくれるものなんでしょうか?
さて、この日も線量を計ったはずなんですが、なんとおそろしいことにメモを保存しわすれたようです(iPhone で Evernote を使ってメモしています)。記憶では高いところで0.30μSv/h以上出たと思います。柵の中でも全体が高いわけじゃなくて、端っこはそれほどでもありません。
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こんな感じで、今回は5カ所はみつけました。先に書いたとおり、東金町エリアには行ってませんし、見逃した部分があるかもしれません。とにかく水元公園は広くて、昨日これらを見てまわるだけで 4〜5時間くらいかかっています。
状況から考えてこれらの囲いはホットスポットなんだと思いますが、囲いには「環境調査中」などとかかれているだけで、なんの調査なのかは説明されていません。そのため、本当にここが報道されている「線量が特に高い9地点」なのかよくわかりません。
それにしても、なぜ説明もせずに囲いだけ作るんでしょう。線量が特に高い場所だと書いたらパニックになるとでも思っているのでしょうか? だとしたらずいぶんと馬鹿にされてるような気がします。
とりあえず、東京都が何かの理由で囲った場所には東京都建設局の札がかかっているようです。
▲こんなやつ
ホットスポット(らしき場所)については言いたいことがけっこうあります。
水元公園は、おとずれたことのない人にはわからないと思いますが、筆舌に尽くしがたいくらい広いんです。昨日わたしが見てまわっただけでも5時間くらいかかっています。それでも見切れない。
その広い公園内を、くまなく放射線調査しているかっていうと、たぶんしていません。できっこないですもん。たまたま調査した場所が高かったというだけなんじゃないでしょうか。
上記の5カ所を見てもらえばわかりますが、建物の陰で雨がたまる場所とか、通路の側溝とか、林の中で落ち葉や雨水のたまる場所とか、どこにでもありそうな条件ばっかりです。
ってことは調査されていない他の場所にもホットスポットがあるんじゃないでしょうか?
こんなことを書くと「公園全体を立ち入り禁止区域にしたほうがいい」なんて言う人が必ず現れます。
でもちょっと待って。水元公園は山の中にあるわけではありません。公園の外はごく普通の住宅街です。農地もあるし、庭のあるお宅も沢山あります。
公園の中にホットスポットがあるってことは、公園外の農地や民家の庭にもホットスポットがあるかもしれないんです。公園だけ閉鎖してもなんの意味もないと思います。
そんなことより大事なのは、正しい知識の啓蒙と、綿密な調査と必要な箇所の除染作業じゃないんでしょうか。
放射性物質がどんな場所にたまりやすいのか、たまっていることがわかったらどう処理すればいいのか、また、家の周りにホットスポットがあったとして、影響はどこまで及ぶのか(建物の中は大丈夫なのか)、高い値が出た場所はずっと高いままのかなど、きちんと知る必要があるし、知らせる必要があるのでは。
放射線出た、囲い作った、人を遠ざけたからもう大丈夫、計ってない場所は知らんとならないように、今何が起こっているのか、誰にでもわかるようにきちんと説明してほしいものです。
計測にはこの機械を使いました
エステーとタカラトミーアーツが作った家庭用のガイガーカウンターです。安いので高価なものと比べると何か落ちる部分はあるでしょうが、高いところでは高く、低いところでは低く出る感じです。画像クリックで楽天市場内の通販ショップに移動します。
この機械を使って、地上からだいたい1mの高さで、10秒ごとに9回値をメモして平均値を出しています。
報道と広報
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012062602000104.html
東京都は二十五日、都立水元公園(葛飾区)の駐車場周辺の植栽で空間放射線量を測定し、最高で毎時一・二二マイクロシーベルトを確認した。文部科学省のガイドラインで除染の目安に当たる、周辺より一マイクロシーベルト以上高い場所が計九カ所あった。都内で除染対象のホットスポットが見つかったのは初めて。都は文科、環境両省と相談し除染する。
この日の測定では、駐車場西側の植栽の八カ所で一・一六〜一・二二マイクロシーベルト、南側の植栽でも一・二二マイクロシーベルトを検出した。駐車場のアスファルト上は〇・一六マイクロシーベルトだった。
都は高線量が出た場所の周辺を既に柵で囲っており、滝沢達・公園緑地部長は「早急に対応したい。除染の範囲や方法は文科省などと相談する」とした。
共産党都議団が独自に測定し、ホットスポットの存在を指摘していた。立ち会った可知佳代子都議は「園内には他にも高線量の場所があるかもしれないので、調査してほしい」と求めた。
http://www.city.katsushika.lg.jp/34/9539/010588.html
都立水元公園内の局所的な放射線量の測定結果について
東京都は、平成24年6月25日に都立水元公園内の局所的に放射線量が高い区域内の放射線量の測定を実施しました。その結果と東京都の対応については以下のとおりです。
* 文部科学省のガイドラインによれば、「地上高さ1メートルの空間線量が周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い地点」を簡易な除染等の目安としている。
* 今回、局所放射線量が高い区域内の14地点を測定したが、そのうち9地点から、本日測定した周辺一般環境の空間線量毎時0.16マイクロシーベルトを、1マイクロシーベルト以上上回る、毎時1.22マイクロシーベルトから1.16マイクロシーベルトの空間線量を確認した。
* この結果を直ちに文部科学省に連絡し、原因の推定及び簡易な除染等の対応について調整のうえ、早急に実施していく。
* また、今回の測定箇所については、引き続き、柵で囲い立ち入れないようにしている。なお、柵周囲の空間線量についても現在測定中である。
(平成24年6月25日提出)
より大きな地図で 水元公園HSリスト を表示
▲赤いポイントが都の囲いがあるところ。青と黄色のポイントが↓に書いた謎の囲い。
おまけ:公園内には他にもよくわかんない囲いがあります。
謎の囲い1:青年の家跡
パイロンがあって、棒が渡してあるだけです。ただ、なぜ囲ってあるかまったくわかりません。線量は計ってみましたが低くもなければ高くもないというか、何度か計ると0.30くらい出るね、という感じでした(でもそんな場所いくらでもあるんですよほんと……)。
枝打ちをしたあとに囲いを片付け忘れたとか、つまらない理由なのかもしれませんけど、景観の問題もありますし、特に理由がないなら撤去してほしいような気がしますね。理由があるなら説明を!
ちょうど別の人もこの場所の線量を計りにきていました(一般の方です)。あのようなニュースのあとなので、囲われている場所はすべてホットスポットだと思ってる人は多いはずです。
謎の囲い2:水生植物園近くの林
ここも25日のニュース以前からありました。今は草が生えてわからなくなっていますが、林を囲って木の根元をほじくりかえしてあります。なんのために掘り返したのかもわからないし、もうずーっと囲われていていつまでも立ち入り禁止が解除されません。
あくまで想像ですが、地表面と下の土を入れ替えることで空間放射線量がどのくらい減るか実験しているんじゃないかと思ってるんですが、実際どうなんでしょう。こういうのも問い合わせたらごまかさずに教えてくれるんでしょうか。
謎の囲い3:ポプラ並木近くの林の中
これもなんのためにあるのかさっぱりわからない囲いです。理由がわからなくても日本人はお行儀がいいので乗り越えたりはしませんが、必要もないのに存在しているなら目障りなので撤去してほしいのです。そして、必要があるなら説明を。
▲ちなみにこれは今年の3月26日に撮影した同じ場所です。
謎の囲い4:場所の説明が難しい
ここもです。写真ではわかりにくいでしょうが、低いところにロープが貼られています。資材置き場かなにかにしてあるのかもしれませんが、今は特に何も置かれていませんでした。
なんで公園って意味不明な囲いが多いんでしょうね。都立公園は都民の税金で維持してる場所です。私有地ではないので訪れる人に事情がわかるようにすべきです。