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養蚕重宝記03:世にいずれの名人養蚕記をいたしありといへども

一丁表

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0006.jpg
↑ここの左部分

養蠶重寶記(蠶は神かんむりに虫)
一 世にいずれの名人養蚕記をいたしあり
  といへども男女童子ともに至り文字の
  よろしきかたき事にてはわかりかねる
  ゆへに文字のはたらきにかかわらず

一丁裏

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko04/bunko04_00660/bunko04_00660_p0007.jpg
↑ここの右部分

  心にかなへるのみ第一に書しるし
  ・

    信州小縣郡上田在まいた
          南向堂重清

説明と読めなかった部分のメモ

 目次の前に序文めいたものがついているのに、さらに南向堂先生の前書きがついてるという念の入りよう(笑)内容としては、老若男女だれにでも分かるように書きました、ということでしょうか。

 「まいた」は地名のようです。長野県小県郡に明治まであった舞田村のことかと思います。

 一丁とか二丁とかいうのはページのことですが、序文から目次まで通番になっていて、本文の冒頭でリセットされてまた一丁から始まってます。

 今の本とはページの振り方が違い、紙一枚分が一丁です。一丁の表を読んで、ページをめくると一丁の裏になります。

最後の文字は何??
 最後の方に全く読めない部分がありました。赤線を引いたところはなんと読めばいいんでしょう??


追記

 この本では蚕の文字が三種類使われています。「蚕」「蠶」と、もうひとつは「神」の下に「虫」を書く文字で、パソコンでは表示できないと思います(たぶん)。

 今でも農家では蚕を呼び捨てにはせず「お蚕」「お蚕さん」「お蚕様」などと丁寧に呼びますが、江戸時代はもっと大事にされていて、神と同じものだくらい言われてたようです。「神/虫」という文字も、そうした気持ちから作られたものかと思います。国字だと思うけど、未確認です。

タグ:古文書解読

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珍獣ららむ〜 2012年12月16日(日)06時04分 編集・削除

まちがい発見

× 文字のはたらきに
○ 文字のつたなきに

でした。単語の頭文字を読み間違えると続く文字もまちがえてしまう法則ですね。気をつけよう。

珍獣ららむ〜 2012年12月22日(土)08時36分 編集・削除

>  心にかなへるのみ第一に書しるし
>  ・

「書しるし」のところの原文を見ると、「し」をやけに大きく書いているのですが、どうやらこれは「可候(べくそうろう)」という決まり文句のくずし方らしいです。

ということは、最後の行の謎の文字は「事」かもしれないですね。「可候事(べくそうろうこと)」で決まり文句っぽい。


こういう、決まり文句を知らないと絶対に読めないまとめくずしの荒技一覧表があったら便利そう。
いやきっとあるんだろうな世の中には。
今度図書館行ったら探してみよう。